「人権は与えられるものではなく民衆の運動で闘いとるもの」

「人権」について、日本では「人権は大切」と誰もが言います。国際外交の場面でも「人権は大切だ」との言葉が使われているのはメディアなどの報道で知られています。しかし、日本社会において、この「人権」という言葉の意味を真剣に受けとめてきたのかは疑問があるのではないでしょうか?

辻村みよ子さん(弁護士、憲法学者-東北大学名誉教授、ジェンダー法政策研究所共同代表)は、メディアの取材に以下のように述べています。

「人権保障の国際水準では先進国最下位どころか、後進国レベル」

「G7議長国の日本も、人権保障の国際水準では先進国最下位どころか、後進国レベルにあるといる。世界経済フォーラムのジェンダーギャップ指数では、政治分野の男女格差は146ヵ国中139位で世界ワーストテンに入っている。国際機関からも国内人権機関がない点などが批判されている」。

「小学校などでの人権教育や国内人権機関の制度化を怠ってきた」

「原因の一つとして、55年体制以降の長期保守政権が、憲法と人権規定を尊重しない改憲の立場を取り、小学校などでの人権教育や国内人権機関の制度化を怠ってきたことがあるのではないか。憲法13条は『個人の尊重』を定めているが、それが『利己主義』と誤解されてきた事情もある。戦後の改憲論議で繰り返されてきた『日本国憲法が行きすぎた個人主義という風潮を生んできた』とい保守層からの批判に表れている」。

「人権は与えられるものではなく民衆の運動で闘いとるもの」

「もっとも、近代日本の歴史を振り返ると、西洋の普遍的な人権思想を真剣に学ぼうとする動きはあった。フランス人権宣言の影響は日本におよび、自由民権運動のなかで中江兆民が1793年の人権宣言を翻訳・出版したことは画期的だった。それは人民主権や社会保障、蜂起(抵抗)の権利などを定めていた。自由民権運動が教えてくれるのは、人権は権力者によって与えられるものではなく民衆の運動で闘いとるもので、権力者は謙虚に人権を認めるべきだという考えだ」。

「表現の自由などが制限され、戦争の時代へと突入していった」

「しかし、明治政府は女性を選挙権から排除し、政治活動を禁止した。天皇主権を採用した明治憲法では普遍的な人権は認められず、「臣民の権利」として表現の自由などが制限され、戦争の時代へと突入していった。
もちろん、人権を求める運動が日本社会で消えたわけではない。例えば、敗戦直後、憲法学者の鈴木安蔵たちが作った「憲法研究会」は、社会規定などを盛り込んだ憲法草案要綱をまとめた。連合国軍総司令部(GHQ)はそれを参照し、日本国憲法にも取り入れた」。

「人権教育と主権者教育の充実-小学校の低学年から人権感覚を鍛える」

「日本国憲法には米国憲法にもない男女平等規定が盛り込まれた。しかし、女性の人権状況を見ると先進国で最低レベルだ。背景には、戦前からの家父長主義的家制度と性別役割分業構造の残存、積極的改善措置の遅れなどがあると考えられる。人権の番人としての最高裁に、女性裁判官は15人中2人しかいない。司法の世界でのジェンダー平等の実現は、喫緊の課題だ。強調したいのは、人権教育と主権者教育の充実だ。小学校の低学年から人権感覚を鍛え、批判的精神を養って欲しいと思う。その欠如を象徴するのが、私たちの目の前にあるジェンダー不平等という現実なのだ」。

「人権を学び、行動しよう」

私たち労働組合は、人権擁護団体でもあることは言うまでもありません。辻村みよ子弁護士の話しに学び、ジェンダー不平等という現実を受けとめ、人権教育と主権者教育の充実を実現するための行動をしましょう!

