関生支部「ヤクザとの闘い」 No.3
セメント・生コン業界で産業別労働運動を展開する関生支部。その生コン業界では、暴力団企業の現役ヤクザや経営者が雇うヤクザとの壮絶な闘争があります。
「大日本菊水会の暴力行為」
1973年10月に発生した、大進運輸社(大阪セメントの子会社大阪生コンの下請け輸送業者)との解雇撤回闘争において、同年11月5日の大阪生コン大東工場に対する抗議行動時、右翼「大日本菊水会」のメンバーが関生組合員に殴る蹴るの暴力行為。分会長が内臓破裂の疑いで病院に運ばれるなど、14名の関生組合員が負傷したのです(関生組合員は無抵抗)。
「山口組系暴力団らから殺害された先輩たち」
1974年、関生支部・片岡運輸分会の植月一則副分会長が、会社が雇った暴力団に刺殺されるという事件が発生。同年11月19日、山口組系暴力団2名が植月殺害容疑で逮捕されたのです。
1982年4月14日には、関生支部・高田建設分会の野村雅明書記長が殺害されました(1983年2月15日、実行犯4名に実刑判決)。
この時期、新しい分会の公然化(組合結成)や闘いでは、企業の雇った山口組系暴力団を使った暴力支配が目立っていたのです。
「生コン業界・建設業界には暴力団関係者が蔓延る」
暴対法や暴排条例が制定されて、企業への暴力団・ヤクザの介入がなくなってきたと言われていますが、前々回の和歌山県(和歌山広域協事件)や前回の大阪府高槻市(斎藤建材・バニッシュ闘争)に見られるように、現在も生コン業界・建設業界には暴力団・ヤクザが跋扈しています。
暴力団は、「組」の偽装解散、ヤクザは「破門状」を周知する偽装脱退を頻繁に行います。この偽装解散や偽装脱退は、暴対法や暴排条例が制定する以前からのことで、今に始まったことではないのはご存じの通りです。
組の解散や組からの脱退が本当なのか、市民にわかるはずがなく、警察もよくわからないのが実情です。
暴力団・ヤクザは、自らの利益のみに行動します。企業の陰に隠れていても自分の利益が損なわれることになると、対象者やその家族に対して脅迫などの攻撃を露骨に行います。
労働組合を嫌う経営者が、労働組合を潰すために、暴力団員・ヤクザに依頼したり、企業に雇い入れたりするなどの行為は、現在に始まったことではないのです。
「関生支部の歴史は、ヤクザとの闘いの歴史でもある」
近畿2府4県では労働争議をめぐる関生支部とヤクザとの闘いがあります。引き続き、「関西地区生コン支部『ヤクザとの闘い』」を掲載していきます。
関生弾圧について家族の目から描いた『ここから~「関西生コン事件」と私たち』が5月10日、2023年日隅一雄・情報流通促進賞奨励賞に選出されました。詳しくはコチラ ココをクリック
映画 ここから 「関西生コン事件」と私たち
この映画は「フツーの仕事がしたい」「アリ地獄天国」など労働問題を取り上げ注目を浴びている土屋トカチ監督の最新作。「関西生コン事件」の渦中にある組合員たちの姿を描いた待望のドキュメンタリー映画『ここから「関西生コン事件」と私たち』がこのほど完成。10月下旬から各地で上映運動がはじまった。10 月 23日には「関西生コン労組つぶしの弾圧を許さな い東海の会」が名古屋で、11月6日には「労働組合つぶしの大弾圧を許さない京滋実行委員会」京都で上映会。業界・警察・検察が一体となった空前の労働組合つぶしに直面した組合員と家族の物語を見つめた。(写真右は京都上映会 で挨拶する松尾聖子さん) 今後、11月13 日には護憲大会(愛媛県松山市)、同月25日は「労働組合つぶしを許さない兵庫の会」が第3回総会で、12月16日は「関西生コンを支援する会」が東京で、それぞれ上映会をひらく。
お問い合わせはコチラ ココをクリック
ー 公判予定 ー
1月はありません |
---|
検証•関西生コン事件❷
産業別労組の団体行動の正当性
A5判、 143ページ、 定価1000円+税、 旬報社刊
『検証•関西生コン事件』第2巻が発刊された。
巻頭には吉田美喜夫・立命館大学名誉教授の論稿「労使関係像と労働法理」。企業内労使関係に適合した従来の労働法理の限界を指摘しつつ、多様な働き方を基盤にした団結が求められていることをふまえた労使関係像と労働法理の必要性を検討する。
第1部には、大阪ストライキ事件の鑑定意見書と判例研究を収録。
第2部には、加茂生コン事件大阪高裁判決の判例研究を収録。
和歌山事件、大阪スト事件、加茂生コン事件。無罪と有罪の判断は、なぜ、どこで分かれたのか、この1冊で問題点がわかる。
[ 目次 ]
刊行にあたって—6年目の転機、 無罪判決2件 が確定 (小谷野毅)
序・労使関係像の転換と労働法理 (吉田美喜夫)
第1部 大阪ストライキ事件
・関西生コン大阪ストライキ2次事件・控訴審判決について (古川陽二)
・関西生コン大阪2次事件・鑑定意見書 (古川陽二)
・「直接労使関係に立つ者」論と団体行動の刑事免責 (榊原嘉明)
第2部加茂生コン事件
・労働法理を踏まえれば無罪 (吉田美喜夫)
・労働組合活動に対する強要末遂罪の適用の可否 (松宮孝明)
割引価格あり。
お問い合わせは sien.kansai@gmail.comまで