住友大阪セメント大阪支店に「お知らせと要請」文を提出 / 山政生コン闘争
関生支部は12月11日、住友大阪セメント大阪支店に「有限会社コーシンコーポレーション(山政生コン)が、大阪府労働委員会と中央労働委員会、東京地裁から不当労働行為企が認定されたことについて」と題する文書を提出しました。
「『ビジネスと人権』と『自社の人権方針』に基づいた指導を要請」
関生支部・西島執行委員と中村執行委員が住友大阪セメント大阪支店を訪れ、同社の副支店長と総務グループリーダーに「お知らせと要請」文を手交しました。
同社の応接室で対応した副支店長と総務グループリーダーは、関生支部の要請を真摯に受け止めるという丁寧な対応で要請文を受け取りました。
そして、関生支部の役員らは、住友大阪セメント株式会社大阪支店の副支店長と総務グループリーダーに要請の趣旨など数十分間の対話のなかで、同社の2人は「グループ内で共有する」などと話しました。
最後に、関生支部の役員らが同社の副支店長と総務グループリーダーに「1ヵ月を目処に回答を求める」と伝えて、要請を終えました。
「住友大阪セメント大阪支店は、自らの人権方針を実践するのか?」
関生支部が提出した「お知らせと要請」文を受けて、住友大阪セメント大阪支店はどう動くのかが注目されます。住友大阪セメント大阪支店は、「自社の人権方針」に示している「対話=人権への影響に適切に対応していく為には、事業活動において人権への影響を受ける、あるいは受ける可能性があるステークホルダーを認識することが重要であると考えます。私たちは、ステークホルダーと適切なタイミングで事業活動に関連する人権課題を共有し、双方向での対話と協議を継続的に行う等、協力して解決に努めます。」に基づいてどのように対処するのかが問われているのではないでしょうか。大手セメントメーカーの対応について、ステークホルダーである労働組合の立場から注視していきます。
※「お知らせと要請」全文
住友大阪セメント株式会社大阪支店様
「有限会社コーシンコーポレーション(山政生コン)が、大阪府労働委員会と中央労働委員会、東京地裁から不当労働行為企が認定されたことについて」
執行委員長 湯川裕司
住友大阪セメント株式会社大阪支店では、セメント産業の発展と社会貢献を目指し、日夜、奮闘されていることに敬意を表します。
私たちは、セメント・生コン産業で働く労働者で組織している産業別労働組合です。貴社に対して、次のことをお知らせし、要請します。
大阪府堺市美原区平尾2365-1に所在する「有限会社コーシンコーポレーション(山政生コン)」(代表取締役 山本登)が、2024(令和6)年2月2日付けで、大阪府労働委員会から不当労働行為が認定され、救済命令が出されました。
さらに、有限会社コーシンコーポレーション(山政生コン)が中央労働委員会に申し立てた再審査が棄却(2024(令和7)年12月18日付け)され、大阪府労働委員会の命令が維持されました。
中央労働委員会が、有限会社コーシンコーポレーション(山政生コン)の不当労働行為(支配介入)を認定する命令書を出したことに対して、コーシンコーポレーションらが東京地裁に不当労働行為救済命令取消請求訴訟では、東京地裁(須加康太郎裁判長)はコーシンコーポレーションらの請求を「棄却」する判決が出されました(2025年11月26日付け)。
東京地裁の判決は「以上によれば本件行為が労組法7条3号の不当労働行為に該当するとした府労委の初審命令は正当であり、原告らの再審査申立てをいずれも棄却した本件命令は適法である」と示されています。
大阪府労働委員会と東京中央労働委員会に続いて、東京地裁の判決でも、コーシンコーポレーションらの「不当労働行為」が認定されたのです。
しかし、有限会社コーシンコーポレーション(山政生コン)は労働委員会の救済命令を履行しない態度をとり続けています(2025年12月現在)。
使用者(会社)が行う労働組合への不当労働行為は、人権侵害に該当することは言うまでもありません。
そのことから、当労働組合は貴社に対して有限会社コーシンコーポレーション(山政生コン)の経営者に、
(1)大阪府労働委員会と中央労働委員会の救済命令を速やかに履行すること。
(2)二度と不当労働行為、人権侵害をしないこと。
を厳しく指導していただきたいことをお願いいたします。
また、貴社もご存じのことと思いますが、国連は2011年に「ビジネスと人権に関する指導原則」を定めました。この指導原則は、取引先も含めて人権侵害を防止・是正・救済するよう求めています。
また、企業には人権を尊重する責任があるとして、サプライチェーン(供給網)全体で問題が起きていないかを調べる「人権デューデリジェンス」を実施することも求めています。
国連の動きを受けて、日本政府(経済産業省をはじめとする各省庁)は2022年9月、日本で事業を営む全ての企業に、取引先など供給網を含めて人権侵害の有無やリスクを特定・評価し、対処する人権監査(人権デューデリジェンス)の指針を公表しました。