10.19反弾圧シンポジウムin東京開催決定!
日にち:2024年10月19日 土曜日
時 間:13:30受付 14:00~
場 所:国鉄労働会館
     (東京都港区新橋5丁目15-5)

 
 
 
 
 
 
主 催:連帯ユニオン関西地区生コン支部
共 催:連帯ユニオン関東支部
    労働組合つぶしの大弾圧を許さない実行委員会・大阪
    労働組合つぶしの大弾圧を許さない京滋実行委員会
    労働組合つぶしを許さない兵庫の会
お問合せ:連帯ユニオン関西地区生コン支部 06-6583-5546
PDFデータココをクリック
京都3事件無罪判決を求める署名のよびかけ
労働組合活動を犯罪扱いさせてはなりません
「京都事件」は、ベスト・ライナー、近畿生コン、加茂生コンの3つの事件(労働争議)を併合審理する刑事裁判です。労働争議の解決金を受領したことが「恐喝」とされています。
争議解決にあたって、会社側に解雇期間中の未払い賃金、雇用保障、組合の闘争費用などを解決金として支払わせることは、裁判所や労働委員会でも当然の実務として定着しています。ところが、警察・検察は、関生支部は労働組合を名乗る反社会勢力で、金銭目当てで活動してきたそんなストーリーで前代未聞の事件を仕組んだのです。
企業の団結権侵害に対する抗議行動や団体行動を犯罪扱いする警察・検察の暴挙を許せば、憲法28条が保障した労働基本権がなかった時代への逆戻りです。裁判所は毅然たる姿勢で無罪判決を出すべきです。すべての労働組合のみなさまに署名活動へのご協力をよびかけます。
署名活動の実施要領
提 出 先:京都地方裁判所第2刑事部
署名の種類:団体署名を実施します(個人署名ではありません)
      署名用紙は、  ココをクリック
集約と提出:第1次集約  9月末日(10月中旬提出)
      第2次集役  10月末日(11月中旬提出)
      最終週役    11月末日(12月中旬提出)
送 り 先:〒101ー0062
      東京都千代田区神田駿河台3ー2ー11 連合会館
      フォーラム平和・人権・環境気付
      関西生コンを支援する会 ホームページ  ココをクリック
      TEL:03ー5289ー8222
      関西生コン事件 仰天の現場証言~無罪の被告人と兵糧攻めされる業者【竹信三恵子のホントの話】
デモクラシータイムスで、「関西生コン事件」の解説。刑事裁判で無罪になった二人の組合員と、組合員を雇った、組合員に仕事を出したことを背景にセメントの販売を拒絶され兵糧攻めにあっているセメント製造業者をインタビュー。また、「産業別労働組合」の歴史の経過を詳しく解説。
動画閲覧できます ココをクリック
MBS(毎日放送)映像’24「労組と弾圧」がギャラクシー賞奨励賞を受賞しました。
5月31日、受賞式のようす ココをクリック
【MBSラジオがネットで聞けるようになりました】
ドキュメンタリー番組の前に放送されたMBSラジオ「関西生コン事件とは何か」がネットで聞けるようになりました。
以下のところから聞くことができます。
▼Spotify ココをクリック
▼Apple ココをクリック
▼Amazon ココをクリック

関生弾圧について家族の目から描いた『ここから~「関西生コン事件」と私たち』が5月10日、2023年日隅一雄・情報流通促進賞奨励賞に選出されました。詳しくはコチラ ココをクリック

第26回ソウル人権映画祭で上映されました。 ココをクリック
6月13日から開催される、第26回ソウル人権映画祭(ソウルマロニエ公園一帯)。
14日(金)に『ここから「関西生コン事件」とわたしたち』が上映されます。英語・韓国語・字幕、韓国手話付き。全22作品を上映。

映画 ここから 「関西生コン事件」と私たち
この映画は「フツーの仕事がしたい」「アリ地獄天国」など労働問題を取り上げ注目を浴びている土屋トカチ監督の最新作。「関西生コン事件」の渦中にある組合員たちの姿を描いた待望のドキュメンタリー映画『ここから「関西生コン事件」と私たち』がこのほど完成。業界・警察・検察が一体となった空前の労働組合潰しに直面した組合員と家族の物語を見つめた。(左写真は松尾聖子さん)いまも各地で上映会がひらかれている。
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東京新聞「こちら情報部」

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