「民主労総・建設労組の闘いと関西生コン支部の闘い」講演・金元重氏(第2回/全6回)

民主労総傘下の建設労組

民主労総(全国民主労総組合総連盟)1995年創立のナショナルセンター、16の産別労組と16の地域本部で構成⇔韓国労総。
建設労組(全国建設労働組合)2007年産別労組として設立、民主労総加入、10の地域本部、4つの文科委員会(土木建築、電気、タワークレーン、建設機械)。

1.「建暴」退治?-民主労総・建設労組に対するユンソンニョル政権の弾圧

「どのような弾圧がいつから?」

2022年12月頃、貨物連帯のストライキを力づくで屈服させてから、建設労組に標準を当てて弾圧を準備。
ソウル警察の「強力犯罪捜査隊」が、1月19日午前8時から9時間にわたり、民主労総全国建設労組ソウル支部京畿北部支部と傘下の西南・西北・東南・東北地域の事務所5カ所と韓国労総傘下の連合建設産業労働組合を家宅捜索。
この他に、建設連帯、民主連合、産業人労組、全国連合現場、全国建設労組連合など5つの群小労働組合事務室5カ所と労組関係者の自宅などを家宅捜査。
警察は個人の携帯電話から、労組の交渉・会議・採用関連文書・上級団体とやり取りした文書など、労組活動と関連した資料約1万7千件を押収。

「容疑内容」

立件された20人余りの労組幹部は、2020年末から2022年初めまで新築マンションなどの建設現場で所属組合員の採用を強要し、それに応じない場合は金品を要求した容疑(暴力行為処罰に関する法律上「共同強要・共同恐喝」)。
建設労組が組合員の採用を要求し、受け入れない場合、現場で集会を開くなど実力行使をしたり、採用しない場合、労組専任費を要求した行為も捜査対象。

「労組側の反発」

民主労総・建設労組-「建設労働者の雇用安定活動は労組の基本的責務であり、労組にとって必要不可欠な活動だ。これを違法行為と規定して責め立てるのは、労組に対する公安弾圧だ」。
韓国労総-「建設労組に対する家宅捜索は、労働組合を不正を働く集団に仕立て上げ、国民的公憤を引き起こすことで政府に向けた非難の矛先を労組に向けさせる意図的な行為とみられる・・・建設現場で起きる大型再開発再建築不正、数億ウォン台の不正請託と不法再下請けなど土着不正には目をつぶり、力の弱い労働者叩きに乗り出さす政府の姿が見苦しい…」。

「労働法律団体の反駁」

2月16日「ユンソンニョル政府の建設労組弾圧の実態と真実を直視する民主労総・法律家団体共同記者会見」(民主化のための弁護士会労働委員会、労働人権実現のための労務士会、民主主義法学研究会、民主労総法律院、不安定労働撤廃連帯法律委員会と民主労総、建設労組が参加)。
政府が問題視している建設労組の「不法行為」は、大きく
▲組合員採用強要
▲専任費強要
▲月例費要求

の3点。
チャンオッキ建設労組委員長-「政府が不法だと主張する事柄は、建設産業の特殊性のために生じた慣行であり、労働組合本来の活動である。建設産業の構造を理解せず、支持率反騰を狙う政府を糾弾する」。
クォンドゥソプ民主労総法律院弁護士-「建設業のすべての職種は、短期間雇用と失業を繰り返す。これは元請け建設会社とその下の専門建設企業いずれもが、常用的な雇用責任を回避しているからだ」。
イユンジェ建設労組政策企画室長-「2022年基準で全国で建設社は9万社を超える。全国のコンビニが5万店だから、いかに多いか実感できるだろう。その多くの建設社で常時雇用の労働者は一人もいない。ここに法的に禁止された多段階下請けが行われているのが建設業の現実だ」。※建設業の下請けは、建設産業基本法で1回だけ許容される(元請け建設社→専門建設企業)。
「大部分の建設現場では一名『オヤジ』と呼ばれる中間管理者を通じて専門建設企業が再度下請けに出す。不法である。この過程で賃金滞払、雇用不安などの問題が生じる」※ある実態調査では、建設労働者の74.9%がチーム長、班長などの中間紹介者を通じて求職。
クォンドゥソプ弁護士-「このように不法下請けと日常的な雇用不安に悩まされる建設労働者のために労働組合が雇用安定を要求することは、労働組合の本来の役割であり、(不法下請けという)不法を是正する行動である」。※月例費-タワークレーン労働者たちは、タワークレーン賃貸業者と勤労契約を結んで元請け(総合設計社・ゼネコン)の指揮を受けて仕事をする。賃金を出さない建設社が「差額」を与えてタワークレーン追加勤務や危険作業をさせたのが慣例となって固まったのが「月例費」。
建設労組の主張-月例費を受け取る労働者を捕まえるのではなく、建設社がタワークレーン労働者を賃貸業者に代わって直接雇用して、無理な作業の指示を根絶することが根本的解決策(のち建設労組として月例費を受け取らない決定を建設社に通達)。※選任費問題:クォンドゥソプ弁護士:タイムオフ制度(勤労時間免除制度)が労働法に明示されていて、労働組合専任者に専任費を与えることは問題にならない。

