光榮・昌榮産業闘争、背景資本への宣伝活動

 不当労働行為企業と労働委員会から認定された「光榮・昌榮産業社」を周知するため、連帯ユニオン関西地区生コン支部・兵庫ブロックは12月16日、北区中之島のオフィス街で「光榮・昌榮産業社の不当労働行為を労働委員会が認定」などを掲げた情宣活動を展開しました。

「背景資本への宣伝活動」

北区中之島のオフィス街に所在するセメントメーカー「トクヤマセメント」に対して、「光榮・昌榮産業社」の労働組合法違反(不当労働行為)を背景資本に追及する宣伝活動を展開しました。
トクヤマセメントが入居している中之島セントラルタワー前の歩行者道路では、ナニワ生コン分会長が右手にマイクを握り、左手に組合旗を掲げ、光榮・昌榮産業社が労働組合法に違反している不当労働行為の事実や、大阪府労働委員会から労働組合法に違反している「不当労働行為企業」に認定され、救済命令が出されたのに、その命令を履行しない態度に終始していること、大阪広域生コン協組の組合つぶしが背景にあること、大手セメントメーカーとしての社会的責任を果たし光榮・昌榮産業社に適切な指導を行え、などを整然と訴えました。横断幕を掲げた歩行者道路では、大阪Aブロック組合員と武谷書記次長が、通行中の会社員らにビラを配布しました。

「60歳代の男性『うるさいなぁ』とつぶやき、女性は笑顔で激励を」

関西地区生コン支部・機関紙部が作成してくれた「光榮・昌榮産業闘争ニュース」ビラは、寒い中、中之島セントラルタワー前を通行する会社員らは快く受け取ってくれました。
60歳代の男性は、「うるさいなぁ」とつぶやきながら、耳に指をいれていました。もちろんビラは受け取りません。
ビラを受け取った女性の会社員が、「ご苦労様です。頑張ってください」と笑顔で激励してくれたのが印象的でした。

「『加茂生コン事件』無罪判決の報告」

光榮・昌榮産業社の不当労働行為認定に加えて、12月13日に開かれた「加茂生コン事件」の控訴審(高裁)判決で逆転無罪の判決を勝ち取ったことを報告する宣伝も行いました。ナニワ生コン分会長と武谷書記次長のマイクでの報告に、立ち止まって聴き入る会社員の姿が見られました。
午前9時30分ころから約1時間の行動でしたが、ナニワ生コン分会長の訴えに、中之島セントラルタワー前を行き交う会社員や市民らに多いにアピールすることができました。ビラは、29枚(無罪判決のビラとセット)の配布でした。引き続き、背景資本への責任追及の行動を展開します。

光榮・昌榮産業闘争とは
「光榮・昌榮産業社は不当労働行為企業と認定された」
神戸市北区にある、光榮・昌榮産業社が、連帯・関生支部の組合員を不当に雇い止めした事件について、大阪府労働委員会は2020(令和2)年6月16日、「光榮・昌榮産業社」に対して、労働組合法違反の「不当労働行為企業」と認定しました。さらに、大阪府労働委員会は「光榮・昌榮産業社」に対して、「労働組合法違反の不当労働行為に該当し、今後このような行為を二度と繰り返さないようにいたします」と記した文書を速やかに労働組合に提出しなければならい、との命令を出したのです。

「大阪広域生コン協組の労働組合つぶしが背景にある」

ところが、光榮・昌榮産業社の経営陣は、現在においても、大阪府労働委員会の命令を履行しない態度をとり続けています。
兵庫県に所在する生コン企業の100%近くが加盟する「大阪広域生コンクリート協同組合(大阪広域生コン協組)」が、2018年から始めた「労働組合つぶし」が背景にあります。
光榮・昌榮産業社と連帯・関生支部は、長年、円満な労使関係を築いており、労使が協力して展開する「生コン産業政策運動」を推進し、生コン価格や輸送運賃の適正化が実現したときには、労働組合が要求している「非正規の正規化など労働条件の改善」を約束していた企業でした。
ところが、大阪広域生コン協組の執行部から「労働組合つぶし」の協力を強くもとめられ、圧力をかけられた光榮・昌榮産業社の経営陣は、連帯・関生支部の組合員を雇い止めにしたのです。
しかし、大阪広域生コン協組の労働組合つぶしが背景にあるとしても、大阪府労働委員会から不当労働行為が認定され、命令が出されたことについて、真摯に受けとめ、速やかに命令を履行することが、光榮・昌榮産業社の経営陣が「法律を遵守」し、「社会的な責任を果たす」ということなのです。

「府労委の命令は有効であり、光榮・昌榮産業社は『命令履行』義務がある」

大阪広域生コン協組の圧力もあり、光榮・昌榮産業社は、中央労働委員会に再審査申立をおこなっていますが、大阪府労働委員会の命令は有効であり、「命令履行」義務があるのです。

「労働組合つぶしの大弾圧を許さない実行委員会」への賛同の呼びかけ PDF

デモクラシータイムス 〈 2022.01.11 〉
池田香代子の世界を変える100人の働き人60人目
労働運動を〈犯罪〉にする国「連帯ユニオン関西地区生コン支部」事件
ゲスト:竹信三恵子さん(ジャーナリスト・和光大学名誉教授)
 ココをクリック
関西生コン事件ニュースNo.65 ココをクリック

賃金破壊――労働運動を「犯罪」にする国 竹信三恵子(著)– 2021/11/1 旬報社 1,650円(税込み)

1997年以降、賃金が下がり続けている先進国は日本だけ。
そんななか、連帯ユニオン関西地区生コン支部は、賃上げも、残業規制も、シングルマザーの経済的自立という「女性活躍」も実現した。
業界の組合つぶし、そこへヘイト集団も加わり、そして警察が弾圧に乗り出した。
なぜいま、憲法や労働組合法を無視した組合つぶしが行なわれているのか。
迫真のルポでその真実を明らかにする。

目次 : プロローグ
第1章 「賃金が上がらない国」の底で
第2章 労働運動が「犯罪」になった日
第3章 ヘイトの次に警察が来た
第4章 労働分野の解釈改憲
第5章 経営側は何を恐れたのか
第6章 影の主役としてのメディア
第7章 労働者が国を訴えた日
エピローグ

【著者紹介】
竹信三恵子 : ジャーナリスト・和光大学名誉教授。東京生まれ。1976年東京大学文学部社会学科卒、朝日新聞社入社、経済部、シンガポール特派員、学芸部次長、編集委員兼論説委員(労働担当)、2011‐2019年和光大学現代人間学部教授。著書に『ルポ雇用劣化不況』(岩波新書、日本労働ペンクラブ賞)など。貧困や雇用劣化、非正規労働者問題についての先駆的な報道活動に対し、2009年貧困ジャーナリズム大賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

amazonで購入できます。 ココをクリック