関生支部など労組連合会。ゼネラルストライキで生コン輸送、バラセメント輸送の運賃引き上げの流れをつくる。業界再建=生コン価格引き上げの成果が、末端の中小企業へと還元される可能性ができた。
それは関生支部と業界の関係各所との信頼関係がもたらした大きな成果。そこには威力業務妨害などは存在していなかった。

ゼネラルストライキで近畿一円に生コン輸送、バラセメント輸送運賃引き上げの流れ

関西生コン関連労組連合会(労組連合会)のゼネラルストライキによって12月13日、大阪兵庫生コン経営者会が生コン輸送(大型車1台あたり)運賃の日額5万5千円への引き上げ、バラセメント輸送運賃のトン当たり510円の引き上げ、業界民主化の提言である「6項目提言」の実現など5つの合意事項の協定書が締結され、同月14日から生コン輸送についてはゼネスト解除となりました。
なお、昨年12月27日に突如、労組連合会を離脱した建交労関西支部や交通労連生コン産業労働組合など近畿生コン関連協議会構成労組は、生コン・バラセメント輸送運賃引き上げ要求や6項目提言などの要求ついて統一要求とすることに同意していました。昨年12月9日の労組連合会の運営会議では、「同月12日からのゼネラルストライキについて妨害しない」と言明し、労組間合意していたのです。近畿生コン関連協議会の関生支部批判は、労組間の同意や約束を覆す自己矛盾の主張だったのです。
※「6項目提言」については、本サイト「広域協組+差別排外主義者による“関生支部つぶし”の策動。その背景と真因。」ページ参照

■ 大阪兵庫生コン経営者会との協定書

京都や滋賀、奈良、和歌山の各地区の生コン協同組合などとの間でも13日から14日にかけてバラセメント輸送運賃をトン当たり510円、生コン輸送運賃(大型1台あたり)日額5万5千円への引き上げなどの合意が結ばれていきました。同月16日には、近畿バラセメント協同組合との間でも「ストライキにより、滋賀、京都、奈良、和歌山、大阪兵庫生コン経営者会がバラ輸送運賃・生コン輸送運賃を引き上げたことは労使共同による大きな成果とする」という確認事項など数項目に及ぶ事項の合意書が締結され、同月16日の午前8時、ゼネラルストライキは全面的に停止となったのです。

■ 近畿バラセメント協同組合との合意書

威力業務妨害などは存在しなかった。業界と関生支部との信頼関係が、短期間の勝負で大きな成果をもたらした

今回のゼネラルストライキについては、一年以上もの間、労組間の調整や労使間の協議を重ね、業界側からの支持なども取り付けたうえで行われたものです。その様態についても組合員自身の罷業(業務・作業をしないこと)を基本に、オルグ・説得活動や道路交通法違反などを指摘するコンプライアンス活動の範囲で行われていました。そこには威力業務妨害などは存在していなかったのです。
業界の関係各所との事前の調整や協議の結果、速やかに経営者会関係や各地域の業界団体との合意・解決が図られ、出荷についてもさほど混乱もなく行われていました。それは関生支部がもつ調整能力や過去から紡いできた各地域の生コン業界との信頼関係が持たらした成果であったともいえます。

まるで大阪広域協組4人組の下請けのごとく、ゼネラルストライキを威力業務妨害、組織犯罪と批判する建交労関西支部と生コン産労。それは憲法28条の精神を否定するもの。労働組合の魂を資本に売り渡す愚行である

近畿生コン関連協議会は、連日にわたり大阪広域協組4人組の主張を代弁し、下請けのごとく関生支部批判を繰り広げています。それは、正当なストライキ活動に威力業務妨害のレッテルを張るもの。憲法28条で保証された団体行動権行使を「組織犯罪」と位置づけ、労働組合そのものを否定するものです。
そもそも団体行動権とは憲法28条で保証されている労働組合の固有の権利。団結権や団体交渉権などとあわせて労働基本権や労働三権とも呼ばれています。
団体行動権とは、労働者が労働条件の維持・改善をはかるために行うストライキなどを認める権利で、刑事責任や民事責任の免除、不利益取扱いの禁止等の法的保護などもあわせて与えられています。憲法28条により労働者は、圧力的手段に訴えて経済的優位に立つ使用者に要求をのませることができるのです。2004年には、プロ野球選手の労働組合がストライキをし、日本野球機構に要求を認めさせたこともあります。
団体行動権の内容については、ストライキや示威行動などの圧力行為、いわゆる争議行為だけでなく、オルグ活動、説得活動、ビラ貼り、ビラ配布、集会、演説等の情宣活動など広範で、幅広い諸活動の権利、すなわち組合活動権についても包括して保証するものです。
建交労関西支部や交通労連生コン産業労働組合など近畿生コン関連協議会の関生支部批判の活動は、全労働組合の諸権利に対する冒涜であり、「天に向かって唾を吐く」がごとくの愚行だったのです。

※「-人の死までも関生叩きに利用する倒錯的な野合の実態 第八回 -」へ続く