「民主労総・建設労組の闘いと関生支部の闘い」講演・金元重氏(第6回/全6回)
「ヤンフェドン氏に対する下請け業者らの『処罰不願書』」
警察が拘束令状で「労組が力で屈服させてきたため恐怖を感じた」と表現した下請け業者たちは、4月26日の拘束令状請求後、むしろヤンフェドン氏に対する「処罰不願書」を出している。
5月1日に裁判所に提出された15の業者の「処罰不願書」と「嘆願書」をみると、下請け業者の代表は「民主労総所属のチーム長が組合員の勤務を管理してくれた上、会社と労働者の橋渡しをしてくれたため、労組専従費やチーム長手当を大きな問題なく支給していた。人材供給もとくに摩擦なく交渉を通じて議論していた」と書いている。
別の下請け会社S社の代表は「民主労総の組合員を雇用するのは、建設現場の慣行上、チーム・班として雇用するのと同じだ。組合員の集会で恐怖を感じたり、業務の妨害になったりした事実はない」と書いている。
「建設労組支援共同行動がスタート」
5月25日、「総企画者ウォンヒリョン(国土部長官)、ユンヒグン(警察庁長官)罷免すべし」を掲げた「建設労組支援共同行動」スタートした。
参与連帯、民主社会のための弁護士会、大韓仏教曹渓宗、カトリック正義具現全国司祭団など253の労働市民社会宗教団体が5月25日、ソウル大病院葬礼式場前で「ヤンフェドン烈士闘争労働市民社会宗教団体共同行動」発足記者会見を開き、「建設労働者とともに真実と正義のため、不当な弾圧に立ち向かい、行動し、実践していく」と明らかにした。
また「ユンソンニョル政権の労組嫌悪、建設労組弾圧は『建設現場特別取り締まりタスクフォース』を通じて一層加速している」とし「警察・検察が共同作戦を繰り広げるように押収捜査を乱発し、警察は担当者らに『特進』まで掲げながら建設労働者狩りを添加している」と非難した。
共同行動は「建設労組の団体交渉と団体協約要求は、憲法に保障された労働基本権であり、ILOも韓国政府に保障を求めている建設労働者の当然の権利である」とし、「最も困難で劣悪な環境で労働している建設労働者の権利を全面保障すること」を求め、建設労組弾圧の総企画者であるウォンヒリョン国土部長官とユンヒグン警察庁長官の罷免を促求した。
「関生弾圧と建設労組弾圧の相違点」
関生弾圧と建設労組弾圧の相違点について、建設労組の弾圧に対しては、ナショナルセンターである民主労総が全面的な支援と、ともに闘う決意を表明し、その支援行動を実践している。
関生弾圧への支援と共闘は、闘う労働組合を中心に全国に広がっているが、ナショナルセンターである連合は関わっていない(無関心)ことがあげられる。
もう一つは、韓国の下請け業者らが「民主労総所属のチーム長が組合員の勤務を管理してくれた上、会社と労働者の橋渡しをしてくれたため、労組専従費やチーム長手当を大きな問題なく支給していた。人材供給もとくに摩擦なく交渉を通じて議論していた」などと書かれた「処罰不願書」や「嘆願書」を裁判所に提出していることだ。
関生弾圧では、大阪広域生コン協組の圧力や恐怖支配が強いこともあり、業者らからの嘆願書などの提出は見られないことだ。
「『ここから』の上映会を通じて、闘わない労働組合に呼びかけよう!」
建設労組は産業別労働組合であり、関生支部と同様に労働者の賃金・労働条件の向上をめざし闘ってきた。
この産別労組の取り組みや運動を憎み、「早く潰さねばならない」と闘う労働組合を弾圧するのは世界的にも広がっているが、韓国と日本の弾圧は尋常なものではない。
関生支部支援とともに、韓国・建設労組支援を国際連帯で闘おう!映画「ここから」の上映会を通じて、闘わない労働組合に呼びかけよう!
関生弾圧について家族の目から描いた『ここから~「関西生コン事件」と私たち』が5月10日、2023年日隅一雄・情報流通促進賞奨励賞に選出されました。詳しくはコチラ ココをクリック
映画 ここから 「関西生コン事件」と私たち
この映画は「フツーの仕事がしたい」「アリ地獄天国」など労働問題を取り上げ注目を浴びている土屋トカチ監督の最新作。「関西生コン事件」の渦中にある組合員たちの姿を描いた待望のドキュメンタリー映画『ここから「関西生コン事件」と私たち』がこのほど完成。10月下旬から各地で上映運動がはじまった。10 月 23日には「関西生コン労組つぶしの弾圧を許さな い東海の会」が名古屋で、11月6日には「労働組合つぶしの大弾圧を許さない京滋実行委員会」京都で上映会。業界・警察・検察が一体となった空前の労働組合つぶしに直面した組合員と家族の物語を見つめた。(写真右は京都上映会 で挨拶する松尾聖子さん) 今後、11月13 日には護憲大会(愛媛県松山市)、同月25日は「労働組合つぶしを許さない兵庫の会」が第3回総会で、12月16日は「関西生コンを支援する会」が東京で、それぞれ上映会をひらく。
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ー 公判予定 ー
10月12日 京都3事件 京都地裁 | 10:00~ |
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10月23日 コンプライアンス事件 大津地裁 | 10:00~ |
関西生コン事件ニュース No.91 ココをクリック
関西生コン事件ニュース No.90 ココをクリック
関西生コン事件ニュース No.89 ココをクリック
関連動画 「関西生コン事件」報告集会 ココをクリック
検証•関西生コン事件❷
産業別労組の団体行動の正当性
A5判、 143ページ、 定価1000円+税、 旬報社刊
『検証•関西生コン事件』第2巻が発刊された。
巻頭には吉田美喜夫・立命館大学名誉教授の論稿「労使関係像と労働法理」。企業内労使関係に適合した従来の労働法理の限界を指摘しつつ、多様な働き方を基盤にした団結が求められていることをふまえた労使関係像と労働法理の必要性を検討する。
第1部には、大阪ストライキ事件の鑑定意見書と判例研究を収録。
第2部には、加茂生コン事件大阪高裁判決の判例研究を収録。
和歌山事件、大阪スト事件、加茂生コン事件。無罪と有罪の判断は、なぜ、どこで分かれたのか、この1冊で問題点がわかる。
[ 目次 ]
刊行にあたって—6年目の転機、 無罪判決2件 が確定 (小谷野毅)
序・労使関係像の転換と労働法理 (吉田美喜夫)
第1部 大阪ストライキ事件
・関西生コン大阪ストライキ2次事件・控訴審判決について (古川陽二)
・関西生コン大阪2次事件・鑑定意見書 (古川陽二)
・「直接労使関係に立つ者」論と団体行動の刑事免責 (榊原嘉明)
第2部加茂生コン事件
・労働法理を踏まえれば無罪 (吉田美喜夫)
・労働組合活動に対する強要末遂罪の適用の可否 (松宮孝明)
割引価格あり。
お問い合わせは sien.kansai@gmail.comま