タイコー闘争、枚方市に申入書提出

連帯ユニオン関西地区生コン支部・大阪Bブロックは4月25日、伏見隆枚方市長に対して「不当労働行為企業に対する枚方市、地方行政の指導と措置について」と題する申入書を提出しました。

「枚方市の担当者は真摯な姿勢で対応」

申し入れは、枚方市役所本館の会議室で行われ、総務部・次長と契約課の担当者が対応してくれました。また、私たちの申し入れに、野村枚方市会議員が同席してくれました。
関西地区生コン支部・武谷書記次長と大阪Aブロック組合員が、に申入書を渡して枚方市に対する申し入れを項目ごとに説明しました。総務部・次長と契約課の担当者は、武谷書記次長の趣旨説明に対して、真摯な姿勢で対応してくれました。最後に「コロナ禍のなか、忙しいでしょうが1ヶ月を目処に回答を文書で提出して下さい」と当局の2人に伝えたところ、総務部・次長が「申入書の内容を精査して、1ヶ月を目処に回答したい」と答えました。
武谷書記次長と大阪Aブロック組合員は、総務部・次長と契約課の担当者に、コロナ禍によって、市役所の業務や任務が大変ななか、時間をとってもらったことに感謝の意を述べて申し入れを終えました。

「野村枚方市会議員に感謝します」

枚方市役所への申し入れに際して、野村枚方市会議員には、私たちの相談に耳を傾けてもらい、アドバイスをいただいたことに感謝します。本当に、ありがとうございました。

※ 申入書の全文
コロナ禍の厳しい状況のなか、枚方市では、市長をはじめ職員のみなさんが懸命に業務や任務に従事されていることに敬意を表します。
私たちは、民間の労働者で構成している労働組合です。枚方市に対して次のことを申し入れます。1.枚方市にある企業「タイコー株式会社」の私たち労働組合の対応が大阪府労働委員会から「不当労働行為」と認定されました。この企業に対する枚方市の見解ならびに対応についての回答を求めます。2.「タイコー株式会社」は、建設資材業者の生コンクリートの製造販売・輸送会社です。枚方市発注の公共工事にも、生コンクリートを納入しています。
公共工事は、入札を経て決定した建設会社が施行します。その元請けである建設会社から、下請けの建設資材業者である生コンクリート企業に生コンクリートが発注されます。
このように、元請けが下請けに建設資材を発注する構造の中で、その下請け業者が労働組合法違反の不当労働行為企業と労働委員会から認定され、不当労働行為がなかった状態に戻せとの命令が出されています。
元請けの建設会社は、下請け業者に法令遵守を徹底されていることでしょうが、下請け企業の法令違反が発覚した場合は、元請け会社が責任に問われるのは当然のことですから、公共工事の発注者として、元請け会社とともに、その下請け会社である「タイコー株式会社」に対しても、枚方市が相当の指導を行うべきと考えています。回答を求めます。3.大阪府労働委員会から不当労働行為企業に認定された「タイコー株式会社」は、大阪広域生コンクリート協同組合(大阪広域生コン協組)に加入している組合員企業です。大阪広域生コン協組は、大阪府の生コン製造販売業者の100%近くが加入している事業協同組合です。大阪府に所在しているほとんどの生コン企業が大阪広域生コン協組に加入していることから、公共工事における建設資材の生コンクリートは、大阪広域生コン協組を通じて納入されることとなります。つまり、大阪府における公共工事のほとんどが大阪広域生コン協組から生コンクリートを購入することとなるのです。不当労働行為が認定された企業が加入している大阪広域生コン協組に対しても、枚方市が適切な指導を行うべきです。回答を求めます。4.下記に記しているのは、「不当労働行為企業を『公共事業の指名から排除』」する旨の大阪府知事や大阪市長の回答です。大阪府や大阪市の回答を踏まえた枚方市の回答を求めます。
(1)不当労働行為企業を「公共事業の指名から排除」する旨の大阪府知事の回答
回答 公聴第75号 昭和48年7月24日 大阪府知事 黒田了一
総評全国金属労働組合 大阪地方本部 委員長 伊藤国治殿

