「湖東協・大津協・恐喝事件公判、大津地裁」

連帯ユニオン関西地区生コン支部への権力弾圧をめぐる公判が6月28日、大津地裁で開かれました。本日の公判は証人尋問です。

「公判レポート(傍聴した印象)」

午前の証人は、生コン政策協議会がパトーロールと言って、コンプライアンス啓蒙活動に来た際、責任者として対応した人。パトロールと聞いて「大変だなぁ」と思ったと言っていた。指摘された違反については、徐々に改善をしてきた人。いつも証人に来た人が言う「イヤがらせ」という言葉を社長が言っていた話はしたが、自らは「イヤがらせ」という言葉を発しなかった。
午後の証人は、1,000万円を脅し取られたと被害届を出した張本人。T社の代表取締役Y氏。
コンプライアンス啓蒙活動で現場が指摘を受けたことを「イヤがらせ」と称し、「どう解決できる?お金で解決できるのであれば、いくらで解決でできるか」と自らお金の話を持ち出している。連帯からは何の要求もされていないとも証言している。どう聞いても恐喝の要素が感じられなかった。
連帯とのパイプとして複数人が入っていると言うが、直接はなせていない人、会ったこともない人ばかりで、その間で行われた言動のやり取りは証人自身全く知らなかった。
この事件の被害届も事件があったとされる日から3年後に出されている。「仕返しが恐かった」と証言していたが、元々彼自身がS社のことに関する事件で恐喝事件の被疑者として取り調べを受けていた際に、今回の話をして検察から、「被害届どうしますか」と聞かれて提出している。そんな証言から傍聴人としては、「司法取引があったのでは?」と思わざるを得なかった。
また、1,000万円をホテルで渡されたとする当日、ホテルの待ち合わせに現れたのは、証人とI氏、N氏と武委員長。Y副委員長はいなかった。
Y副委員長は話が始まり、コンプライアンス違反の具体的な説明をするために、武委員長に呼ばれて5分から10分説明して帰ったと証言した。そのことからY副委員長がこの事件の被疑者にされていることに疑問を感じた。
さらに証人は、Y副委員長の口調について、大声ではなかったが、高圧的であったと記憶しているのに対し、それに言い返したI氏の口調については記憶が曖昧と言ったり、証人の言う「イヤがらせ」を受けていたと感じた当時、警察に相談したのは覚えているが、弁護士に相談したがその内容が事件のことであったかは記憶にないなど、内容や記憶に矛盾を感じる証言であった。

●公判終了後、弁護団から本公判の解説と今後の方針を述べていただきました。

「公判のまとめ、永嶋弁護士(抜粋)」

午前中は今までどおりのコンプラやられてましたよという証人でした。でもやられているコンプラと言っても工事が止まるようなものは全然無くて、工事が遅れたと言ったけれど、そもそも置いておかないといけないポンプかタンクを置いて遅れただけで、全然工事の妨害ではなかった。
問題は昼からの証人(T社代表者のY氏)で、(恐喝事件で)脅された人なんですけど、聞いててわかったと思うけど、そもそも反対尋問はいらないのではないかと弁護士が言っていたぐらいで、(Y氏の証言では)脅されたというところが何も出てこなかった。お金の要求を誰かにされたわけでもないし、妨害されていると思ったけれど、何で妨害されているのかもよくわからないと。ただ何か知らないけれど、間におる人が言ってきて、お金持って行ったら止まるんちゃうの?って言われてお金持って行きましたというだけ。
T社の社長がY氏です。本当はこの次出てくるI氏というのが実力者で、それが聞いててもらったらわかると思うけど協同組合の幹事長を長いことやっていて、自分ところの会社だけごっつい儲かるをようなシステムを作っていた人ではあるのですけれども、その人と相談してお金を持って行くことになりましたと。
ただ、何でそういうふうになったかも今日の証人はわからないと言っている。まずY氏がいて、I氏がいて、こちら側にもう一人Sという名前の人がいて、この人は、「病気らしいです」「何も話していません」そして「その向こうで何があったか全然わかりません」という。そういう世界の中で、少なくともあの人は恐喝の立証は何にもできていない。
それとあともう一つ。結局この話が出てきたのは、彼が恐喝、彼自身が恐喝したのではないかと言われている被疑者ということになる取調べの中で、検事さんから被害届を出しますかと言われて、出しましたよという。本当に事件が構造的に作られているし、「恐喝の実態はどこにもないんじゃないか?」というのがわかったと思います。
これからこの事件の関連証人が、いろいろ出てきますが、そのことをもっともっとハッキリさせていきたいなと思っています。今日の証人尋問は、だいたいそんな感じでした。
(質疑応答)
Q.裁判長の雰囲気がこの1週間、変わったような気がする。それはちょっと勘違いですかね?
(永嶋)まぁちょっと変な事件やなというふうには思ってはるん違いますか。というふうに思うけどね。T社の事件に関しては。
(質問者)T社の事件だけではなくって、うちは人権大事にするんやみたいなこと言うてみたりとか。
(永嶋)ちょっと逮捕の仕方があんまり。今日も最後に言っていたけれど、こんなやり方、いつまでも再逮捕・追起訴して身体拘束を続けるのは、今日は言ってなかったけれど、この前は遺憾だと言っていた。それはやっぱりあんまりやという感じがしてきてはるのかもしれないですね。それと、今日わざわざ、もう次の証人は傍聴人との間に、またツイタテするけれど、それ以降はツイタテしませんとか言うてはったのは、ちょっとなにこれという感じ、甘くは思ったらいけないけれど。
(質問者)昨日もなんか公開の原則に基づいて、本来は遮蔽(しゃへい)しない。というようなこともいっていた。

嶋弁護士には丁寧でわかりやすい解説と問題点や本質を述べていただいたこと、質疑では丁寧に応えていただいたことに感謝します。ありがとうございました。
勝手連・滋賀や労働組合つぶしの大弾圧を許さない実行委員会・大阪のみなさんをはじめとした全国の支援者のみなさん、裁判の傍聴支援をありがとうございます。今後もご支援ご協力をお願いします。

関西生コン事件ニュース No.10 PDF

「労働組合つぶしの大弾圧を許さない実行委員会」への賛同の呼びかけ
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内容紹介
レイシスト(差別主義者)を使って組合破壊をしかける協同組合、ストライキを「威力業務妨害」、職場のコンプライアンス違反の告発を「恐喝」、抗議を「強要」、組合活動を「組織犯罪」、労働組合を「組織犯罪集団」と言い換えて不当逮捕する警察。
いま、まっとうな労働運動に加えられている資本による攻撃と「共謀罪のリハーサル」ともいえる国家権力による弾圧の本質を明らかにする!
お問い合わせは、連帯ユニオンまで TEL:06(6583)5546 FAX:06(6582)6547
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