[25春闘速報]労組連合会が春闘妥結
関西生コン労働組合連合会(労組連合会)と大阪兵庫生コン経営者会との25春闘集団交渉は4月9日に第4回(最終回答日)交渉を開催。妥結に至った。
主な妥結内容は以下。
(1)経済的要求
〇賃上げは、本勤月額1万5千円、日々雇用日額1千500円(本年4月1日分より実施)。
〇一時金については、本勤は各社個別交渉、日々雇用は昨年実績を元に小委員会で協議。
〇福利は昨年実績。
※物価高騰手当は本年3月末で廃止。
(2)制度的要求
〇日々雇用労働者の業務改善効率をはかるため、労使での実務者協議を実施(4月中)。
物価高騰のなかで100%納得のいく回答とは言えないものの、各社のおかれた現状を分析して妥結に至った。
今後、25春闘は個別交渉に入る。
ヒューライツ大阪設立30周年シンポジウム「人権~いま、ここで生きるために」
今回のシンポジウムは、ヒューライツ大阪設立 30 周年を記念して、国際人権基準を日本に根付かせるために不可欠な基盤であり、他の多くの国で既に実現している❶国内人権機関の設立、❷包括的差別禁止法の制定、❸個人通報制度の受け入れをめざし、その実現に向けた気運を高めるためにシンポジウムが昨年12月7日にマイドームおおさかで開催されました。シンポジウムに参加した関生支部組合員のレポートです。
「第1部-人権課題に取り組む当事者からの発題」
1.性的マイノリティに関する社会課題の現状と癒やしの取り組み
ご本人も当事者であり、熱い思いが伝わりました。
LGBTQに対する対応は、国によって全然違い、国によっては犯罪とされ死刑になる場合もあるそうです。難民以上に孤立する可能性が高いという事でした。
国際的に見た日本のLGBTQへの取り組みに関しては、先進国の中で最も遅れています。G7のなかで国レベルの同性間の法的保証がないのは日本だけ。国連人権理事会から同性婚や差別禁止に関する勧告が出されても対応されていないのが現状です。
最近は、昔より理解が増えてよくなっていると言われることが多いけれど、当事者の実感としてはLGBTQのメンタルヘルスは全くよくなっていない。トランスジェンダーに関しては悪化していると表で示し指摘されました。
日本でLGBTQの方は、人生を通じてさまざまな困難に遭遇しがちで、若年層では学校のなかで、性別で区分することが多く、先生にも相談できず、早々に学校からドロップアウトしてしまう人が多くいます。そのため、正規職にもつきにくく、同性婚が認められていないため、パートナーがいても夫婦としての社会保障が受けられず、貧困に陥りやすいです。高齢期になると婚姻しているわけではないため、看取りや葬儀でも排除を受けるといったこともあるそうです。法制度の不備もあれば、社会の受容度の問題もあり、問題は複合的です。
結婚については各地で裁判が行われていますが、そのほとんどの裁判で勝利しているなかで、唯一負けているのが、大阪地裁です。
世論は70%%以上が同性婚にゆるく賛成しているそうですが、国会議員の賛成が低く(特に自民党)賛同するとSNSで叩かれるからと言う国会議員もいるそうです。
11月20日はヘイトで亡くなったトランスジェンダーを追悼する日です。LGBTQのなかでも、トランスジェンダーは、地域の取り組みにも参加しにくく、診療でも拒否されることがあるそうです。就労支援も必要だとおっしゃっていました。
性的マイノリティの人々の心身の健康を守るためには同性婚などの法整備の他に、当事者たちが安心できる居場所が必要であると虹色ダイバーシティが運営している天満橋のプライドセンターというLGBTQセンターの取り組みについて紹介されました。センターに来られる方は、家庭・学校・職場に居場所がなく居場所を求めて来られます。このようなセンターは、東京と大阪に大きなセンターが1軒ずつ、他の地域に10ヵ所ぐらいあるそうですが行政の支援がありません。海外のセンターは支援があるそうです。人権侵害があったときに声を吸い上げる場所であるためにも行政の支援が必要とのことでした。
2.ネット上の部落差別撤廃にむけた裁判闘争と被害者救済制度の課題
