電産・全自の弾圧は、関生弾圧と同じ
かつて産業別労働組合が経営側に粉砕された歴史があります。日本電気産業労働組合(電産)という全国的労働組合と全自動車労働組合(全自)という産業別労働組合ですが、経営側、資本と政府の手によって壊滅させられました。
「電気産業を相手に団体交渉」
1950年、企業別労働組合の総結集として日本のナショナルセンターは総評という形が出来上がりました。しかし、労働運動のなかでも、産業別労働組合という方向で強化していくという二つの単産がありました。一つが日本電気産業労働組合です。まさしく今の東京電力などの電気産業の労働組合の前身です。電力は、戦前の国家管理を引き継ぎ、発電・送電は全国で一本化されていました。それを組織していた日本電気産業労働組合は、中央本部が団体交渉権、スト権、妥結権の三権を持っていました。当時は、電気産業を相手に団体交渉を行っていたのです。
「ストで電気を止めた、当時の国民は受けとめた」
ところが1951年に、電力を9分割しました。国鉄分割・民営化と同じように。経営体を分割すると、企業別分断が進むことになります。
そして、1952年に日本電気産業労働組合争議が起き、8ヵ月間労働側は闘い抜きました。電源ストだとか、停電ストだとか、家庭の電気を止めてしまいます。労働組合のストライキで電気が止まってしまいます。今では考えられませんが、当時はそれを国民は受けとめました。そういった産業別労働組合の闘いと国民の一定の共感が当時はあったわけです。
「個別交渉で企業ごとに分断」
しかし、経営側はまったく妥協することなく、日本電気産業労働組合に対して統一交渉ではなく個別交渉に、そして統一賃金ではなく企業ごとの個別賃金にすることを求めました。電産型賃金という一つの賃金体系ではなくて、企業体ごとに分割した賃金にしていく。分割した賃金に基づいて個別交渉をしていく。これを飲むのか飲まないか、経営側は一歩も引きませんでした。そこで結局は、労働側は屈服せざるを得ないということになったのです。各企業体ごとに企業別労働組合ができて、結局、日本電気産業労働組合そのものが1956年に解散していくことになり、そして今のような東京電力や関西電力のような原発を推進する労働組合ができたのです。
「経営側が産業別労働組合を恐れる所以」
全自動車労働組合では、日産を中心としてトヨタといすゞの3者共闘をずっと続けてきました。1951年の職場討論会で、トヨタの工場に日産の労働者が行って、職場交流をしている写真が残っています。こういうことを日本の労働運動は経験知でもっており、これが産業別労働組合の強さであり、経営側が産業別労働組合を恐れる所以なのです。
「経営側は警察を使い組合員を逮捕させ、暴力団を動員した」
1953年の日産争議では、結局、トヨタといすゞが妥協して日産は孤立しました。そして弾圧対策をとりました。経営側は、日産社と日経連、自動車経営連盟が経営側の三者共闘をつくったのです。つまり自動車業界だけでなく経営側の財界を挙げて総力で弾圧の体制をつくったのです。
経営側は一歩も引かないなかで、日産は壮絶な争議を闘い抜きましたが、会社側はロックアウトで、強固なバリケードを築き、工場内への立ち入りを禁止しました。さらに経営側は警察を使い組合員を逮捕して、暴力団を動員しました。
日産は、100日間闘い抜きましたが、やがて第二組合ができました。この日産の第二組合をつくった中心人物らが、やがて連合をつくる中心を担うという戦後労働運動の流れになっていきました。
「電産・全自の弾圧と関生弾圧は似ている」
そして全自は結局、解散を余儀なくされます。産業別労働組合が個人加盟で頑張るということが、当時は選択できなかったのです。電産(日本電気産業労働組合)という全国的労働組合と全自(全自動車労働組合)という産業別労働組合ですが、経営側、資本と政府の手によって壊滅させられました。
今回の関生弾圧はこれに似ており、弾圧の本質が見えてきます。日産争議では、経営側の求めで警察が組合員を逮捕したり、争議現場などに経営側が雇った暴力団を動員する。関生にかけられた攻撃と同じことをやっています。また、関生弾圧の担当部署が公安警察ではなくて組織犯罪対策課(暴力団対策課)だということは、明らかに関生を潰してくるということです。組合ではなく「組」を潰した経験者が今度は労働組合を潰すということで本気になって取り組んできているのです。
第4回 人権問題シンポジウム 開催!
