大企業の税金ビジネスを許してはいけない
中小零細企業を対象とする持続化給付金事業の委託先が不透明で、大企業が背後にいる構図が明らかになり、各省庁の予算執行のあり方が問題になっています。
国会では、769億円の高額な事務費や、受注したサービスデザイン推進協議会の「中抜き」、電通への「丸投げ」が焦点になりましたが、安倍政権は「精算払いだから問題はない」という答弁を繰り返したまま、通常国会は閉会しました。
「あくまで公務員が担うべき」
政府が緊急時に国民に資金を給付するという事業は、国の直轄でやるのが本来のあり方なのです。
京都府綾部市の前市長だった四方八洲男さんは、朝日新聞(6月23日)に次のように述べています。
「この種の公的業務の民間委託を与党も野党も当然としていることに、かつて市長と行政を預かってきた経験から違和感をもった」
「1人10万円の特別定額給付金は、市町村の業務として取り扱っている。業務の一部を外部委託している自治体もあるが、私の住む京都府綾部市では、基本的に市役所が行っている。だから中小企業に対する持続化給付金についても、綾部商工会議所の協力を得て、綾部市役所が給付するものだと思っていた」
「これらの組織は、市内の中小企業者の置かれた実態がよくわかっている。法人市民税、固定資産税を徴収しているから、種々のデータも持ち合わせている。守秘義務も身につけているし、高い家賃を払って事務所を借りなくても、市役所には十分なスペースがある。何より、個人への10万円の給付と比べて、持続化給付金の対象件数は圧倒的に少ない」
「確かに市役所においても、医療、保健、福祉の分野は新型コロナウイルス対策で忙しいかもしれない。しかし、各種イベントは次々と中止になっているし、外出自粛で窓口に来る人も少ない。やりくりすれば人員は確保できるはずだし、足りなければ退職者に呼びかければいい」
「過去には、自然災害と衆院の解散総選挙が重なるということもあった。そうした慌ただしさも経験している公務員であれば、ある意味、火急のときこそ出番だと覚悟しているはずだ。経費も、電通に丸投げするのとは桁違いに安くできるはずだ」
「当たり前のことだが、こうした給付事務は、中央省庁、都道府県、市町村の公務員を互換性をもって活用するのが原則である。今回の各種給付の問題を振り返ると、中央省庁や都道府県の職員が、市町村の職員とともに窓口事務にあたっている姿はきわめて少なかったと思われる」
「全国統一の給付事務について企画立案する省庁の職員が、自らその実務に汗をかいた経験がない。だから、市町村に遠慮して安直に民間に委託してしまい、多額の予算を計上するのではないか」
「こうした急を要する公的業務は、あくまで公務員が担うべきで、民間委託は最後の手段であることを認識すべきだ。本当に困った人に、1円でも多く届くようにしてほしい」
「持ちつ持たれつの安倍政権と電通」
税金や年金など、国の様々な部署には、金銭の徴収や還付等の仕組みがあるにもかかわらず、安易に民間に委託するのは、税金の負担が増えるだけです。
大手広告会社の電通が今回の委託事業を事実上担っているのは、安倍政権のPR業務を電通が手がけてきたことが理由なのです。
安倍政権は政権維持のために、あらゆる手段を用いて広告宣伝をしており、安倍政権と電通は持ちつ持たれつの関係なのです。このような企業が政府の委託事業に関与しているのです。
「税金ビジネスを許してはいけない」
与党の広告宣伝の仕事を受けるのであれば、政府の委託事業には関与すべきではないのに、与党の威光で仕事をとって、税金で儲けているのが電通など大企業の実態です。
本来は、政府が襟を正せば防げることですが、大企業の利益を優先して労働者や中小零細事業やなど大衆に犠牲を強いる安倍政権に、それは望めません。
マスコミが強く報道しないなかで、私たちに求められているのは、このような構造的な実態を世間に暴露することです。「税金ビジネスを許さない」ために、労働組合が先頭に立って広報宣伝活動を展開しましょう。
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連帯ユニオン、葛西 映子、北 建一、小谷野 毅、宮里 邦雄、熊沢 誠、海渡 雄一、鎌田 慧、竹信 三恵子(著)
内容紹介
戦後最大の「労組壊滅作戦」が進行。
警察・検察・裁判所による弾圧。
権力と一体となった業界あげての不当労働行為。
関西生コン事件の本質を明らかにする!
ストライキやコンプライアンス活動を「威力業務妨害」「恐喝未遂」として89人逮捕、71人を起訴。
委員長と副委員長の拘留期間は1年5か月超。
取り調べで「組合をやめろ」と迫る警察。
家族に「組合をやめるよう説得しろ」と電話をかける検察。
組合活動の禁止を「保釈許可条件」とする裁判所。
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