物価高騰と不公平な税制 自公政権の「税制改革」

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長引く物価高騰に市民の生活が疲弊するなか、自公政権が推し進める税制のあり方に市民の怒りが噴出しています。大企業への税制優遇を続ける一方で、消費税増税の議論が再燃し、さらには国会議員の歳費を引き上げようとする目論む議論がされるのであれば。まるで市民の生活を蔑ろにしているのではないだろうか。

「物価高騰と消費税の「二重の重圧」」

現在、私たち労働者の生活を最も苦しめているのは、日々の食料品から光熱費に至るまで、あらゆるものの価格が上昇している物価高騰です。賃金はなかなか上がらない一方で、支出ばかりが増え、家計は常に火の車です。
現在の状況下では、消費税は市民の生活に「二重の重圧」をかけています。まず、物価の高騰です。今年9月から価格が上がる品目の数は、1,422品目と予想されています。主な値上げ対象は、調味料や加工食品、菓子類など多岐にわたります。なお、年内で、値上げ品目の累計が2万品目を突破する見込みで、家計への負担が引き続き重くなることが予想されています。
物価が上がると、同じ金額を支払っても購入できる量が減ってしまいますが、これに加えて商品やサービスの価格全体にかかる消費税が、物価高騰と相まって私たちの手取り収入の実質的な価値をさらに低下させています。次に、消費税には逆進性の問題があり、収入の多い少ないにかかわらず一律に課税されるため、低所得者ほど収入に占める税負担の割合が大きくなります。生活必需品の価格上昇と消費税が重なることで、所得の低い人々はさらに貧困に追い込まれ、格差が拡大する一方です。
自公政権が消費税増税を検討していると報じられるたびに、私たちは「市民の生活が本当に見えているのか」と問いかけざるを得ません。この不況下で消費税を上げることは、市民の消費意欲をさらに冷え込ませ、景気回復を妨げるだけでなく、社会の分断を一層深めることにつながります。

「大企業優遇と財源の嘘」

消費税増税の理由として、政府は常に「社会保障の財源確保」を挙げます。しかし、本当に財源がないのでしょうか?
自公政権が本当に財源を確保したいのであれば、まず大企業への税制優遇を是正すべきだと考えます。
長年にわたり法人税は何度も引き下げられ、多くの大企業が税制優遇措置を活用して実質的な納税額を抑えてきました。その結果、本来社会保障などに充てられるべき税収が失われています。
さらに、企業は法人税減税の恩恵を受けながらも、その利益の多くを従業員の賃金アップや設備投資に回さず、内部留保として積み上げています。国税庁の統計によると、企業の内部留保は過去最高水準を更新し続けており、その額は膨大です。私たちは、この内部留保の一部を賃金に回すことこそ、経済を活性化させる最も確実な道だと考えます。消費税増税を声高に叫ぶ一方で、大企業への減税や内部留保に手をつけないのは、明らかに不公平な税制であり、市民を欺く行為です。

「国会議員の所得引き上げへの怒り」

物価高騰に苦しむ国民を尻目に、2023年に人事院勧告に基づいて国家公務員の給与が引き上げられたことを受け、国会議員の国会歳費(国会議員に支払われる給料のことで法律で月額129万4,000円と定められています)が引き上げの動きがあったと報道され、市民からの強い批判を受けて歳費引き上げが見送られた経緯があります。国会議員の歳費は国民の税金から支払われており、その額は市民の生活水準や経済状況を考慮して決められるべきです。しかし、現在の状況は市民の苦境を完全に無視しており、「自分たちの懐だけを温める」という姿勢の表れとしか言えません。この不公平な決定は、政治に対する市民の信頼を失墜させるだけでなく、「私たちは苦しんでいるのに、なぜ政治家は優遇されるのか」という当然の疑問と憤りを生み出しています。

「市民の怒りに耳を傾けろ」

私たちは、この状況を黙って見過ごすことはできません。もし自公政権が本当に市民の生活を守るつもりがあるのなら、まず、消費税増税の議論を直ちに撤回すること。次に、大企業への税制優遇を見直し、応能負担※1の原則に基づいた公平な税制改革を実行することです。また、国会議員の歳費を引き上げることなく、市民生活の苦境を共有する姿勢を示すべきです。そして、内部留保を賃金に回すよう、企業に強く働きかけることを要求します。
政治は市民のためにあるべきですが、現在の自公政権の政策は、市民の声に耳を傾けることなく、一部の既得権益を守るためそのものです。働く人々の生活を守り、公平で公正な社会を実現するため、私たちはこの問題に対して今後も声を上げ続けます。自公政権は、この市民の怒りの声を真摯に受け止めるべきです。

※1:応能負担の原則:その人が持つ経済的な能力(所得や資産)に応じて、公平に負担を分かち合うという考え方。この原則は主に税金や社会保障費の分野で用いられる。

応能負担の原則の仕組み
この原則では、所得が多い人ほど税率が高くなる累進課税制度がその典型。所得税は所得が増えるほど税率が段階的に上がっていく仕組み。高所得者の方が所得に占める税金の割合が大きくなり、低所得者よりも多くの税金を納めることで、負担の「感じ方」を公平にするという考え方。

