利己的なパフォーマンス議員はいらない

自民党の国会議員らが10代女性の支援団体を視察した際の振る舞いに批判が広がっています。支援団体側は新型コロナウイルスの感染拡大で深刻化する貧困や性搾取の問題を知ってもらいたいと受け入れたものの、議員側は多数で来訪して密集状態をつくり、大声を出したり、許可なく撮影してSNSにアップしたりしました。支援団体側は「暴力に苦しむ女性を救う場で、あまりにも加害者性に無自覚だ」と反発しています。

「上から目線、威圧的な態度」

報道によると、馳浩元文部科学相が会長を務める「自民党ハウジングファースト勉強会」が4月22日に視察したのは、一般社団法人「Colabo(コラボ)」が無料で食事や衣服を提供し、10代女性の居場所づくりとして東京・新宿で運営するバスカフェでのできごと。
Colaboによると、前日に阿部俊子・衆院議員から視察の申し入れがあり、「5人までなら受け入れ可能」と伝えていたのに、議員側は、秘書や新宿区議も含めて約15人がやってきたといいます。
馳議員らはカフェの設営に参加しましたが、性被害のトラウマから男性に恐怖感がある女性が働くなか、大声で秘書を呼ぶなどして、作業を続けられなくなった女性もいたとのことです。
さらに、虐待から逃れて居場所を知られてはいけない女性がいるにもかかわらず、許可を得ずに写真を撮り、「ボランティア第一弾」「10代女性の寄り添い支援に参加」とツイッターなどで発信したのです。
馳議員が「女の子だから」とテントなど重い荷物は女性に渡さず、若手議員らに運ばせる場面もあったといい、Colaboの仁藤夢乃代表は「当事者運動であることを重視し、普段はみんなで作業を分担している。女性は力ない存在で守ってやろうという上から目線を感じた。威圧的な態度がなぜ問題なのか考え、反省してほしい」と話しました。

「直接、謝罪しない議員」

Colaboは4月24日、こうした問題に加えて、少女の腰を馳議員が両手で触ったとして抗議文を公表しました。
馳議員は4月25日、公式ホームページで「不愉快な思いをさせたこととなり、おわびします」とする一方、セクハラの訴えには「狭い空間で行き来しており、腰に手を当てたかどうかは、全く意識に残っていない。事実なら大変申し訳ない」とコメントしましたが、直接、Colaboに連絡はなく、ツイッターなどでは「謝罪といえない」と批判を受けています。マスコミが馳議員の事務所に取材を申し入れましたが、4月27日夕までに回答はなかったそうです。

「専門家はあきれている」

大妻女子大の田中東子教授(ジェンダー論)は「議員側は仁藤さんらがどうして怒っているのか、まだ理解していないのではないか。困っている人により添う政策を作るための視察で踏みつけるのは問題だ」と話しています。

「悩みを抱えた10代の少女たちを支援する一般社団法人「Colabo」」

「Colabo」には新型コロナウィルスの感染拡大による休校によって、虐待など様々な事情で自宅に「居場所がない」と感じている少女たちから、「家にいられないとSNSでつぶやいたら、男の人から返信が来て、泊めてあげる代わりにと、性行為を要求された」「SNSで知り合った男に言われて初めて家出をしたが、性的な行為を強要され首を絞められた」など、悲痛な声や危険な目に遭ったと訴える少女たちの相談が相次いでいます。親からの虐待で自宅にいられず、避難先だったネットカフェやアルバイト先も休業しています。
居場所を失った少女たちに寄り添う代表理事の仁藤夢乃さんは「コロナ禍で行き場もお金もない子が増えた。困り果てた末にSNSで発する弱みに、性的搾取を目的とした大人たちが付け込んでいる」と実情を語ります。
Colaboでは4~5月、都内ホテルを経営する企業の協力を得て、無料で寝泊まりできる場所を提供しています。仁藤さんは「SNSでつぶやかれるSOSを見逃さないような支援が必要だ」と指摘しています。

「社会的弱者のために努力を惜しまない利他的な議員が必要」

このような弱者に寄り添い支援する団体に対して、与党議員は利己的なパフォーマンスによって、少女たちを傷つけているのです。今回の議員らは少女たちに不安や恐怖を与えたことすら感じていないのです。
この与党議員らの振る舞いは、安倍政権の民意を汲み取ろうとせず、強権的な政策を押しつけるやり方が原因なのです。安倍首相の振る舞いや発言を見て、「与党議員であれば民衆を踏みつけてもいいのだ」とすり込まれているのが今回の問題ではないでしょうか。
自らの利益だけを考え行動する議員、いわゆる職業議員はいらないのです。社会的な弱者のために努力を惜しまない利他的な議員が必要です。現在の政権では、それが望めないことから安倍政権を打ち倒す行動が、私たちに求められています。失望から希望に変えるために、政治闘争を強化しましょう。

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