2016年「部落差別解消推進法」という差別の名前が入った画期的な法律が制定されましたが、被害者の救済や差別の解消がされず、裁判で訴えるしかないのが現状です。
同年に提訴した鳥取ループ・示現舎による「全国部落調査」復刻版の出版差止請求裁判について、2023年6月28日に憲法13条の幸福追求権・14条の法の下に平等を踏まえ「差別されない権利」を認めた画期的な判決が、2024年12月4日に確定されました。
鳥取ループ・示現舎は、「部落探訪」とし、あらゆるヘイトクライムを行いSNSに投稿。裁判の原告になった方の自宅へ押しかけたり、亡くなった県連委員長の住所に本籍を移すなどしています。
髙橋さんは、法律は求めるものより不十分で、差別を禁止するものではないため、裁判を起こしても「いたちごっこ・もぐらたたき」の状況が続き、完全に削除できない現状がある。人権救済機関の設置と差別禁止法の制定へと繋げると話されました。
3.公権力による人権侵害-これとどう闘うか
ご自身が公権力との闘いについて、ご自身が兵庫訴訟弁護団団長を務められた優生保護法を例に、公権力と闘うことの困難さなどを述べられました。
また、刑務所などの収容施設における虐待についてや、東京オリンピックのときに起きた野宿者に対する強制立ち退き、2025年に万博開催を控え大阪でも同じようなことが行われているという実態も話されました。
当時、衆参全一致で決議された優生保護法では、8万人以上の障害のある方が、子どもを作らせないために避妊手術を受けさせられたり、中絶をさせられました。優生保護法の裁判を起こしたくてもカルテを全て廃棄されて裁判をなかなか起こせなかったそうです。裁判の結果、最高裁大法廷で15名の裁判官が、当時の世相を考えても、到底正常とは思えないとし、当時の岸田総理大臣が240名に謝罪しました。藤原さんは闘いなくしては勝利できなかったと話されました。
公権力と闘うことの困難さとして、「これが法律だ」と言って終わらせる。訴えようにも証拠が手に入らない。裁判所は必ず味方ではない。解決までに時間がかかりすぎる。言い分が認められた時には手遅れなどを挙げられていました。
国内人権機関は、世界120ヵ国。国連は日本の人権状況について、包括的な差別禁止法の制定や政策を間違っていると言える政府から独立した人権委員会の設置の勧告し続けていますが、日本政府は応じずにいるのが現状です。
最後の質疑応答で、2012年民主党政権時には、人権委員会設置法案が作られ、当時法務大臣であった千葉景子氏が国会に提出しましたが解散。選挙で自民党に政権交代がされたため、あと一歩のところで設置されなかった。と話されました。その後、総理大臣になった安倍が公約として、人権委員会は設置させませんと言い、それが政府の方針となっているそうです。
「第2部-トークセッション」
第1部の発言を受けて
人権問題には、必ず苦しんでいる当事者がいます。
異性婚しか認めないことを違憲とし、同性婚を認める判決があいついで出ていることに触れて、家族の定義は何もなく、多様な家族が法的に保護を受ける権利があり、同性カップルにも保護が必要と述べられました。
また、人権は多数決できまるものではない。一人ひとりの権利の問題として様々な事柄に基づく差別を法的に禁止する包括的差別禁止法が必要だと述べられました。
最後の質疑応答では「人権の法整備が進まないのはなぜ?」という質問に対して、国民からの訴えが弱いから。そういう政治家を選ぶ。現職に働きかけることが必要と回答されていました。
報告を通じて憲法14条に基づく「差別されない権利」はどんな当事者にも重要で、どのように確保していけるか、現在行われている性的指向への差別、ヘイトスピーチや部落差別、また公権力による人権侵害がインターネットなどのデジタル技術によって行われていることから「デジタル市民権」をキーワードに話されました。
でも、早口で難しかったです。
「人権救済の必要性がわかった」
最後に、参加した関生支部組合員-「いろんな論点から、人権の救済の重要性がわかりました。すべてに共通するのは、差別禁止法の制定と国から独立した国内人権機関が必要」ということでした。