1.公共事業を発注するに際して、指名競争入札に参加させる業者につきましては、その業者が労働関係法令に違反しておれば、一定期間指名から排除するようにいたします。
この場合には、労働関係法令を管轄しております行政機関等からの法令違反の告発、処分通知等に基づき行います。
2.企業誘致につきましては、今後本府が誘致または用地分譲を行います場合には、ご要請の趣旨を十分配慮してまいりたく存じます。
3.知事表彰につきましては、大阪府表彰規則に基づいて行っているところでありますが、表彰候補者に公害問題、労働基準法違反、不当労働行為等の府民感情にそぐわない事実がある場合には、表彰の対象から除外することといたします。
4.各種団体等が主催される行事、催物などに対する祝辞、祝電、メッセージ等の依頼が極めて広範囲にわたっておりますが、その取り扱いについては、前各項の趣旨に基づき、十分配慮してまいりたいと存じます。以上(2)大阪府公聴第6号 1977.4.7
物品の買い入れにつきましては、要請書の「労働基準法、最低賃金法、家内労働法、職業安定法、労働組合法並びに公害条例に違反した業者」に対し関係法令を所管している行政機関の処分決定があった場合その内容に応じて一定期間指名停止の措置を行うこととしております。
また、公共事業における工事契約に際しましては、建設労働及び環境保全に関する法令等に違反することのないよう行政指導に努めているところでありますが、関係行政機関等から法令違反行為についての告発、処分通知があった場合は、一定期間指名から排除する等の厳正な措置を講じております。
大阪府知事 黒田了一(3)建設工事に当たり、不当労働行為企業の「指名留保」をする旨の大阪市長の回答
大阪市総務第786号 1977.3.18
本市においては、中小企業の保護育成のため工事発注、物品購入、その他の契約にあたって、その受注の拡大のため積極的に努力を重ねています。
特に建設工事の施工にあたっては、建設業法、労働基準法等関係法令を遵守するよう、毎年入札参加資格承認時に有資格者全員に対し「建設工事の適正な施行の確保について」を通知することにより、その周知徹底を図っています。
なお、関係法令に違反する行為があり労働基準局等主務官庁から通知があったときには、指名留保等の厳正な措置を含め、違反をおこさないよう指導を行っています。
大阪市長 大島靖

上述した1項から4項までの要請について、枚方市の回答を求めます。お忙しいところ申し訳ありませんが、1ヶ月以内に文書で回答してくださるようお願いします。なお、回答の文書は、日程調整のうえ、枚方市庁舎内で手交していただきたいことを申し添えます。

ー お知らせ ー
関西地区生コン支部が展開する産業別労働運動への仲間の皆さんのご協力とご支援に感謝します。また、日頃の関西地区生コン支部弾圧への物心両面にわたるご支援に、心からお礼を申し上げます。さて、「今こそ関生魂を!!激動と根底的変革の時代を共に生きよう!6.4映画「棘2.独白」上映(主催、6.4映画「棘2.独白」上映実行委員会)が、6月4日(土)18:00から文京区民センター2Aで開催するというチラシが配布されています。
このチラシには、連帯・関西地区生コン支部と記された組合旗が、写真で掲載されていますが、この主催者団体らと、全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部は、何ら一切関係のないことをお知らせします。
関西地区生コン支部が携わり、関与する集会などのイベントについては、当労働組合発刊の機関紙「くさり」や、当労働組合が作成するホームページの「連帯広報委員会」でお知らせしています。支援共闘の仲間の皆さんには、お間違えのないようにくれぐれもよろしくお願いします。

「労働組合つぶしの大弾圧を許さない実行委員会」への賛同の呼びかけ PDF

デモクラシータイムス 〈 2022.01.11 〉
池田香代子の世界を変える100人の働き人60人目
労働運動を〈犯罪〉にする国「連帯ユニオン関西地区生コン支部」事件
ゲスト:竹信三恵子さん(ジャーナリスト・和光大学名誉教授)
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関西生コン事件ニュース No.72 ココをクリック
関西生コン事件ニュース No.73 ココをクリック
2021年12月9日「大阪市・契約管材局と労働組合の協議」
回答が大阪市のホームページに掲載 
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賃金破壊――労働運動を「犯罪」にする国 竹信三恵子(著)– 2021/11/1 旬報社 1,650円(税込み)

1997年以降、賃金が下がり続けている先進国は日本だけ。
そんななか、連帯ユニオン関西地区生コン支部は、賃上げも、残業規制も、シングルマザーの経済的自立という「女性活躍」も実現した。
業界の組合つぶし、そこへヘイト集団も加わり、そして警察が弾圧に乗り出した。
なぜいま、憲法や労働組合法を無視した組合つぶしが行なわれているのか。
迫真のルポでその真実を明らかにする。

目次 : プロローグ
第1章 「賃金が上がらない国」の底で
第2章 労働運動が「犯罪」になった日
第3章 ヘイトの次に警察が来た
第4章 労働分野の解釈改憲
第5章 経営側は何を恐れたのか
第6章 影の主役としてのメディア
第7章 労働者が国を訴えた日
エピローグ

【著者紹介】
竹信三恵子 : ジャーナリスト・和光大学名誉教授。東京生まれ。1976年東京大学文学部社会学科卒、朝日新聞社入社、経済部、シンガポール特派員、学芸部次長、編集委員兼論説委員(労働担当)、2011-2019年和光大学現代人間学部教授。著書に『ルポ雇用劣化不況』(岩波新書、日本労働ペンクラブ賞)など。貧困や雇用劣化、非正規労働者問題についての先駆的な報道活動に対し、2009年貧困ジャーナリズム大賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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