安保法制を廃止し、立憲主義を回復するための運動を強化しよう

菅政権は、改憲のための国民投票法改正案を国会で成立し、「憲法改悪」を安倍政権から引き継いでいます。安倍政権の憲法破壊は安保法制=戦争法の強行でした。2016年3月施行から5年を経た安保法制は、日本政治に害悪をもたらしています。

「安保法制が発動されかねない」

歴代の政府が違憲としてきた「集団的自衛権の行使」を、安倍政権は閣議決定で「解釈改憲」を容認した安保法制は、アメリカが海外で起こす戦争に自衛隊を動員するためのものです。
4月の日米首脳会談の共同声明では、「台湾問題への対応」が明記されるなど、アメリカ従属の日本がアメリカの対中強硬路線に組み込まれ、安保法制が発動されかねないという危険が出てきました。
韓国は朝鮮民主主義人民共和国(共和国)の脅威に面していますが、朝鮮半島統一を求めながら、中国との経済関係も大事にし、米韓同盟も維持するなど、アメリカ一辺倒ではなく国益に基づき自らで判断しています。共和国とアメリカとの首脳会談を仲介したことに見られるように。ところが日本はアメリカ一辺倒なのです。

「軍事的な害悪だけではない」

2015年、安保法案は野党の反対を押し切り、「かまくら採決※」といわれる与党議員が特別委員長を取り囲むようにして採決を強行しました。これは、アメリカのために憲法も国会も無視するという、憲法に基づく政治=立憲主義を破壊するものでした。このように安保法制は、軍事的な害悪だけではなく、政治の在り方もおかしくしています。
※「自民党かまくら採決」=委員会メンバーではない自民党議員と自民党秘書が、最初になだれ込んできて、スクラムを組んで無理やり採決を強行した。

「主権在民を無視」

この強行採決で安保法を成立させた以降、安倍政権のタガが外れ、憲法と国会無視の政治は加速しました。野党が国会の開会を要求しても、繰り返し拒否しています。憲法53条は「衆院いずれかの総議員の4分の1以上の要求があれば臨時国会を招集しなければならない」と定めているのに、この規定の基づき野党が国会開会を要求しても政府が応じないのは、憲法も国会も無視する政治の典型です。
憲法で国会は「国権の最高機関」とされているのは、選挙で選ばれた議員によって国会がつくられているからです。国会無視は主権在民の無視と同じです。

「世襲議員に人の痛みはわからない」

現在の自民党を牛耳る、安倍晋三氏や麻生太郎氏などは、もともと国民の命や暮らしに関心がありません。新型コロナ対策の無為無策に見られるように、国民の命と暮らしに関心がないからです。
自民党の世襲議員は3~4世の時代に入っており、彼らの関心は、特権階級としての自らの利権を守ることです。世襲議員に人の痛みはわかりません。
菅首相は世襲議員ではありませんが、長男が勤務する会社の総務省接待に見られように、これから世襲による特権階級入りを目指しており、結局は同じです。
安倍氏や菅首相らは、国民への説明責任と義務を果たしていません。森友・加計・桜を見る会などの問題について、国会でどんなに追及されても説明責任を果たそうとしない政権側の姿を見れば明らかです。

「安保法制を廃止し、立憲主義を回復するための運動を強化しよう」

野党を分断しさえすれば選挙には負けず、政権を脅かされることはないというのが安倍・菅政権の発想です。
しかし、4月25日に投開票された三つの補選・再選挙で野党統一候補が勝利したことで、政権側は驚愕したはずです。市民と立憲野党が、共闘に向けた努力を積み重ねてきた結果、立憲野党が安倍・菅政権に代わる選択肢として有権者に受け取られるようになってきた今回の選挙結果が、そのことを示しています。
私たち労働組合には、「安保法制の廃止」と「立憲主義を回復する」ための運動を強化することが求められています。街頭宣伝など具体的な行動を展開して、来る衆院選に備えましょう。

「労働組合つぶしの大弾圧を許さない実行委員会」への賛同の呼びかけ PDF

ハーバービジネスオンライン
「関生事件」が揺るがす労働基本権
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挑戦を受ける労働基本権保障――一審判決(大阪・京都)にみる産業別労働運動の無知・無理解 (検証・関西生コン事件1)(日本語) 単行本 – 2021/4/20

業者団体と警察・検察が一体となった組合弾圧=「関西生コン事件」がはじまって4年。
労働法研究者、自治体議員、弁護士の抗議声明が出され、労働委員会があいついで組合勝利の救済命令を下す一方、裁判所は産業別労働組合への無知・無理解から不当判決を出している。
あらためて「関西生コン事件」の本質、不当判決の問題点を明らかにする!
連帯ユニオン(著)、小谷野 毅(著)、熊沢 誠(著)、& 2 その他
発行・旬報社、定価800円+税

