ネット上での誹謗中傷を許さない社会をつくるために行動しよう

ジャーナリストの伊藤詩織さんが、ツイッター投稿で名誉を傷つけられたとして、漫画家ら3人を6月8日、東京地裁に提訴しました。
伊藤さんは記者会見で、「言葉は時に人を死に追い詰めるほどの力を持ちます。私たちの世代でネットの誹謗中傷を終わりにしたくて提訴しました。私たちは生身の人間。感情があります。発信するときは、その言葉を面と向かって相手に投げかけられるかを考え、自分の言葉に責任をもってほしい」などと話しました。

「公表後、中傷やデマがネット上にあふれる」

安倍首相に近いとされるジャーナリストの山口敬之氏から伊藤さんが、2015年4月にレイプ被害を受けたことで、損害賠償を求めて山口氏を提訴した結果、昨年末に伊藤さんは勝訴しました(山口氏は控訴している)。
2017年に、レイプ被害を公表した直後から「ハニートラップ」「売名行為」などの中傷や、家族や友人に関するデマがインターネット上にあふれました。

「3万件に及ぶ問題投稿」

今回の訴訟では、イラストや文章を投稿した漫画家と、その投稿をリツイート(転載)した男性2人に、損害賠償(770万円)と投稿の削除、謝罪広告などを求めています。
訴訟対象となった漫画家の投稿は、伊藤さんと見られる女性の絵に「枕営業大失敗!」「試しに大物記者と寝てみたわ」などの文章を記載した投稿などです。
評論家の萩上チキさんら5人の調査チームが、ネット上で伊藤さんに言及した投稿を調査し、3万件にもおよぶ問題投稿の中から、弁護士と共に訴訟対象を5件の投稿に絞ったのです。

「傍観者にならずに行動を」

伊藤さんは「膨大な中傷に、イギリスへ転居せざるを得なかった。見返すのもつらく、心理的負担から提訴まで3年かかった。その間に中傷が拡散され、セカンドレイプの言葉が、同じように性被害に遭った人をも傷つけている。訴訟準備の最中に木村花さんの事件(SNS上で激しいバッシングを受けていた女性プロレスラーの木村花さんが5月に亡くなった)が起き、急ぎ足で提訴しました」と話しました。
また、被害根絶のための提案として「①中傷する書き込みをした発信者を特定するための情報開示手続き簡素化すること②誹謗中傷を受けた際の相談窓口の充実」などを強調し、「傍観者にならず、問題投稿を通報するなど行動してほしい」と伊藤さんは呼びかけました。

「誹謗中傷の事例を社会で共有し、『二度と繰り返さない』という機運を高めることが大切」

評論家の萩上チキさんは、「伊藤詩織さんへの誹謗中傷は量的にも質的にも特異。ネット上でのセカンドレイプが、これだけ長期にわたり継続することは珍しい。ネット上の女性差別は昔からずっとある。最近は、フェミニズムが#Me too運動など大きな成果をあげている反動で、物言う女性がより叩かれやすい傾向にある。こんなことは、終わりにしなくてはいけない」。
「1990年代に盛んだったネット上の匿名掲示板などは、アンダーグラウンド(非公式)というイメージがあった。しかし今やネットは、子どもを含め誰でもが利用する公園と同じ公共空間。にもかかわらず、実社会で違法となる言動が野放しになっている。『スルーすればいい』というのは、匿名掲示板時代の話。今は放置すると拡散され、被害が継続する。多くの人が傷ついてきた結果、ネット中傷を許さない世論が高まっている。発信者情報の開示手続きの簡素化、ログ(通信履歴)の保持期間の延長、SNS事業者の責任強化などは、ネット上で法秩序を機能させることにつながる。誹謗中傷の事例を社会で共有し、『二度と繰り返さない』という機運を高めることも大切だ」と問題提起しています。

「ネット中傷を許さない社会をつくるための行動を」

伊藤さんが提訴した翌日、弁護士やジャーナリストら50人がネット上の誹謗中傷を防ぐよう政府に要請しました。また、ネット上で情報開示手続きの簡素化などを求めるネット署名が立ち上がりました。他方では、ツイッターなど大手SNS事業者や与野党が、誹謗中傷の規制に向けた検討を始め、被害者を支援する全国初の条例が群馬県で制定されるなど、ネット中傷を許さない市民の声が広がり、政治やSNS事業者を動かしています。
私たち労働組合には、この問題の背景や本質を学び、改善するための実践が求められています。問題意識を持って具体的に行動している様々な人たちと連帯して、ネット上での誹謗中傷を許さない社会をつくるために行動しましょう。

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