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講 師:秋田 真志弁護士 テーマ:プレサンス元社長冤罪事件における
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日本の刑事司法の闇~
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お問合せ:連帯ユニオン人権部 担当:武谷 新吾
TEL:06-6583-5546
労働組合活動を犯罪扱いさせてはなりません
「京都事件」は、ベスト・ライナー、近畿生コン、加茂生コンの3つの事件(労働争議)を併合審理する刑事裁判です。労働争議の解決金を受領したことが「恐喝」とされています。
争議解決にあたって、会社側に解雇期間中の未払い賃金、雇用保障、組合の闘争費用などを解決金として支払わせることは、裁判所や労働委員会でも当然の実務として定着しています。ところが、警察・検察は、関生支部は労働組合を名乗る反社会勢力で、金銭目当てで活動してきたそんなストーリーで前代未聞の事件を仕組んだのです。
企業の団結権侵害に対する抗議行動や団体行動を犯罪扱いする警察・検察の暴挙を許せば、憲法28条が保障した労働基本権がなかった時代への逆戻りです。裁判所は毅然たる姿勢で無罪判決を出すべきです。すべての労働組合のみなさまに署名活動へのご協力をよびかけます。
署名活動の実施要領
提 出 先:京都地方裁判所第2刑事部
署名の種類:団体署名を実施します(個人署名ではありません)
署名用紙は、 ココをクリック
集約と提出:第1次集約 9月末日(10月中旬提出)
第2次集役 10月末日(11月中旬提出)
最終週役 11月末日(12月中旬提出)
送 り 先:〒101ー0062
東京都千代田区神田駿河台3ー2ー11 連合会館
フォーラム平和・人権・環境気付
関西生コンを支援する会 ホームページ ココをクリック
TEL:03ー5289ー8222
デモクラシータイムスで、「関西生コン事件」の解説。刑事裁判で無罪になった二人の組合員と、組合員を雇った、組合員に仕事を出したことを背景にセメントの販売を拒絶され兵糧攻めにあっているセメント製造業者をインタビュー。また、「産業別労働組合」の歴史の経過を詳しく解説。
動画閲覧できます ココをクリック
ドキュメンタリー番組の前に放送されたMBSラジオ「関西生コン事件とは何か」がネットで聞けるようになりました。
以下のところから聞くことができます。
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関生弾圧について家族の目から描いた『ここから~「関西生コン事件」と私たち』が5月10日、2023年日隅一雄・情報流通促進賞奨励賞に選出されました。詳しくはコチラ ココをクリック
第26回ソウル人権映画祭で上映されました。 ココをクリック
6月13日から開催される、第26回ソウル人権映画祭(ソウルマロニエ公園一帯)。
14日(金)に『ここから「関西生コン事件」とわたしたち』が上映されます。英語・韓国語・字幕、韓国手話付き。全22作品を上映。
映画 ここから 「関西生コン事件」と私たち
この映画は「フツーの仕事がしたい」「アリ地獄天国」など労働問題を取り上げ注目を浴びている土屋トカチ監督の最新作。「関西生コン事件」の渦中にある組合員たちの姿を描いた待望のドキュメンタリー映画『ここから「関西生コン事件」と私たち』がこのほど完成。業界・警察・検察が一体となった空前の労働組合潰しに直面した組合員と家族の物語を見つめた。(左写真は松尾聖子さん)いまも各地で上映会がひらかれている。
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