私的判決論 人々の権利の実現をめざして

中島光孝/著
出版社名 白澤社
ページ数 334p
発売日 2025年06月
販売価格 : 3,400円 (税込:3,740円)
目次
第一部 弁論が開かれた最高裁判決(ハマキョウレックス事件、日本郵便〔西日本〕事件―「非正規格差」をどう是正するか
空知太神社事件最高裁判決―政教分離原則違反はだれがどのような基準で判断すべきか
水俣病訴訟―公害企業救済か被害者救済か)
第二部 「戦争」にまつわる判決(大阪・花岡中国人強制連行国賠請求訴訟―国家の「強制」による「加害」を国家はいかに償うべきか
台湾靖国訴訟・小泉靖国訴訟―台湾原住民族はなぜ「靖国合祀」を拒否するか
「アベ的なるもの」との三〇年―フィリピン元「従軍慰安婦」補償請求訴訟/「君が代」斉唱拒否訴訟/安倍国葬違法支出公費返還請求住民訴訟)
第三部 労働組合をめぐる判決(三菱重工長崎造船所〔労働時間〕事件―「労働と労働組合活動」を考える
住友ゴム工業事件・近鉄高架下文具店長事件―「職場の労働組合活動」を考える
関西生コン支部刑事弾圧事件―「労働基本権保障」の意味を考える)

 

真相はこれだ!関生事件 無罪判決!【竹信三恵子の信じられないホントの話】20250411【デモクラシータイムス】

ご存じですか、「関西生コン」事件。3月には、組合の委員長に対して懲役10年の求刑がされていた事件で京都地裁で完全無罪判決が出ました。無罪判決を獲得した湯川委員長と弁護人をお呼びして、竹信三恵子が事件の真相と2018年からの一連の組合弾圧事件の背景を深堀します。 今でも、「関西生コン事件」は、先鋭な、あるいは乱暴な労働組合が強面の不法な交渉をして逮捕された事件、と思っておられる方も多いようです。しかしそうではありません。企業横断的な「産別組合」が憲法上の労働基本権を行使しただけで、正当な交渉や職場環境の改善運動だったから、強要や恐喝など刑事事件には当たらないものでした。裁判所の判断もこの点を明確にしています。では、なぜ暴力的組合の非行であるかのように喧伝され、関西全域の警察と検察が組織的に刑事事件化することになったのか、その大きな背景にも興味は尽きません。 tansaのサイトに組合員お一人お一人のインタビューも連載されています。ぜひ、どんな顔をもった、どんな人生を歩んできた人たちが、濡れ衣を着せられ逮捕勾留されて裁判の法廷に引き出されたのかも知っていただきたいと思います。
動画閲覧できます ココをクリック

増補版 賃金破壊――労働運動を「犯罪」にする国

竹信三恵子 (著) 旬報社 – 2025/1/30

勝利判決が続く一方で新たな弾圧も――
朝⽇新聞、東京新聞に書評が載り話題となった書籍の増補版!関生事件のその後について「補章」を加筆。
1997年以降、賃金が下がり続けている先進国は日本だけだ。そんな中、関西生コン労組は、労組の活動を通じて、賃上げも、残業規制も、シングルマザーの経済的自立という「女性活躍」も、実現した。そこへヘイト集団が妨害を加え、そして警察が弾圧に乗り出した。
なぜいま、憲法や労働組合法を無視した組合潰しが行なわれているのか。迫真のルポでその真実を明らかにする。初版は2021年。本書はその後を加筆した増補版である。
◆主な目次
  はじめに――増補にあたって
  プロローグ
  第1章 「賃金が上がらない国」の底で
  第2章 労働運動が「犯罪」になった日
  第3章 ヘイトの次に警察が来た
  第4章 労働分野の解釈改憲
  第5章 経営側は何を恐れたのか
  第6章 影の主役としてのメディア
  第7章 労働者が国を訴えた日
  エピローグ
  補章 反攻の始まり
  増補版おわりに

映画 ここから 「関西生コン事件」と私たち
この映画は「フツーの仕事がしたい」「アリ地獄天国」など労働問題を取り上げ注目を浴びている土屋トカチ監督の最新作。「関西生コン事件」の渦中にある組合員たちの姿を描いた待望のドキュメンタリー映画『ここから「関西生コン事件」と私たち』がこのほど完成。業界・警察・検察が一体となった空前の労働組合潰しに直面した組合員と家族の物語を見つめた。(左写真は松尾聖子さん)いまも各地で上映会がひらかれている。
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ー 公判予定 ー

10月31日    国賠裁判      東京地裁(判決)   15:00~
11月18日    大津第2次事件   大阪高裁(判決)   14:30~