軍国主義を目指す、菅政権を打倒しよう

広島市内にある「旧陸軍被服支廠」は、最大級の被曝建物です。広島県が管理する3棟のうち1棟のみを保存する案が2019年に示されたことから、被爆者団体や多くの市民による全棟保存の運動が高まっています。

「体験を語ることで、戦争や核兵器使用のブレーキになれば」

戦中、戦後の広島を生き抜いた切明千枝子さんは、「核兵器禁止条約が1月22日に発効しましたね。本当にうれしいことです。私が被爆したのは15歳の時、旧制高等女学校の4年生でした。病院へ行く途中、比治山橋のたもとでいきなり目のくらむほどの閃光と爆風で建物の下敷きになり、全身打撲とガラス傷を受けました。体験を語ることで、少しでも戦争や核兵器使用のブレーキになれば、生き延びた甲斐があったと思います」。
「私は、旧陸軍の被服支廠のすぐ近く、皆実町で生まれ育ちました。被服支廠というのは軍服や軍靴を製造・保管していた大きな施設です。母が被服支廠で働いていたので、私はのその中の幼稚園に通っていました」と話します。

「広島は陸軍によって発展した街、加害の街だった」

また切明さんは、「広島は戦前、広島城を中心とした基町地域一帯に陸軍の軍隊が駐屯し、宇品港が兵士や物資を中国大陸や南方戦線へ送る最前線となっていました。市内には、軍隊を支える兵器支廠、被服支廠、食糧などを調達する糧秣支廠の陸軍三廠と呼ばれる大きな施設があり、何千人もの人々が働いていました。広島は陸軍によって発展した街、加害の街だったのです。また、軍隊の街には遊郭がつきもので、西と東には大きな遊郭がありました。中国人や朝鮮人に対する差別もひどかったですね」。
「私が小学校2年(1937年)の時に日中戦争が始まると、先生に引率されて、毎日のように「万歳、万歳」と日の丸の小旗を振って兵隊さんたちを見送りに行っていました」。
「戦争末期になると、私たち女学生も派遣社員のように動員され、三廠すべてに手伝いに行かされました。古い軍服を洗って繕ったり、爆薬を天秤で測ったり」と語ります。

「昔の軍国主義みたいな気配を感じる」

さらに切明さんは、「1945年5月6日のことは忘れることはできません。『痛いよー、熱いよー』とうめきながら次々と死んでいった下級生たちを校庭で火葬にし、泣きながら骨を拾いました。祖母が頭に大きなけがをして担ぎ込まれていたのが、被服支廠でした。多くの建物が爆風と熱線で倒れ、焼けましたが、鉄筋コンクリートとレンガ造りの被服支廠の倉庫は、原爆でも倒れなかった。被爆直後は臨時救護所となり、多くの人がここで苦しみ、亡くなっていったのです」。
「私ね、軍部だった広島、加害の歴史を抜きにして被害を伝えるのは違うと思うんです。あの赤レンガ倉庫は、広島の加害の歴史も被害の歴史も伝える貴重な建物、『物言わぬ証人』です。絶対に残して、次の世代に伝えて欲しいですよね」と訴えたあと、「菅さんが総理大臣になって、日本学術会議のように、気に入らない人は排除するなど昔の軍国主義みたいな気配を感じます。平和はじっと待っていても来てくれません。必死でたぐり寄せて、みんなで守っていきましょう」と呼びかけました。

「軍国主義を目指す、菅政権を打倒しよう」

私たち労働組合には、切明さんの「菅さんが総理大臣になって、日本学術会議のように、気に入らない人は排除するなど昔の軍国主義みたいな気配を感じます」という言葉を重く受けとめて運動することが求められています。
切明千枝子さんや被爆者団体、反戦平和を訴える広島市民と連帯して行動し、戦争する国づくりを目指している菅政権を打倒しましょう。

※被爆者・切明千枝子(きりあけちえこ)さん(1929年生まれ)の広島県原爆被害者団体協議会「被爆を語り継ぐ会」を参照しました。

「労働組合つぶしの大弾圧を許さない実行委員会」への賛同の呼びかけ PDF

ハーバービジネスオンライン
「関生事件」が揺るがす労働基本権
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挑戦を受ける労働基本権保障――一審判決(大阪・京都)にみる産業別労働運動の無知・無理解 (検証・関西生コン事件1)(日本語) 単行本 – 2021/4/20

業者団体と警察・検察が一体となった組合弾圧=「関西生コン事件」がはじまって4年。
労働法研究者、自治体議員、弁護士の抗議声明が出され、労働委員会があいついで組合勝利の救済命令を下す一方、裁判所は産業別労働組合への無知・無理解から不当判決を出している。
あらためて「関西生コン事件」の本質、不当判決の問題点を明らかにする!
連帯ユニオン(著)、小谷野 毅(著)、熊沢 誠(著)、& 2 その他
発行・旬報社、定価800円+税

