矛盾をはらむ「反省」の言葉と軍事演習 「石破が述べた舌先だけの反省」

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2025年8月15日、石破茂首相は終戦の日の式辞で「あの戦争の反省と教訓を、今改めて深く胸に刻まねばなりません」と述べました。この「反省」という言葉が、13年ぶりに政府の公式見解として使われたことは、国内外で大きな注目を集めました。しかし、その言葉とは裏腹に、現在進行中の軍事動向を見ると、その発言の真意が問われているとの指摘があります。

「言葉と現実の間の溝」

石破政権は、過去の過ちを反省し、未来の平和を希求する姿勢を国民に示しました。しかし、そのメッセージと矛盾するかのように、現在、陸上自衛隊と米海兵隊は、大規模な実動演習「レゾリュート・ドラゴン」を計画・実行しています。この訓練は2025年9月11日から25日まで、北海道、東京都、山口県、大分県、佐賀県、長崎県、熊本県、鹿児島県、沖縄県などの陸上自衛隊・米軍施設で実施されています。

特に注目すべきは、沖縄での軍事動向です。米軍の高機動ロケット砲システム「ハイマース」の与那国島への配備計画は、町長選挙の結果を受けて取りやめとなりました。このハイマースは、迎撃を目的とする防御型の兵器ではなく、攻撃型の兵器です。ロシアの侵攻を受けるウクライナに米軍が供与し、ロシア領への越境攻撃を可能にする長射程兵器として世界的に注目を集めています。

この事例は、急速な軍備増強に対する住民の不安を物語っています。地元住民の声に真摯に向き合うのであれば、訓練そのものの規模を縮小したり、中止したりすることも検討すべきでしょう。沖縄では、対艦戦闘や実弾射撃を含む新たな軍事訓練が実施されています。この訓練では、米軍の地対艦ミサイル「NMESIS(ネメシス)」や短距離防空システム「MADIS(マディス)」といった主要兵器が初めて展開されます。

過去の戦争の教訓から「反省」を掲げながら、一方で新たな有事の火種となりうる軍事力強化を進める政府の姿勢は、自己矛盾を露呈していると言えるでしょう。

「揺らぐ地域の民意」

政府が「抑止力」の名のもとに軍備増強を進める一方で、地元の民意は明確にこれに反しています。2025年8月に行われた与那国町長選では、自衛隊のさらなる機能強化に慎重な姿勢を示す新人の上地常夫氏が当選しました。この結果は、島をこれ以上軍事拠点化することに強い不安と抵抗を感じている住民たちの意思の表れです。

上地新町長は当選後の取材で、「オスプレイ飛来や公道を使用した訓練は容認できない」と述べ、住民の声を代弁しています。しかし、中谷元防衛相(石破内閣の防衛相)は記者会見で「日米共同訓練を含む訓練や演習を引き続き実施する必要がある」と述べ、軍事シフトの継続を明言しており、政府と地元の間に深い溝が生まれています。

「エスカレーションの危険性」

国は南西諸島での軍事演習強化を、中国に対する「抑止力」として正当化しています。しかし、軍備の応酬はかえって中国の対抗措置を招き、軍事的な緊張を高める恐れがあります。歴史が示すように、こうした軍事的なエスカレーションは、不測の事態から制御不能な局面に発展する危険性を常に伴います。

終戦記念日の「反省」という言葉が、単なる形式的なスピーチで終わらないためには、政府は言葉だけでなく行動でその真意を示すべきです。地域の民意に耳を傾け、軍事力に依存しない外交的解決の道を模索することこそ、真の平和構築につながるのではないでしょうか。

※9/7UPの民主主義を揺るがす「暴力装置」の変質の宮古島駐屯地の隊員増強が問う、民主主義の根幹の部分に繋がっていくのです。参照してください。

私的判決論 人々の権利の実現をめざして

中島光孝/著
出版社名 白澤社
ページ数 334p
発売日 2025年06月
販売価格 : 3,400円 (税込:3,740円)
目次
第一部 弁論が開かれた最高裁判決(ハマキョウレックス事件、日本郵便〔西日本〕事件―「非正規格差」をどう是正するか
空知太神社事件最高裁判決―政教分離原則違反はだれがどのような基準で判断すべきか
水俣病訴訟―公害企業救済か被害者救済か)
第二部 「戦争」にまつわる判決(大阪・花岡中国人強制連行国賠請求訴訟―国家の「強制」による「加害」を国家はいかに償うべきか
台湾靖国訴訟・小泉靖国訴訟―台湾原住民族はなぜ「靖国合祀」を拒否するか
「アベ的なるもの」との三〇年―フィリピン元「従軍慰安婦」補償請求訴訟/「君が代」斉唱拒否訴訟/安倍国葬違法支出公費返還請求住民訴訟)
第三部 労働組合をめぐる判決(三菱重工長崎造船所〔労働時間〕事件―「労働と労働組合活動」を考える
住友ゴム工業事件・近鉄高架下文具店長事件―「職場の労働組合活動」を考える
関西生コン支部刑事弾圧事件―「労働基本権保障」の意味を考える)
  