【 レポート / 関生支部・女性組合員 】
現代を取り巻く重要な社会問題を考える5作品と「戦後80年企画」の3作品が発表されました。関連記事:ココをクリック
『TBSドキュメンタリー映画祭2025』
予告映像 ココをクリック
予告編一覧 ココをクリック
そのなかで、伊佐治整ディレクター『労組と弾圧』が上映されることが決定しました。
『労組と弾圧』

『TBSドキュメンタリー映画祭2025』開催概要
大 阪:テアトル梅田:3月28日(金)~ 4月10日(木)
京 都:アップリンク京都:3月28日(金)~ 4月10日(木)
名古屋:センチュリーシネマ:3月28日(金)~ 4月10日(木)
東 京:ヒューマントラストシネマ渋谷:3月14日(金)~ 4月3日(木)
福 岡:キノシネマ天神:3月28日(金)~ 4月10日(木)
札 幌:シアターキノ:4月開催
【デモクラシータイムス】

動画閲覧できます ココをクリック
ドキュメンタリー番組の前に放送されたMBSラジオ「関西生コン事件とは何か」がネットで聞けるようになりました。
以下のところから聞くことができます。
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増補版 賃金破壊――労働運動を「犯罪」にする国
勝利判決が続く一方で新たな弾圧も――
朝⽇新聞、東京新聞に書評が載り話題となった書籍の増補版!関生事件のその後について「補章」を加筆。
1997年以降、賃金が下がり続けている先進国は日本だけだ。そんな中、関西生コン労組は、労組の活動を通じて、賃上げも、残業規制も、シングルマザーの経済的自立という「女性活躍」も、実現した。そこへヘイト集団が妨害を加え、そして警察が弾圧に乗り出した。
なぜいま、憲法や労働組合法を無視した組合つぶしが行なわれているのか。迫真のルポでその真実を明らかにする。初版は2021年。本書はその後を加筆した増補版である。
◆主な目次
はじめに――増補にあたって
プロローグ
第1章 「賃金が上がらない国」の底で
第2章 労働運動が「犯罪」になった日
第3章 ヘイトの次に警察が来た
第4章 労働分野の解釈改憲
第5章 経営側は何を恐れたのか
第6章 影の主役としてのメディア
第7章 労働者が国を訴えた日
エピローグ
補章 反攻の始まり
増補版おわりに
加茂生コン事件差し戻し審完全無罪判決を獲得するべく、12月17日から新たに加茂生コン事件署名活動がスタートしました。

「関西生コンを支援する会」は、署名活動用に加茂生コン事件とはなにかを描いたニュース号外(漫画新聞)を発行しています。
提 出 先:大阪高等裁判所第3刑事部
署名の種類:団体署名と個人署名の2種類
署名用紙は、団体署名 ココをクリック 個人署名 ココをクリック
集約と提出:第1次集約 1月末日
第2次集役 2月末日
最終週役 3月末日
送 り 先:〒101ー0062
東京都千代田区神田駿河台3ー2ー11 連合会館
フォーラム平和・人権・環境気付
関西生コンを支援する会 ホームページ ココをクリック
TEL:03ー5289ー8222

この映画は「フツーの仕事がしたい」「アリ地獄天国」など労働問題を取り上げ注目を浴びている土屋トカチ監督の最新作。「関西生コン事件」の渦中にある組合員たちの姿を描いた待望のドキュメンタリー映画『ここから「関西生コン事件」と私たち』がこのほど完成。業界・警察・検察が一体となった空前の労働組合潰しに直面した組合員と家族の物語を見つめた。(左写真は松尾聖子さん)いまも各地で上映会がひらかれている。
お問い合わせはコチラ ココをクリック
ー 公判予定 ー
4月17日 加茂生コン事件差し戻し審 大阪高裁 | 14:30~ |
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5月22日 大津1次事件控訴審 大阪高裁 | 14:30~ |
6月 9日 大津2次事件(判決) 大阪高裁 | 14:30~ |