日本の現状を国際基準と照らし合わせて点検する機会
国連の女性差別撤廃委員会は10月、選択的夫婦別姓制度導入を求めて4度目となる勧告を出しました。日本経済団体連合会(経団連)も今年、早期実現を提言しました。
「国連・女性差別撤廃委員会の勧告の実践を」
選択的夫婦別姓制度は、「伝統的家族観」や「家族の一体感」が損なわれるからと、自民党議員らの強い反対があるため導入できていません。具体的には、家庭内で異なる姓が使われると「家族の絆が壊れる」、「家族単位で保たれてきた社会が崩壊する」、「戸籍の廃止につながり、制度などの見直しを迫られる」、親と姓が違うと「子どもがかわいそうだ」などと主張しており、戦後の民法改正でなくなったはずの「家制度」そのものです。また、選択的夫婦別姓制度導入の反対は、日本会議や世界平和統一家庭連合(旧統一協会)など、保守系の団体の意向でもあるといいます。偏った価値観を変えるためにも、国連の女性差別撤廃委員会の勧告を真摯に受けとめ、それを実践しなければなりません。
「女性差別撤廃条約-世界の憲法」
1979年に国連で採択された「女性差別撤廃条約」は、女性の人権に関する「世界の憲法」とも言われています。女性への差別を定義して、家族関係など私的領域や政治的、社会的、経済的なあらゆる分野で差別を撤廃する措置を取るように求めています。現在189ヵ国が締結しています。日本は1985年に批准しました。当初、日本政府は批准に消極的でしたが、女性団体の運動もあり、署名に至りました。条約の批准のために1985年、男女雇用機会均等法が制定されました。
「女性差別撤廃委員会の審査・勧告」
国連の女性差別撤廃委員会は、女性差別撤廃条約の履行状況を監視するための組織です。専門家23名で構成し、締約国が差別をなくすためにどういった法制度や施策を実施しているのかを順番に審査し、勧告を要請します。
女性差別撤廃委員会の作業部会は、締約国についての懸案をもとに質問のリストをつくり、それぞれの政府がリストに基づいて報告します。NGOからの情報提供や、政府への対面の審査を経て、勧告を含む最終見解が出されます。
「勧告は国内法の整備に一定の影響を与えている」
日本は、育児休業制度の導入や間接差別の禁止、婚外子差別の是正など数々の要請を受けてきました。2016年の審査では、女性にのみ課されていた100日の再婚禁止期間や男性18歳、女性16歳だった結婚最低年齢の格差などが指摘され、その後、法改正がされました。勧告は国内法の整備に一定の影響を与えています。
「日本の現状を国際基準と照らし合わせて点検する機会」
日本国憲法では、締約した条約を国が「誠実に遵守」することを定めています。勧告自体に法的拘束力はないと言われますが、条約の中身を社会のなかで実現するための提案や指摘なのです。女性差別撤廃委員会の審査や勧告は、日本の現状を国際基準と照らし合わせて点検する機会であり、ジェンダーギャップをなくしていくための「指針」にもなるのです。
「女性差別撤廃条約」
1979年に国連で採択。女性の人権に関する「世界の憲法」とも言われる。日本を含め189ヵ国が締結している。
「国連の女性差別撤廃委員会」
女性差別撤廃条約の履行を監視するために設置された外部専門家からなる組織。メンバーは23名で、女性差別撤廃条約の締結国から選ばれる。現在、日本から秋月弘子・亜細亜大教授が委員に選ばれ、副委員長を務めている。
「審査の仕組み」
NGOなどからの情報提供や政府への対面での審査を経て、勧告を含む最終見解を出す。→締約国189ヵ国の法や施策、不十分なら勧告や要請。
第4回 人権問題シンポジウム 開催!
日 時:2024年12月7日 15:00~17:00
場 所:エルおおさか南館7階 南734
講 師:秋田 真志弁護士 テーマ:プレサンス元社長冤罪事件における
権力犯罪と人質司法
~取り調べ可視化が浮かび上がらせた
日本の刑事司法の闇~
資料代:500円
お問合せ:連帯ユニオン人権部 担当:武谷 新吾
TEL:06-6583-5546
労働組合活動を犯罪扱いさせてはなりません
「京都事件」は、ベスト・ライナー、近畿生コン、加茂生コンの3つの事件(労働争議)を併合審理する刑事裁判です。労働争議の解決金を受領したことが「恐喝」とされています。
争議解決にあたって、会社側に解雇期間中の未払い賃金、雇用保障、組合の闘争費用などを解決金として支払わせることは、裁判所や労働委員会でも当然の実務として定着しています。ところが、警察・検察は、関生支部は労働組合を名乗る反社会勢力で、金銭目当てで活動してきたそんなストーリーで前代未聞の事件を仕組んだのです。
企業の団結権侵害に対する抗議行動や団体行動を犯罪扱いする警察・検察の暴挙を許せば、憲法28条が保障した労働基本権がなかった時代への逆戻りです。裁判所は毅然たる姿勢で無罪判決を出すべきです。すべての労働組合のみなさまに署名活動へのご協力をよびかけます。
署名活動の実施要領
提 出 先:京都地方裁判所第2刑事部
署名の種類:団体署名を実施します(個人署名ではありません)
署名用紙は、 ココをクリック
集約と提出:第1次集約 9月末日(10月中旬提出)
第2次集役 10月末日(11月中旬提出)
最終週役 11月末日(12月中旬提出)
送 り 先:〒101ー0062
東京都千代田区神田駿河台3ー2ー11 連合会館
フォーラム平和・人権・環境気付
関西生コンを支援する会 ホームページ ココをクリック
TEL:03ー5289ー8222
デモクラシータイムスで、「関西生コン事件」の解説。刑事裁判で無罪になった二人の組合員と、組合員を雇った、組合員に仕事を出したことを背景にセメントの販売を拒絶され兵糧攻めにあっているセメント製造業者をインタビュー。また、「産業別労働組合」の歴史の経過を詳しく解説。
動画閲覧できます ココをクリック
ドキュメンタリー番組の前に放送されたMBSラジオ「関西生コン事件とは何か」がネットで聞けるようになりました。
以下のところから聞くことができます。
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関生弾圧について家族の目から描いた『ここから~「関西生コン事件」と私たち』が5月10日、2023年日隅一雄・情報流通促進賞奨励賞に選出されました。詳しくはコチラ ココをクリック
第26回ソウル人権映画祭で上映されました。 ココをクリック
6月13日から開催される、第26回ソウル人権映画祭(ソウルマロニエ公園一帯)。
14日(金)に『ここから「関西生コン事件」とわたしたち』が上映されます。英語・韓国語・字幕、韓国手話付き。全22作品を上映。
映画 ここから 「関西生コン事件」と私たち
この映画は「フツーの仕事がしたい」「アリ地獄天国」など労働問題を取り上げ注目を浴びている土屋トカチ監督の最新作。「関西生コン事件」の渦中にある組合員たちの姿を描いた待望のドキュメンタリー映画『ここから「関西生コン事件」と私たち』がこのほど完成。業界・警察・検察が一体となった空前の労働組合潰しに直面した組合員と家族の物語を見つめた。(左写真は松尾聖子さん)いまも各地で上映会がひらかれている。
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