またもや裁判沙汰を抱えた大阪広域協組。今回は組合員企業の㈱ワールド(藤中昌則代表取締役)が被告となった。
人呼んで「守銭奴」。不当に輸送会社との契約を打ち切った㈱ワールドの代表取締役の藤中昌則は、遵法精神が希薄な人物。金のためなら恥も外聞もない。
いま、排外主義を主張し外国人差別を煽るレイシスト集団を使いユニオン攻撃をする大阪広協組と、それに追随する藤中昌則に司法の手が及ぶ。

またもや裁判沙汰を抱えた大阪広域協組。今回は組合員企業が被告に

 本年4月16日、またもや大阪広域生コンクリート協同組合(大阪広域協組)に対する闘いの火の手が上がりました。大阪広域協組の組合員企業の㈱ワールド(大阪府茨木市)から不当に輸送契約を打ち切られた生コン輸送会社の㈱コーイキリース(コーイキリース社)が、同社を相手どり仮処分命令申立を大阪地方裁判所に提起したのです。
 ㈱ワールド(ワールド社)は、2003年10月から生コンクリートの全量の運送をコーイキリース社に委託し、それ以降、契約を自動更新してきました。しかしながら、ワールド社は、2018年3月末に、突如として、ワールド社を契約当事者から外し、全量輸送を内容としない契約書への署名をコーイキリース社に対して強要しようとし、コーイキリース社がこれを拒むと、突然かつ一方的に、本件契約を反故にし、4月からの発注を止めたのです。
 この輸送契約の不当な打ち切りで、コーイキリース社の経営には深刻な打撃が加わり、従業員の雇用や生活を破壊します。ワールド社の身勝手な契約打ち切りは法律に反するだけなく、社会の倫理規範にも反する反社会的な行動です。
 この輸送契約については、1987年から続いている安威川社と関西地区生コン支部(関生支部)との労働争議で雇用を失った組合員の雇用を確保するという約束から締結されたもので、一方的な契約打ち切りは関生支部の団結権を侵害するものでもあります。
 今回の輸送契約を一方的打ち切ったという問題については二つの側面がありました。ひとつは、不当に契約を打ち切ったというワールド社の代表取締役の藤中昌則の遵法精神の希薄さという個人の問題という側面。そしてもうひとつは、大阪広域協組の関生支部つぶしのためなら法律違反でもどんな卑怯な手も厭わないという汚いやり方にワールド社の代表取締役、藤中昌則が屈服したという側面です。


     ▲ ㈱ワールド 藤中昌則代表取締役

大阪広域協組4人組の法を無視した卑怯な手

 大阪広域協組は、関生支部の労組員が働いている組合員企業や労組員がはたらく輸送企業を使用する組合員企業に出荷の割付け(仕事の割り振り)を差別したり、不当に協同組合から除名したりしています。関生支部の労組員が働いている輸送会社との取引を控えるよう通知なども出しています。これは協同組合の事業活動の根幹をなす相互扶助の精神を踏みにじる行為です。これらは、中小企業等協同組合法や独占禁止法などに反する不当なものです。
 それだけではありません。大阪広域協組は、排外主義を主張し外国人差別を煽るヘイトスピーチやデモを主導してきたレイシスト集団を使って連帯ユニオン攻撃しているのです。ヘイトスピーチ解消法(解消法)が成立している今、ヘイトスピーチが社会にとっての害悪であることは広く認識されています。大阪広域協組の行動は解消法の理念に反する行為で、協同組合の理念も目的も無視した反社会的なものです。本年5月1日には、31名の著名なジャーナリストらが「レイシスト集団の跳梁跋扈に、そこに肩入れする広域協に、強く抗議します」との共同表明をだされるなど社会問題となっています。
※「レイシスト集団を利用する大阪広域生コン協組に抗議する共同声明」については、「著名なジャーナリストらが共同声明 「レイシスト集団を利用する大阪広域生コン協組に抗議する」を参照

ナニワグループの代表「藤中昌則」。守銭奴と呼ぶにふさわしい人物

 今回、コーイキリース社との輸送契約を一方的に打ち切った藤中昌則という人物は、ワールド社をはじめとするナニワ生コン㈱(大阪府茨木)や同社尼崎工場(兵庫県尼崎)など3つの生コン工場、バラセメントや生コンクリート、骨材販売(山砂・海砂・砕砂等)などを営む㈱大阪誠建(大阪府茨木市)、骨材・バラセメント輸送やミキサー庸車事業などを営む㈱大阪誠建(大阪市)などの企業の代表取締役に就任し、それら企業群を「ナニワグループ」と呼称し「グループ年商100億円」と豪語しています。
 しかし、その素顔は「守銭奴」と呼ばれるにふさわしい人間で、金のためなら体面など気せず恥も外聞もかなぐり捨てて行動します。銭儲けのためなら何をやってもいいという意識のモラルハザードの人物なのです。
 昨年12月には、連帯労組など関西生コン関連労働組合連合会のセメント輸送や生コン輸送運賃引き上げのためのゼネラルストライキを商機ととらえ、自身が会長を務めていた大阪兵庫生コン経営者会の名前を悪用して暴利を貪る企をしました。今年の1月には保身のために、すでに辞任していた大阪兵庫生コン経営者会の会長名義の書面を無断作成するという私文書偽造にも手を染めています。2005年には、関生支部が波状的に権力弾圧に晒された際、卑怯にも関生支部の名を使って売り上げを大きく伸ばし、現在のナニワグループの基礎を築いたといわれています。

大阪広域協組。自身の無法な振る舞いで、多数の訴訟を抱える羽目になる見込み

 今回、コーイキリース社との輸送契約打ち切りについても大きく信義を踏み外しています。元々ワールド社については、1987年12月20日、会社による不当なロックアウト攻撃に端を発した安威川生コン闘争で闘う組合員のための雇用の受け皿にするという前提で建てられることが許可された生コン工場でした。そのためワールド社は、自社が製造する生コンクリート全量の運送を委託するという契約をコーイキリース社と結んでいたのです。2016年頃、藤中昌則は、労組員の雇用確保=コーイキリース社との全量輸送の契約など労働組合との約束を引き継ぐという前提で、前の所有者であった山陽興産株式会社(大阪府吹田市)の青山伊左夫社長から約1000万円という破格の安値でワールド社を購入することができたのでした。
 そのような経緯経過を踏みにじり、排外主義を主張し外国人差別を煽るヘイトスピーチやデモを主導してきたレイシスト集団を使う大阪広協組の労働組合つぶしに同調、悪乗りし、4月からコーイキリース社への発注を止めたのです。
 現在、大阪広域協組の不当な行動やそれに悪乗りする者たちの反社会的な行動については、訴訟ごとに発展しています。すでに大阪広域協組は、自身の組合員企業であるティワイケイ高槻生コン社から仮処分訴訟を提起されています。今回、ワールド社を相手取るコーイキリース社の仮処分訴訟で2件目となりました。今後、大阪広域協組は、自身の不当な行動で被害を被った企業や団体から多数の訴訟を提起されるという見込みとなっています。