「民主労総・建設労組の闘いと関西生コン支部の闘い」講演・金元重氏(第3回/全6回)
「警察の『告訴使そう』疑惑」
警察は2022年12月8日から、1階級特進を掲げて「建設現場の喝取・暴力等組織的不法行為」に関する200日特別取り締まりを実施中。建設労組は、警察がこの程度であらかじめ犯罪事実を確定して建設現場所長に、陳述書作成を強要していると指摘。ソウル、仁川地域警察が建設現場所長に配布した「告発様式」には、陳述書作成に対する具体的な例示が書かれている。
クォンドゥソプ弁護士-「・・・これは『告発使そう』レベルだ。・・・警察官は事実を確認することに止めなければならないと法に明示されている。適法な交渉過程で生じた専任費支給や組合員採用に対して『労働組合の強圧があった』というような陳述を誘導することは明確な不法であり、外圧だ」。
「建設労組弾圧の背景-貨物連帯に続き、ユンソンニョル政権のターゲットとなった」
2022年12月20日、与党・国民の力と政府は国会で「建設現場規制改革、民・政・党協議会」を開催した。協議会では与党議員が「建設労組によって建設現場が無法地帯になっている」「組合員採用強要、金品喝取、建設現場出入り阻止など不法行為が根絶されることを望む」などと発言した。
ウォンヒリョン国土交通部長官は「建設現場が無法地帯として放置されて久しい・・・建設労組をはじめとする一部集団的勢力の不法行為をもはや見過ごすわけにはいかない。・・・いまや政府が役割を果たすときであり、その間、国土部、警察、公正取引委員会が別々に動いたため官僚的限界があり役割が果たせなかった・・・いまやユンソンニョル大統領の汎政府的に是正してという意思が固い・・・」などと発言。民・政・党協議会に参加した「民」は、ユンハクス大韓専門建設協会会長はじめ建設業界関係者だった。
※公正取引委員会が労組弾圧?-公取委は貨物連帯に対して、公正取引法を適用して不当な共同行為と事業者団体禁止行為など公正取引法違反行為があったか調査。一方、建設労組組合員の標準賃金単価(賃金協約要求案)要求を「価格談合」として、組合員雇用合意違反の抗議を「不当な取引拒絶」として制裁(課徴金)した。
野党は、公取委が建設労組の活動を調査するのは、労組活動に対する不当介入であり、権限濫用と批判した。
「ユンソンニョル大統領新年辞『労使法治』と『建暴』造語」
ユンソンニョル大統領、労働改革に触れ、「労使法治主義こそ不必要な争議と対立を予防し、真に労働の価値を尊重する道」とし、労使自治ではなく労使法治主義を打ち出した。検察総長出身の自身の存在感を喚起して、支持層を結集する方向性だ。政府がすべての労使関係を刑法と行政制裁などの法律で対処するという歪曲した労使関係観であり、労働者の基本的権利を形骸化するもの。
2月21日の国務会議で、ウォンヒリョン国土交通部長官から建設現場での「恐喝・暴力など組織的不法行為」の実態と対策の報告を聞いたユン大統領は、建設現場でのゆすりや暴力行為に対しては、「任期内に根絶する」と延べ、「建設現場の暴力」を「建暴」と略して発言した。また「建設現場の暴力」は「困難な庶民に対する組織的犯罪」だとし、「建暴」という略語を自らつくったと言った。
関生弾圧について家族の目から描いた『ここから~「関西生コン事件」と私たち』が5月10日、2023年日隅一雄・情報流通促進賞奨励賞に選出されました。詳しくはコチラ ココをクリック
映画 ここから 「関西生コン事件」と私たち
この映画は「フツーの仕事がしたい」「アリ地獄天国」など労働問題を取り上げ注目を浴びている土屋トカチ監督の最新作。「関西生コン事件」の渦中にある組合員たちの姿を描いた待望のドキュメンタリー映画『ここから「関西生コン事件」と私たち』がこのほど完成。10月下旬から各地で上映運動がはじまった。10 月 23日には「関西生コン労組つぶしの弾圧を許さな い東海の会」が名古屋で、11月6日には「労働組合つぶしの大弾圧を許さない京滋実行委員会」京都で上映会。業界・警察・検察が一体となった空前の労働組合つぶしに直面した組合員と家族の物語を見つめた。(写真右は京都上映会 で挨拶する松尾聖子さん) 今後、11月13 日には護憲大会(愛媛県松山市)、同月25日は「労働組合つぶしを許さない兵庫の会」が第3回総会で、12月16日は「関西生コンを支援する会」が東京で、それぞれ上映会をひらく。
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ー 公判予定 ー
10月12日 京都3事件 京都地裁 | 10:00~ |
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10月23日 コンプライアンス事件 大津地裁 | 10:00~ |
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関西生コン事件ニュース No.90 ココをクリック
関西生コン事件ニュース No.89 ココをクリック
関連動画 「関西生コン事件」報告集会 ココをクリック
検証•関西生コン事件❷
産業別労組の団体行動の正当性
A5判、 143ページ、 定価1000円+税、 旬報社刊
『検証•関西生コン事件』第2巻が発刊された。
巻頭には吉田美喜夫・立命館大学名誉教授の論稿「労使関係像と労働法理」。企業内労使関係に適合した従来の労働法理の限界を指摘しつつ、多様な働き方を基盤にした団結が求められていることをふまえた労使関係像と労働法理の必要性を検討する。
第1部には、大阪ストライキ事件の鑑定意見書と判例研究を収録。
第2部には、加茂生コン事件大阪高裁判決の判例研究を収録。
和歌山事件、大阪スト事件、加茂生コン事件。無罪と有罪の判断は、なぜ、どこで分かれたのか、この1冊で問題点がわかる。
[ 目次 ]
刊行にあたって—6年目の転機、 無罪判決2件 が確定 (小谷野毅)
序・労使関係像の転換と労働法理 (吉田美喜夫)
第1部 大阪ストライキ事件
・関西生コン大阪ストライキ2次事件・控訴審判決について (古川陽二)
・関西生コン大阪2次事件・鑑定意見書 (古川陽二)
・「直接労使関係に立つ者」論と団体行動の刑事免責 (榊原嘉明)
第2部加茂生コン事件
・労働法理を踏まえれば無罪 (吉田美喜夫)
・労働組合活動に対する強要末遂罪の適用の可否 (松宮孝明)
割引価格あり。
お問い合わせは sien.kansai@gmail.comま