「湖東協・大津協・恐喝事件、大津地裁」

連帯ユニオン関西地区生コン支部への権力弾圧をめぐる公判が7月16日、大津地裁で開かれました。本日の公判は証人尋問です。

(傍聴した方の印象)

午前の証人は元住友大阪セメントの大阪支店長を務めていたN氏。被害者とされるT社の取締役I氏から相談されたK社のS氏に「T社と言うところが連帯の妨害を受けて困っている。NS氏を紹介してほしい」と頼まれ、NS氏に連絡したところ、NS氏が連帯との間に入ることを承諾した。
妨害の中身や背景がわからないためS氏から直接NS氏に連絡させることを伝え、S氏にも直接NS氏と連絡して話すように伝えたと証言した。S氏ともNS氏ともお金の話は一切していないと証言した。
証人は、元々恐喝事件に関係する被疑者として取り調べを受けていた。2回の警察による取り調べをうけたがNS氏と供述が異なると言われ、最終的には起訴されず。
NS氏とは警察の許可もあり連絡を取り合っていたが、NS氏の検察取り調べ後、NS氏からN氏の証言が「違う」と興奮した様子で連絡があり、「わしはS氏と会ったこともないし、金の話もしたことない」と言われたと取り調べの中でも言っている。
N氏とS氏もお金の話は一切したことがなく、NS氏もS氏とお金の話をしたことが無いと言っているなら、どこからお金の話が出てきて恐喝となったのか?

午後の証人O氏は元住友大阪セメント→S社社長→滋賀県生コン工組事務局長になった人。D社の加水などコンプライアンス違反の問題で連帯が工組に因縁をつけてきた。家や工組の周りを街宣車がグルグルまわるため、カメラを設置したなどと証言。証人として必要だったのか?と感じた。
3人目の証人は、T社が納入していた現場の監督をしていたD社滋賀支社集合住宅事業部工事課の人。ミーティングの中で上司から、連帯の人に指摘されることがあるので「現場で法律関係などを注意すること。現場の水も直接水路や側溝などに流さないこと。近隣に配慮すること」と説明を受けたと証言。反対尋問の中で現場にきた連帯の人の口調は穏やかだった。恐いとは思わなかったと証言した。多数の傍聴人が、連帯が純粋にコンプライアンス啓蒙活動をしていたことを証言してくれた証人だったように感じた。

●公判終了後、弁護団から本公判の解説と今後の方針を述べていただきました。

「公判のまとめ永嶋弁護士(抜粋)」

今日の3人は、何の証人かわからないし、犯罪の証人ではない。1番最初がNという人。T社の恐喝事件というのは、被害者Yがいて取締役のIに相談して、IがSという人に相談して、Sが今日のNに繋いで、このNがNSに繋いだ。そのNSの向こうにNSと昔から知り合いであった武委員長と、全然NSのこと知らないけれど支部副委員長がいる。Y、Iは被害者だと言っている。反対側に恐喝したと言われている武委員長、副委員長がいる。この間は全部起訴も逮捕もされていないという中で、このIの次にいたSというのは認知症で何の調書もまいていない。今日のNはSとさまざまな話しをしたと言うけれど、どんな話したかというのも実際にはわからない。Nは「私は繋いだだけでお金の話なんて知りませんし、何がどうなっていたのか何も知りません」と証言した。だから武委員長、副委員長の一人おいたところまでは、実は何も知らない。自分は何も知りません。或いは何も言えないと恐喝があったかなかったか何も言えない人で、さらにこのNとNSが話が全然違うことになっているということをNは認めている。
普通は口裏合わせするから連絡を取らせないために逮捕・勾留する。ところが警察はNとNSが連絡を取ることを許している。これ実は今日はハッキリ言わなかったしNSが証言するかわからないが、話を合わせてこいというサジェスチョン(暗示。示唆。提案)だ。「話を合わせてお前らは助かるような筋を作ってこい」ということ。あとはNSがどんな話をするか。だけどこのN、NSは自分が責任免れないといけないため、何も言われないようになっているSと何を言うても警察が絶対捕まえてくれる武委員長、副委員長。自分は逃げてSと武委員長、副委員長の責任でこの事件を終わろうとしているという流れの中で見ていってもらったらいいのではないか。ただ恐喝の被害者は、今日も彼も50万円もらったと言っていたが御礼を持って行ってる。すごい不思議な構造。
午後の証人はO。あれ反対尋問の準備をしていたが主尋問で何もでていなかったため、できなかった。あの人、D社がいかにいじめられていたかとか、T社がいかにいじめられていたかと調書ではもっと話している。ただ彼自身が体験していることではなく、「平成26年ころから関生にいじめられてました」ということで、関生の悪事一覧表みたいなものを作成して、早い段階で警察に提出している。私の名前なんかも出てくる。今日あそこに座っていた弁護士も半分くらい出てくるようなものを作成して売り込んでいたのかわからないが、そういうことをしていた人。それはさすがに法廷で証言させようがないため、何しに出てきたのかよくわからない。反対尋問の中でも言ったが、検察官の調書がない。普通大事な証人は検察官の調書があるが、彼は警察官の調書しかなくて、始めから反対尋問もいらないのではないかと思うほどのことしか話していない。
3人目の証人が、現場の妨害・イヤがらせです。あれもよくわからなかった。本人も別に恐いわけではないし、言われたが言われなくても掃除するつもりでしたとか。
T社の事件というのが、どういう筋の事件かよくわかる証人でした。

永嶋弁護士には丁寧でわかりやすい解説と問題点や本質を述べていただいたことに感謝します。ありがとうございました。
労働組合つぶしの大弾圧を許さない実行委員会・大阪や勝手連・滋賀のみなさんをはじめとした全国の支援者のみなさん、裁判の傍聴支援をありがとうございます。今後もご支援ご協力をお願いします。

正社員化要求したら「強要未遂」!?
「関西生コン事件」に見る労働三権の危機

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