関生支部の産業別労働運動⑳
「奈良県における関生支部の活動経過」
奈良県における関生支部の産別運動は、1980年代に奈良闘争と呼ばれる大規模な労働争議が組合側の勝利で終結したことに始まります。
1986年、奈良県香芝市に生コン工場の新設計画が発覚しました。この生コン工場の新設計画を撤回させるために、奈良県の生コン業者と関生支部が共同で取り組んだ結果、生コン工場の新設計画を撤回させました。
この取り組み以降、生コン産業の政策課題を追求することを目的に、労使による近代化委員会が発足しました。300回を超える政策懇談会を開催し、生コン業界における協同組合運営の安定を築き上げてきました。
全国の先駆けとなる生コン協同組合運営
現在、大阪・兵庫などで浸透している協同組合運営における販売店(奈良県生コンクリート卸協同組合)を介しての現金収受の運営についても、奈良県生コンクリート協同組合がモデルとなっています。また、ポーラスコンクリートの技術開発も奈良県生コンクリート工業組合が全国に先駆けて進めてきました。
労使が協調しての取組協同組合連合会が発足
1970年の大阪万博以降、生コン産業は構造不況業種(供給過多産業)に指定されました。
奈良県では民間工事が少なく、公共工事に依存している状況で、年々と生コン出荷量が激減し、2011年の生コン出荷量は、全国ワースト1位にまで落ち込みました。
それに伴い県外からの生コンの納入(越境)やゼネコンの買い叩き(ダンピング)などで生コン価格の下落が急速に進み、原価割れの生コン販売を強いられた奈良県下の生コン業者は倒産の危機にみまわれました。
そのような状況のなか、当時、県内には4つの協同組合(奈良県生コンクリート協同組合、奈良県南部生コンクリート協同組合、奈良県東部生コンクリート協同組合、奈良広域マテリアル協同組合※のちに一部が脱退して奈良県中南和協同組合が結成される)が存在していました。
2011年、関生支部・奈良ブロックは、4つの協同組合を統合して一本化する方針を打ち出し、アウト社(員外社)の協同組合加入促進や県外からの生コン納入をさせない(越境対策)などを政策運動として、労使で取り組みました。その結果、4つの協同組合の一本化には至らなかったのですが、2011年、2つの協同組合(奈良県生コンクリート協同組合、奈良県南部生コンクリート協同組合)が構成する「奈良県生コンクリート協同組合連合会」が結成され、生コンの適正価格収受に向けた取り組みが労使で進められることになりました。その後、奈良県東部生コンクリート協同組合も奈良県生コンクリート協同組合連合会に加わりました。
新たな方針を掲げて各工場の経営安定へ
さらに、生コン価格の値戻しと平行して、各生コン工場の経営を安定することを目的に、労働組合の政策方針として、共同輸送事業が開始されました。
関生支部が運動方針に掲げていた共同輸送事業は、一つの協同組合に、一つの輸送を目標に展開しました。当初は、労使関係のある、吉田生コン社、斑鳩生コン社、奈良レミコン社、コタニ運輸社、タカラ運輸社の5つの輸送会社でスタート。その後、生コン協同社(現、奈良生駒生コン)が加わることになりました。
この取り組みの特徴は、単に輸送だけを相互に行き交うことにとどまらず、関生支部の基本方針である産業別同一賃金、産業別同一労働を実現させるための利益配分方式(経費と利益を一元化、資材の協同購入、集中経理等)の運営を進めていくことです。
新たな生コン工場の新設計画が浮上
奈良県下の生コン価格の値戻しが急を要すため、奈良県生コンクリート協同組合連合会の強化・発展が進むなか、再び新設生コン工場の計画が浮上したのです。
当時、奈良県生コンクリート協同組合連合会に加盟していなかった、奈良広域マテリアル協同組合の理事長が経営する、サンコーレミテック社が奈良地域の中心部にあたる大和郡山市(西名阪郡山インター・京奈和道南郡山出入り口近く)に生コン工場の新設計画を打ち出してきたのです。
労働組合活動を犯罪扱いさせてはなりません
「京都事件」は、ベスト・ライナー、近畿生コン、加茂生コンの3つの事件(労働争議)を併合審理する刑事裁判です。労働争議の解決金を受領したことが「恐喝」とされています。
争議解決にあたって、会社側に解雇期間中の未払い賃金、雇用保障、組合の闘争費用などを解決金として支払わせることは、裁判所や労働委員会でも当然の実務として定着しています。ところが、警察・検察は、関生支部は労働組合を名乗る反社会勢力で、金銭目当てで活動してきたそんなストーリーで前代未聞の事件を仕組んだのです。
企業の団結権侵害に対する抗議行動や団体行動を犯罪扱いする警察・検察の暴挙を許せば、憲法28条が保障した労働基本権がなかった時代への逆戻りです。裁判所は毅然たる姿勢で無罪判決を出すべきです。すべての労働組合のみなさまに署名活動へのご協力をよびかけます。
署名活動の実施要領
提 出 先:京都地方裁判所第2刑事部
署名の種類:団体署名を実施します(個人署名ではありません)
署名用紙は、 ココをクリック
集約と提出:第1次集約 9月末日(10月中旬提出)
第2次集役 10月末日(11月中旬提出)
最終週役 11月末日(12月中旬提出)
送 り 先:〒101ー0062
東京都千代田区神田駿河台3ー2ー11 連合会館
フォーラム平和・人権・環境気付
関西生コンを支援する会 ホームページ ココをクリック
TEL:03ー5289ー8222
【竹信三恵子のホントの話】
デモクラシータイムスで、「関西生コン事件」の解説。刑事裁判で無罪になった二人の組合員と、組合員を雇った、組合員に仕事を出したことを背景にセメントの販売を拒絶され兵糧攻めにあっているセメント製造業者をインタビュー。また、「産業別労働組合」の歴史の経過を詳しく解説。
動画閲覧できます ココをクリック
ドキュメンタリー番組の前に放送されたMBSラジオ「関西生コン事件とは何か」がネットで聞けるようになりました。
以下のところから聞くことができます。
▼Spotify ココをクリック
▼Apple ココをクリック
▼Amazon ココをクリック
関生弾圧について家族の目から描いた『ここから~「関西生コン事件」と私たち』が5月10日、2023年日隅一雄・情報流通促進賞奨励賞に選出されました。詳しくはコチラ ココをクリック
第26回ソウル人権映画祭で上映されました。 ココをクリック
6月13日から開催される、第26回ソウル人権映画祭(ソウルマロニエ公園一帯)。
14日(金)に『ここから「関西生コン事件」とわたしたち』が上映されます。英語・韓国語・字幕、韓国手話付き。全22作品を上映。
映画 ここから 「関西生コン事件」と私たち
この映画は「フツーの仕事がしたい」「アリ地獄天国」など労働問題を取り上げ注目を浴びている土屋トカチ監督の最新作。「関西生コン事件」の渦中にある組合員たちの姿を描いた待望のドキュメンタリー映画『ここから「関西生コン事件」と私たち』がこのほど完成。業界・警察・検察が一体となった空前の労働組合潰しに直面した組合員と家族の物語を見つめた。(左写真は松尾聖子さん)いまも各地で上映会がひらかれている。
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ー 公判予定 ー
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