「関西生コン事件」がはじまってから4年目となります。
関生支部(全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部)を標的として、大阪広域生コンクリート協同組合(大阪広域協組)が日々雇用組合員の就労拒否(400人以上)、正社員組合員の解雇、業界あげての団交拒否を開始したのが2018年1月。このあからさまな不当労働行為の尻馬に乗って、滋賀県警が半年後の2017年7~8月にかけて組合員と生コン業者ら10人を恐喝未遂容疑で逮捕しました。その後、大阪、京都、和歌山の三府県警が、2019年11月にかけて、じつに11の刑事事件を仕立てあげ、のべ89人もの組合員と事業者を逮捕。数え上げるとじつに計18回も逮捕劇がくりかえされ、のべ71人が起訴される事態に発展しました。いずれも、ストライキやビラまき、建設現場の法令違反を調査、申告するなどして公正な取引環境を実現するためのコンプライアンス活動、破産・倒産に対して雇用確保を求める工場占拠闘争など、あたりまえの労働組合活動が、恐喝未遂、恐喝、強要未遂、威力業務妨害といった刑事事件とされたものです。
業者団体と警察・検察が表裏一体となった組合弾圧、それが「関西生コン事件」です。
これに対し、歴代の労働法学会代表理事経験者を多数ふくむ78人の労働法学者が2019年12月、憲法28条の労働基本権保障や労働組合法の刑事免責を蹂躙する警察・検察、そしてそれを追認する裁判所を批判して「組合活動に対する信じがたい刑事弾圧を見過ごすことはできない」とする声明を公表しました。全国各地の120人超の自治体議員の抗議声明、弁護士130人の抗議声明なども出されます。また、自治労、日教組などの労働組合や市民団体がつくる平和フォーラムが母体となって「関西生コンを支援する会」が結成されたのをはじめ、各地で支援組織が2019~20年にかけてあいつぎ結成されます。「関西生コン事件」は関生支部だけの問題ではない、労働組合の権利そのものを脅かす事態だという認識が広がっています。
さらに、冒頭に述べた一連の解雇、就労拒否、団交拒否に対抗すべく関生支部が申し立てた20件近い不当労働行為事件において、大阪府労働委員会が2019年秋以降、あいつぎ組合勝利の救済命令を下しています。その数は命令・決定12件のうち10件(2021年4月現在。大半が中央労働委員会に再審査事件として係属)。団結権侵害を主導した大阪広域協組の責任が明確になってきました。
一方、11件の刑事事件はその後、各事件の分離、併合の結果、大阪、京都、和歌山、大津の四地裁において8つの裁判に整理され、審理がすすめられ、現在までに、大阪ストライキ二次事件(2020年10月)、加茂生コン第一事件(同年12月)、大阪ストライキ一次事件(2021年3月)の3つの一審判決が出されています。
これら判決は、労働委員会事件で出された勝利命令とは対照的に、いずれも労働組合運動に対する浅薄な理解と認識をもとに、大阪広域協組の約束違反や企業の不当労働行為を免罪する一方で、産業別労働組合としての関生支部の正当な活動を敵視するものとなっています。
そこで、この機会に、あらためて「関西生コン事件」とはなにか、また、これら不当判決の問題点はなにかを、労働組合運動にたずさわる活動家のみなさまをはじめ、弁護士、研究者、ジャーナリストのみなさまに一緒に考えていただくために、裁判や労働委員会に提出された研究者の鑑定意見書などを収録した『検証・「関西生コン事件」』を随時発刊することにしました。
控訴審において無罪判決を勝ち取るために努力するのはもちろんのことですが、不当判決を反面教師として、先達が築いてきた労働運動の諸権利を学び直し、新たな運動を創造していくことが私たちに求められていると考えます。本書がその手がかりとして活用されることを願ってやみません。
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なぜ、いま戦後最大規模の刑事弾圧が労働組合に加えられているのか!?
641日勾留された武委員長が語る

「関西生コン事件」で逮捕された武建一委員長は今年5月29日、641日ぶりに保釈された。その1ヵ月後に収録されたロングインタビューをまとめた本が昨年12月10日発刊された。
・一連の事件は、なぜ起きたのか?
・関生支部とはどのような労働組合なのか?
・武建一という人物はいったい何者なのか?
そんな疑問に事実をもって答える1冊。ぜひ、お読みください。『武建一が語る 大資本はなぜ私たちを恐れるのか
発行・旬報社、四六判218ページ、定価1500円+税
*全日建(全日本建設運輸連帯労働組合)にお申し込みいただければ頒価1500円(送料込み)でお届けします。多部数の場合はお問い合わせください。
お問い合わせ03-5820-0868
【目 次】
第1章 刑事弾圧
641日にもおよんだ勾留生活/なぜ私は逮捕されたのか/協同組合の変質/労組破壊に参加したレイシスト
第2章 「タコ部屋」の過酷労働
私の生い立ち/「練り屋」と呼ばれて/労働運動に目覚める/関生支部の誕生/初めての解雇
第3章 闘いの軌跡
万博不況とオイルショック/ヤクザと生コン/経済界が恐れる産業別労働運動
第4章 大同団結
安値乱売で「がけっぷち」/大阪広域協組の誕生/シャブコン/2005年の弾圧事件/ゼネスト決行/目指すべき場所
解題・安田浩一(ジャーナリスト)
皆様には御元気で御活躍のことと存じます。
この間、全国の多くの皆様より私たち関生支部に対する国家権力と大阪広域生コンクリート協同組合、差別排外主義者集団が一体となった攻撃をはね返す闘いに、多大な御支援をいただきまして誠にありがとうございます。
このたび、著書『大資本はなぜ私たちを恐れるのか』を昨年12月10日に発行する運びとなりました。
今日まで、私は、会社の雇ったヤクザに5回以上殺されかけたり、刑事事件をでっち上げられ前科5犯にさせられています。
1980年代には日経連の大槻文平会長(当時)から「関生型運動は資本主義の根幹に触れる」と言われ、国家権力とマスコミからは「生コンのドン」「金を企業からむしり取る」などとして「反社会的勢力」とレッテルを貼られています。
それはなぜか。歴史と今日を振り返り、事実を元に書かせていただいています。
是非、一読下さい。
心より愛をこめて
武 建一

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