「民主労総・建設労組の闘いと関西生コン支部の闘い」講演・金元重氏(第4回/全6回)

「建設労組の弾圧に対する民主労総・建設労組の闘い」

2月15日、建設労組第25回定期代議員大会-チャンオッキ委員長会辞では「ユンソンニョル政府は不法を口にしながら建設労組を弾圧している。しかし実際に不法をしでかしているのは憲法で保障された正当な労働組合活動を弾圧する大統領である。今年はこうした政府を相手に、強力な闘争を展開する。年間600人ずつ建設労働者が死んでいく。これに対し、建設安全特別法を制定すべく建設労組は粘り強く努力してきたが、法案は依然として国会に係留中のままだ。今年は必ず法制定を勝ち取りたい。今日の代議員大会を通じて7月ゼネストを決議する。今度のゼネストを通じて、建設労働者の不法多段階下請け構造を放置しておきながら、建設労組にだけ不法のレッテルを貼る政府を糾弾し、奇形的な建設産業の構造を根本的に変えていく」と提起した。
大会では、2023年度目標を❶ゼネスト闘争を通じた雇用構造革新戦取❷200万建設労働者のすべてのための労働組合づくりに力を注ぐ。
2023年度具体的な事業目標
❶対政府・対大資本闘争(10万ゼネスト)❷法制度改善戦取❸賃金団体協約闘争勝利❹10万組合員達成❺産別労組建設持続❻民主的で平等な組織運営❼安全な建設現場つくり❽民主労総闘争服務❾労働者政治勢力化などを決議した。

「民主労総・決意大会開催『建設労組は民主労総弾圧!』」

2月28日、民主労総はソウルの崇礼門付近で「建設労組弾圧糾弾!反労働ユンソンニョル政権審判!民主労決意椎大会」を開催した。全国から建設労組組合員4万人が上京した。
この決意大会は、政府が「建暴(建設暴力)」という造語までつくり出して建設労組弾圧を強めているなかで、民主労総次元で「建設労組に対する弾圧は、民主労総全体に対する弾圧」と規定し、強力な闘争で立ち向かうというメッセージを表明する場だった。金属労組、公共運輸労組、保健医療労組、事務金融労組、全教組、民主一般労組などが連帯闘争意思を表明して参加した。
チャンオッキ建設労組委員長は「今日、この場で政府に厳重な最後の警告を送る・・・過去われわれは名もない『ノガタ(土方)』だった。・・・不法多段階下請け構造の下で、低賃金・長時間労働に放置されてきた。・・・そうした環境を変えるために誰よりも努力してきた建設労組は、建設労働者にとっては最低限人間らしく生きるための最後の砦だが、その建設労組をヤクザ集団、腐敗集団と貶め、踏みにじる政府の蛮行をこれ以上見過ごすことはできない。・・・建設現場の主人公は建設労働者であることを宣言し、より深く現場に入って建設労働者の生存権を確保する」。
ヤンギョンス民主労総委員長は「建設労組に対する政府の全面的な弾圧に対し、民主労総は全力を挙げてともに闘う。・・・建設労組を守るために、委員長が先頭に立って闘争する」と発言。決意大会後、龍山大統領府に向けてデモ行進した。

「建設労組弾圧対応100人弁護団の発足」

2月27日の建設労組記者会見では、各建設社に交付文書「今後、タワークレーン月例費は受け取らない。月例費を代価とした長時間労働と危険作業は3月2日から中断する」と発表した。続いて2月28日、民主労総建設産業連盟次元での記者会見も行われた。
4月6日、民主労総12階会議室で「建設労組弾圧対応100人弁護団」の発足を告げる記者会見。チャンオッキ建設労組委員長、キムセヒ、キムチルチュン、イドグ、チョンギホなど100人弁護団の弁護士が多数参加した。
イドグ弁護士は「建設現場の最大の問題は不法多段階請負と不安定雇用、頻発する労災だ。その根本的な原因は建設社の無理な利潤追求にある。ところが、とんでもないことに建設社だけではなく労働者にその責任を押し付けている。人権擁護を使命とするわれわれ弁護士が、労働三権と建設労働者を守るために立ち上がった」。
ヨインシン弁護士は「検察、警察、公正取引委員会などの弾圧性捜査に積極的に立ち向かう。根拠が貧弱な捜査が引き続いている。建設労組で拘束された人だけでも12名、調査を受けた人は630名以上だ。各事案別に捜査および刑事手続きに積極的に参与するつもりだ。また、個別対応以外にも嫌疑事実の特定なしに行われる召喚調査など捜査機関の過剰調査自体に対しても、職権乱用罪で告発する考えだ」。
公正取引委員会が建設機械労働者たちを事業者とみなして労働組合の交渉を事業者談合と規定している点について、ヨインシン弁護士は「特殊雇用労働者の労働三権を否定する反憲法的行為をする公取委に対して、正面対応していく。公取委が特殊雇用労働者の活動に介入することを断ち切るための法改正にも取り組む」。
クォンドゥソプ弁護士は「『建暴(建設現場暴力)』労働組合に有する嫌悪表現に対して、国家人権委員会に適切な意見表明を要請する陳情も提起する予定だ。女性、少数者に対する嫌悪表現が少数者の人権を萎縮するように、労働組合に対する嫌悪表現も労働三権を萎縮させる。これに対し人権委員会が積極的に意見を表明すべきだ。同時に新聞などマスコミでもそのような表現に引用符をつけて濾過することなしに、そのまま報道することが許されるのか、よくよく考えるべきだ」。
キムチルチュン弁護士は「『組暴(暴力団)』フレームから抜け出さそう。政府は、建設労組が不法多段階請負と頻発する労災をなくすために行ってきた数多くの活動を見ぬ振りをしている。国家機関を総動員して『建設労組は悪い組織だ』という認識を植え付けることに集中している。労組を萎縮させ、建設社が労働者をたやすくこき使うことに政府が同調しているだけだということを明らかにすることが、我々100人弁護団の役割でもある」などと、弁護団は行動を提起した。

