現行の日米安保条約を破棄し、対等・平等な条約締結を目指そう

現行の日米安保条約が調印されてから60年が過ぎました。オスプレイの配備や米軍機の低空飛行、辺野古の米軍新基地建設などへの国民の批判は強くなっています。米軍機による低空飛行が放置されているのは、日米地位協定に基づく特例法により日本の航空法の米軍適用が除外されているからです。全国知事会は、その改定を求めていますが、一向に進んでいません。

「安保条約は憲法の枠内」

60年前に安保条約を調印した岸信介首相は、衆院安保特別委員会(1960年2月26日)で、「この条約には、二つの大きな前提がある。ひとつは『日本国憲法の枠内ですべてのことが律される』もうひとつは『国連憲章の枠内において結ばれておる』」などと説明していました
さらに、岸首相は「(自衛隊は)いかなる場合においても、領土外に出て実力を行使することはあり得ないという建前を厳守すべきことは、日本の憲法の特質だ」と「憲法の枠内」という点を強調したのです。

「安倍政権の無法ぶり」

ところが、2001年に米国で同時多発テロが起こった後、「ショー・ザ・フラッグ」(日本の国旗を見せろ)、「ブーツ・オンザ・グラウンド」(地上部隊派兵)という米国からの強い要求を受け、小泉政権は自衛隊をインド洋・イラクに派兵しました。安倍政権になってからは2014年の閣議決定で集団的自衛権の行使を容認し、2015年の安保法制成立で、米軍と自衛隊の一体化が進み、地球規模で作戦ができる体制が整備されたのです。
そして今度は海上自衛隊の中東派兵です。インド洋・イラク派兵のとき政府は特措法をつくって対応しましたが、閣議決定だけで中東派兵を決定したのです。
米国の要求に応えるために、けじめのない姿勢をとる安倍政権の無法ぶりは危険極まりないのです。

「戦争へ拡大する危険」

自衛隊の中東派兵で想起するのは1937年の廬溝橋事件です。当時、北京近郊に駐屯していた日本軍は偶発的な発砲を契機に中国軍と衝突し、それが日中全面戦争、太平洋戦争へと拡大しました。
今回の中東派兵でも、偶発的な事件をきっかけに戦争へ発展・拡大する危険が懸念されます。自衛隊という実力部隊を現地に送り込むのに、戦乱が拡大するかもしれないという検討が政府内で真剣に議論されておらず、安保改定60年を経た現在、政治の退廃があらわれています。

「在日米軍が出撃したイラク戦争、変質した安保条約」

日本政府は2003年に開戦した、国連憲章違反のイラク戦争を支持し、在日米軍によるイラクへの出撃を容認しました。安保条約は5条で、日本防衛の際に日米両軍が共同対処することを定めており、6条では、米軍の駐留目的を「極東における国際の平和及び安全の維持」としています。
しかし、在日米軍は、日本防衛も極東の範囲も超えてイラク戦争に出撃したのです。安保条約の運用実態は、当初の政府説明だった岸首相の「国連憲章の枠内」とはかけ離れており、こんなに変質した安保条約を維持し続ける意味は、もはや見いだせません。

「日本政府の歴史の積み重ねが、米国側をつけあがらせている」

トランプ大統領が、在日米軍駐留経費の日本側負担を現状の4倍にするよう求めたと報じられています。
安保条約と同時に結ばれた地位協定は、「基地の提供をのぞき、費用は米側負担」と定めているのに、協定に反して1978年度から「思いやり予算」が始まりました。本来なら協定改定が必要なのに、それをしないのは、改定論議が始まれば、協定が定める米軍の特権も問題になることを米国側が恐れているからです。
日本側も米国の要求に従うだけで、独立国として毅然と対応せず、協定の改定を求めませんでした。「憲法の枠内」「国連憲章の枠内」といった約束から逸脱し、地位協定も守らない米国。そのことを許している日本政府の歴史の積み重ねが、米国側をつけあがらせているのです。

「対等・平等な条約の締結を求めて闘おう」

新型戦闘機や迎撃ミサイルシステムなど、トランプ政権は超高額な米国製兵器の購入を迫り、それに応えるために安倍政権が進めてきた、アメリカ製兵器の「爆買い」路線が破たんを示しています。
陸上配備型迎撃システム「イージス・アショア」導入を安倍政権は、秋田と山口への配備を決めると、辺野古での米軍新基地建設の手法と同様、強硬に地元に受け入れを迫ってきましたが、地域住民の怒りの声と反対運動が、イージス・アショア配備計画を撤回に追い込みました。
沖縄では、軟弱地盤の発覚で技術的に破たんし、莫大なコストと期間を要する辺野古新基地建設を中止に追い込む運動が強まっています。
沖縄をはじめ全国の反戦・反基地運動に連帯して闘うことが、私たち労働組合に求められています。
米軍の特権を定めた現行の安保条約・地位協定を破棄して、米国と対等・平等な条約・協定を締結するための運動を展開しましょう。

※軍事ジャーナリスト・前田哲男さんのお話しを参照しました。

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内容紹介
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