2023年4月には、政府調達の入札参加企業に、人権尊重への取り組みを求める方針を決めました。
貴社においても「住友大阪セメント人権方針」を策定し、その実践を公表しています。
1.貴社には、国連ビジネスと人権の指導原則や国連人権理事会ビジネスと人権の作業部会の勧告、日本政府の指針、貴社自らの人権方針に基づき、有限会社コーシンコーポレーション(山政生コン)への指導と改善を求めることを要請します。
2.貴社の「住友大阪セメント人権方針」に明記されている「対話=人権への影響に適切に対応していく為には、事業活動において人権への影響を受ける、あるいは受ける可能性があるステークホルダーを認識することが重要であると考えます。私たちは、ステークホルダーと適切なタイミングで事業活動に関連する人権課題を共有し、双方向での対話と協議を継続的に行う等、協力して解決に努めます。」の実践として、ステークホルダーである当労働組合と貴社との本件についての協議を申し入れます。
本要請文書に記している「1.有限会社コーシンコーポレーション(山政生コン)の経営者への指導」と「2.当労働組合と貴社との協議」については、1ヵ月を目処に回答(文書回答が望ましい)していただきたいこと申し添えます。
(担当者)大阪市西区川口2-4-28
全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部
副委員長 武谷新吾(090-1075-3398)
真相はこれだ!関生事件 無罪判決!【竹信三恵子の信じられないホントの話】20250411【デモクラシータイムス】
ご存じですか、「関西生コン」事件。3月には、組合の委員長に対して懲役10年の求刑がされていた事件で京都地裁で完全無罪判決が出ました。無罪判決を獲得した湯川委員長と弁護人をお呼びして、竹信三恵子が事件の真相と2018年からの一連の組合弾圧事件の背景を深堀します。 今でも、「関西生コン事件」は、先鋭な、あるいは乱暴な労働組合が強面の不法な交渉をして逮捕された事件、と思っておられる方も多いようです。しかしそうではありません。企業横断的な「産別組合」が憲法上の労働基本権を行使しただけで、正当な交渉や職場環境の改善運動だったから、強要や恐喝など刑事事件には当たらないものでした。裁判所の判断もこの点を明確にしています。では、なぜ暴力的組合の非行であるかのように喧伝され、関西全域の警察と検察が組織的に刑事事件化することになったのか、その大きな背景にも興味は尽きません。 tansaのサイトに組合員お一人お一人のインタビューも連載されています。ぜひ、どんな顔をもった、どんな人生を歩んできた人たちが、濡れ衣を着せられ逮捕勾留されて裁判の法廷に引き出されたのかも知っていただきたいと思います。
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増補版 賃金破壊――労働運動を「犯罪」にする国
勝利判決が続く一方で新たな弾圧も――
朝⽇新聞、東京新聞に書評が載り話題となった書籍の増補版!関生事件のその後について「補章」を加筆。
1997年以降、賃金が下がり続けている先進国は日本だけだ。そんな中、関西生コン労組は、労組の活動を通じて、賃上げも、残業規制も、シングルマザーの経済的自立という「女性活躍」も、実現した。そこへヘイト集団が妨害を加え、そして警察が弾圧に乗り出した。
なぜいま、憲法や労働組合法を無視した組合潰しが行なわれているのか。迫真のルポでその真実を明らかにする。初版は2021年。本書はその後を加筆した増補版である。
◆主な目次
はじめに――増補にあたって
プロローグ
第1章 「賃金が上がらない国」の底で
第2章 労働運動が「犯罪」になった日
第3章 ヘイトの次に警察が来た
第4章 労働分野の解釈改憲
第5章 経営側は何を恐れたのか
第6章 影の主役としてのメディア
第7章 労働者が国を訴えた日
エピローグ
補章 反攻の始まり
増補版おわりに
映画 ここから 「関西生コン事件」と私たちこの映画は「フツーの仕事がしたい」「アリ地獄天国」など労働問題を取り上げ注目を浴びている土屋トカチ監督の最新作。「関西生コン事件」の渦中にある組合員たちの姿を描いた待望のドキュメンタリー映画『ここから「関西生コン事件」と私たち』がこのほど完成。業界・警察・検察が一体となった空前の労働組合潰しに直面した組合員と家族の物語を見つめた。(左写真は松尾聖子さん)いまも各地で上映会がひらかれている。
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ー 公判予定 ー
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