次回、「ヤンフェドン江原支部支隊長の抗議焼身」に続きます
※関生弾圧を考える神奈川の会総会&映画と講演の集い(9月17日)で、金元重(元千葉商工大学教授)さんの講演レジメをベースに記しています。

関生弾圧について家族の目から描いた『ここから~「関西生コン事件」と私たち』が5月10日、2023年日隅一雄・情報流通促進賞奨励賞に選出されました。詳しくはコチラ ココをクリック

映画 ここから 「関西生コン事件」と私たち
この映画は「フツーの仕事がしたい」「アリ地獄天国」など労働問題を取り上げ注目を浴びている土屋トカチ監督の最新作。「関西生コン事件」の渦中にある組合員たちの姿を描いた待望のドキュメンタリー映画『ここから「関西生コン事件」と私たち』がこのほど完成。10月下旬から各地で上映運動がはじまった。10 月 23日には「関西生コン労組つぶしの弾圧を許さな い東海の会」が名古屋で、11月6日には「労働組合つぶしの大弾圧を許さない京滋実行委員会」京都で上映会。業界・警察・検察が一体となった空前の労働組合つぶしに直面した組合員と家族の物語を見つめた。(写真右は京都上映会 で挨拶する松尾聖子さん) 今後、11月13 日には護憲大会(愛媛県松山市)、同月25日は「労働組合つぶしを許さない兵庫の会」が第3回総会で、12月16日は「関西生コンを支援する会」が東京で、それぞれ上映会をひらく。
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関西生コン 作られた「反社」労組の虚像【竹信三恵子のホントの話】
デモクラシータイムスで組合員の苦悩、決意を竹信三恵子さんが詳しく紹介されています。
動画 動画閲覧できます ココをクリック

ー 公判予定 ー

10月12日 京都3事件        京都地裁 10:00~
10月23日 コンプライアンス事件 大津地裁 10:00~

関西生コン事件ニュース No.91  ココをクリック
関西生コン事件ニュース No.90  ココをクリック
関西生コン事件ニュース No.89  ココをクリック

関連動画 「関西生コン事件」報告集会 ココをクリック 

2021年12月9日「大阪市・契約管材局と労働組合の協議」
回答が大阪市のホームページに掲載 ココをクリック
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待望の新刊
検証•関西生コン事件❷
産業別労組の団体行動の正当性

A5判、 143ページ、 定価1000円+税、 旬報社刊
『検証•関西生コン事件』第2巻が発刊された。
巻頭には吉田美喜夫・立命館大学名誉教授の論稿「労使関係像と労働法理」。企業内労使関係に適合した従来の労働法理の限界を指摘しつつ、多様な働き方を基盤にした団結が求められていることをふまえた労使関係像と労働法理の必要性を検討する。
第1部には、大阪ストライキ事件の鑑定意見書と判例研究を収録。
第2部には、加茂生コン事件大阪高裁判決の判例研究を収録。
和歌山事件、大阪スト事件、加茂生コン事件。無罪と有罪の判断は、なぜ、どこで分かれたのか、この1冊で問題点がわかる。

[ 目次 ]
刊行にあたって—6年目の転機、 無罪判決2件 が確定 (小谷野毅)
序・労使関係像の転換と労働法理 (吉田美喜夫)
第1部 大阪ストライキ事件
・関西生コン大阪ストライキ2次事件・控訴審判決について (古川陽二)
・関西生コン大阪2次事件・鑑定意見書 (古川陽二)
・「直接労使関係に立つ者」論と団体行動の刑事免責 (榊原嘉明)
第2部加茂生コン事件
・労働法理を踏まえれば無罪 (吉田美喜夫)
・労働組合活動に対する強要末遂罪の適用の可否 (松宮孝明)

割引価格あり。

お問い合わせは sien.kansai@gmail.com