『働くあなたが、大切にされるために』
  非正規を語る 当事者から・弁護士から

ゲスト:中島光孝さん  大椿ゆうこさん
司 会: 二村知子
開催日:2025年10月18日 土曜日
時 間: 15:00~17:00
(要予約・事前購入制とさせていただきます。申込み順)

会 場:リアル(限定50名) &リモート(定員100人)トークイベント
隆祥館書店多目的ホ-ルからリモ-トで配信
詳しくはこちらホームページ チラシココをクリック

 

真相はこれだ!関生事件 無罪判決!【竹信三恵子の信じられないホントの話】20250411【デモクラシータイムス】

ご存じですか、「関西生コン」事件。3月には、組合の委員長に対して懲役10年の求刑がされていた事件で京都地裁で完全無罪判決が出ました。無罪判決を獲得した湯川委員長と弁護人をお呼びして、竹信三恵子が事件の真相と2018年からの一連の組合弾圧事件の背景を深堀します。 今でも、「関西生コン事件」は、先鋭な、あるいは乱暴な労働組合が強面の不法な交渉をして逮捕された事件、と思っておられる方も多いようです。しかしそうではありません。企業横断的な「産別組合」が憲法上の労働基本権を行使しただけで、正当な交渉や職場環境の改善運動だったから、強要や恐喝など刑事事件には当たらないものでした。裁判所の判断もこの点を明確にしています。では、なぜ暴力的組合の非行であるかのように喧伝され、関西全域の警察と検察が組織的に刑事事件化することになったのか、その大きな背景にも興味は尽きません。 tansaのサイトに組合員お一人お一人のインタビューも連載されています。ぜひ、どんな顔をもった、どんな人生を歩んできた人たちが、濡れ衣を着せられ逮捕勾留されて裁判の法廷に引き出されたのかも知っていただきたいと思います。
動画閲覧できます ココをクリック

増補版 賃金破壊――労働運動を「犯罪」にする国

竹信三恵子 (著) 旬報社 – 2025/1/30

勝利判決が続く一方で新たな弾圧も――
朝⽇新聞、東京新聞に書評が載り話題となった書籍の増補版!関生事件のその後について「補章」を加筆。
1997年以降、賃金が下がり続けている先進国は日本だけだ。そんな中、関西生コン労組は、労組の活動を通じて、賃上げも、残業規制も、シングルマザーの経済的自立という「女性活躍」も、実現した。そこへヘイト集団が妨害を加え、そして警察が弾圧に乗り出した。
なぜいま、憲法や労働組合法を無視した組合潰しが行なわれているのか。迫真のルポでその真実を明らかにする。初版は2021年。本書はその後を加筆した増補版である。
◆主な目次
  はじめに――増補にあたって
  プロローグ
  第1章 「賃金が上がらない国」の底で
  第2章 労働運動が「犯罪」になった日
  第3章 ヘイトの次に警察が来た
  第4章 労働分野の解釈改憲
  第5章 経営側は何を恐れたのか
  第6章 影の主役としてのメディア
  第7章 労働者が国を訴えた日
  エピローグ
  補章 反攻の始まり
  増補版おわりに

映画 ここから 「関西生コン事件」と私たち
この映画は「フツーの仕事がしたい」「アリ地獄天国」など労働問題を取り上げ注目を浴びている土屋トカチ監督の最新作。「関西生コン事件」の渦中にある組合員たちの姿を描いた待望のドキュメンタリー映画『ここから「関西生コン事件」と私たち』がこのほど完成。業界・警察・検察が一体となった空前の労働組合潰しに直面した組合員と家族の物語を見つめた。(左写真は松尾聖子さん)いまも各地で上映会がひらかれているお問い合わせはコチラ ココをクリック

ー 公判予定 ー

10月31日    国賠裁判      東京地裁(判決)   15:00~
11月18日    大津第2次事件   大阪高裁(判決)   14:30~