次回、「建設労組弾圧の背景」に続きます
※関生弾圧を考える神奈川の会総会&映画と講演の集い(9月17日)で、金元重(元千葉商工大学教授)さんの講演レジメをベースに記しています。

関生弾圧について家族の目から描いた『ここから~「関西生コン事件」と私たち』が5月10日、2023年日隅一雄・情報流通促進賞奨励賞に選出されました。詳しくはコチラ ココをクリック

映画 ここから 「関西生コン事件」と私たち
この映画は「フツーの仕事がしたい」「アリ地獄天国」など労働問題を取り上げ注目を浴びている土屋トカチ監督の最新作。「関西生コン事件」の渦中にある組合員たちの姿を描いた待望のドキュメンタリー映画『ここから「関西生コン事件」と私たち』がこのほど完成。10月下旬から各地で上映運動がはじまった。10 月 23日には「関西生コン労組つぶしの弾圧を許さな い東海の会」が名古屋で、11月6日には「労働組合つぶしの大弾圧を許さない京滋実行委員会」京都で上映会。業界・警察・検察が一体となった空前の労働組合つぶしに直面した組合員と家族の物語を見つめた。(写真右は京都上映会 で挨拶する松尾聖子さん) 今後、11月13 日には護憲大会(愛媛県松山市)、同月25日は「労働組合つぶしを許さない兵庫の会」が第3回総会で、12月16日は「関西生コンを支援する会」が東京で、それぞれ上映会をひらく。
お問い合わせはコチラ ココをクリック

関西生コン 作られた「反社」労組の虚像【竹信三恵子のホントの話】
デモクラシータイムスで組合員の苦悩、決意を竹信三恵子さんが詳しく紹介されています。
動画 動画閲覧できます ココをクリック

ー 公判予定 ー

10月12日 京都3事件        京都地裁 10:00~
10月23日 コンプライアンス事件 大津地裁 10:00~

関西生コン事件ニュース No.91  ココをクリック
関西生コン事件ニュース No.90  ココをクリック
関西生コン事件ニュース No.89  ココをクリック

関連動画 「関西生コン事件」報告集会 ココをクリック 

2021年12月9日「大阪市・契約管材局と労働組合の協議」
回答が大阪市のホームページに掲載 ココをクリック
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待望の新刊
検証•関西生コン事件❷
産業別労組の団体行動の正当性

A5判、 143ページ、 定価1000円+税、 旬報社刊
『検証•関西生コン事件』第2巻が発刊された。
巻頭には吉田美喜夫・立命館大学名誉教授の論稿「労使関係像と労働法理」。企業内労使関係に適合した従来の労働法理の限界を指摘しつつ、多様な働き方を基盤にした団結が求められていることをふまえた労使関係像と労働法理の必要性を検討する。
第1部には、大阪ストライキ事件の鑑定意見書と判例研究を収録。
第2部には、加茂生コン事件大阪高裁判決の判例研究を収録。
和歌山事件、大阪スト事件、加茂生コン事件。無罪と有罪の判断は、なぜ、どこで分かれたのか、この1冊で問題点がわかる。

[ 目次 ]
刊行にあたって—6年目の転機、 無罪判決2件 が確定 (小谷野毅)
序・労使関係像の転換と労働法理 (吉田美喜夫)
第1部 大阪ストライキ事件
・関西生コン大阪ストライキ2次事件・控訴審判決について (古川陽二)
・関西生コン大阪2次事件・鑑定意見書 (古川陽二)
・「直接労使関係に立つ者」論と団体行動の刑事免責 (榊原嘉明)
第2部加茂生コン事件
・労働法理を踏まえれば無罪 (吉田美喜夫)
・労働組合活動に対する強要末遂罪の適用の可否 (松宮孝明)

割引価格あり。

お問い合わせは sien.kansai@gmail.com