「関西生コン事件」がはじまってから4年目となります。
関生支部(全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部)を標的として、大阪広域生コンクリート協同組合(大阪広域協組)が日々雇用組合員の就労拒否(400人以上)、正社員組合員の解雇、業界あげての団交拒否を開始したのが2018年1月。このあからさまな不当労働行為の尻馬に乗って、滋賀県警が半年後の2017年7~8月にかけて組合員と生コン業者ら10人を恐喝未遂容疑で逮捕しました。その後、大阪、京都、和歌山の三府県警が、2019年11月にかけて、じつに11の刑事事件を仕立てあげ、のべ89人もの組合員と事業者を逮捕。数え上げるとじつに計18回も逮捕劇がくりかえされ、のべ71人が起訴される事態に発展しました。いずれも、ストライキやビラまき、建設現場の法令違反を調査、申告するなどして公正な取引環境を実現するためのコンプライアンス活動、破産・倒産に対して雇用確保を求める工場占拠闘争など、あたりまえの労働組合活動が、恐喝未遂、恐喝、強要未遂、威力業務妨害といった刑事事件とされたものです。
業者団体と警察・検察が表裏一体となった組合弾圧、それが「関西生コン事件」です。
これに対し、歴代の労働法学会代表理事経験者を多数ふくむ78人の労働法学者が2019年12月、憲法28条の労働基本権保障や労働組合法の刑事免責を蹂躙する警察・検察、そしてそれを追認する裁判所を批判して「組合活動に対する信じがたい刑事弾圧を見過ごすことはできない」とする声明を公表しました。全国各地の120人超の自治体議員の抗議声明、弁護士130人の抗議声明なども出されます。また、自治労、日教組などの労働組合や市民団体がつくる平和フォーラムが母体となって「関西生コンを支援する会」が結成されたのをはじめ、各地で支援組織が2019~20年にかけてあいつぎ結成されます。「関西生コン事件」は関生支部だけの問題ではない、労働組合の権利そのものを脅かす事態だという認識が広がっています。
さらに、冒頭に述べた一連の解雇、就労拒否、団交拒否に対抗すべく関生支部が申し立てた20件近い不当労働行為事件において、大阪府労働委員会が2019年秋以降、あいつぎ組合勝利の救済命令を下しています。その数は命令・決定12件のうち10件(2021年4月現在。大半が中央労働委員会に再審査事件として係属)。団結権侵害を主導した大阪広域協組の責任が明確になってきました。
一方、11件の刑事事件はその後、各事件の分離、併合の結果、大阪、京都、和歌山、大津の四地裁において8つの裁判に整理され、審理がすすめられ、現在までに、大阪ストライキ二次事件(2020年10月)、加茂生コン第一事件(同年12月)、大阪ストライキ一次事件(2021年3月)の3つの一審判決が出されています。
これら判決は、労働委員会事件で出された勝利命令とは対照的に、いずれも労働組合運動に対する浅薄な理解と認識をもとに、大阪広域協組の約束違反や企業の不当労働行為を免罪する一方で、産業別労働組合としての関生支部の正当な活動を敵視するものとなっています。
そこで、この機会に、あらためて「関西生コン事件」とはなにか、また、これら不当判決の問題点はなにかを、労働組合運動にたずさわる活動家のみなさまをはじめ、弁護士、研究者、ジャーナリストのみなさまに一緒に考えていただくために、裁判や労働委員会に提出された研究者の鑑定意見書などを収録した『検証・「関西生コン事件」』を随時発刊することにしました。
控訴審において無罪判決を勝ち取るために努力するのはもちろんのことですが、不当判決を反面教師として、先達が築いてきた労働運動の諸権利を学び直し、新たな運動を創造していくことが私たちに求められていると考えます。本書がその手がかりとして活用されることを願ってやみません。
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なぜ、いま戦後最大規模の刑事弾圧が労働組合に加えられているのか!?
641日勾留された武委員長が語る

「関西生コン事件」で逮捕された武建一委員長は今年5月29日、641日ぶりに保釈された。その1ヵ月後に収録されたロングインタビューをまとめた本が昨年12月10日発刊された。
・一連の事件は、なぜ起きたのか?
・関生支部とはどのような労働組合なのか?
・武建一という人物はいったい何者なのか?
そんな疑問に事実をもって答える1冊。ぜひ、お読みください。『武建一が語る 大資本はなぜ私たちを恐れるのか
発行・旬報社、四六判218ページ、定価1500円+税
*全日建(全日本建設運輸連帯労働組合)にお申し込みいただければ頒価1500円(送料込み)でお届けします。多部数の場合はお問い合わせください。
お問い合わせ03-5820-0868
【目 次】
第1章 刑事弾圧
641日にもおよんだ勾留生活/なぜ私は逮捕されたのか/協同組合の変質/労組破壊に参加したレイシスト
第2章 「タコ部屋」の過酷労働
私の生い立ち/「練り屋」と呼ばれて/労働運動に目覚める/関生支部の誕生/初めての解雇
第3章 闘いの軌跡
万博不況とオイルショック/ヤクザと生コン/経済界が恐れる産業別労働運動
第4章 大同団結
安値乱売で「がけっぷち」/大阪広域協組の誕生/シャブコン/2005年の弾圧事件/ゼネスト決行/目指すべき場所
解題・安田浩一(ジャーナリスト)
皆様には御元気で御活躍のことと存じます。
この間、全国の多くの皆様より私たち関生支部に対する国家権力と大阪広域生コンクリート協同組合、差別排外主義者集団が一体となった攻撃をはね返す闘いに、多大な御支援をいただきまして誠にありがとうございます。
このたび、著書『大資本はなぜ私たちを恐れるのか』を昨年12月10日に発行する運びとなりました。
今日まで、私は、会社の雇ったヤクザに5回以上殺されかけたり、刑事事件をでっち上げられ前科5犯にさせられています。
1980年代には日経連の大槻文平会長(当時)から「関生型運動は資本主義の根幹に触れる」と言われ、国家権力とマスコミからは「生コンのドン」「金を企業からむしり取る」などとして「反社会的勢力」とレッテルを貼られています。
それはなぜか。歴史と今日を振り返り、事実を元に書かせていただいています。
是非、一読下さい。
心より愛をこめて
武 建一

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