依存症ケアの裏にある欺瞞 吉村知事が隠す夢洲IRの「猛毒」
吉村洋文知事が喧伝する大阪IR(統合型リゾート)構想は、その表面を「依存症対策のトップランナー」という耳当たりの良い言葉で塗り固められています。しかし、その虚飾を一枚剥ぎ取れば、そこには人間破壊を前提とした収益モデル、市民の財産を蝕む不透明な公金投入、さらに生命を脅かす物理的危機が渾然一体となった、まさに「破滅への片道切符」が姿を現します。吉村知事の言葉を起点に、この計画が内包する致命的な欠陥を、表面的な議論に終始せず、問題の本質を深く考察していきます。
人間破壊を成長戦略と呼ぶ倫理の崩壊
吉村知事は、IR誘致に関する記者会見や議会答弁において、「IRがあるからこそ、これまで潜在化していたギャンブル依存症を掘り起こし、包括的にケアできる」「カジノ収益を財源に、世界最高水準の対策拠点を構築する」という趣旨の発言を繰り返してきました。一見すると、負の側面を正面から受け止める誠実な姿勢に見えるかもしれません。しかし、その論理構造を冷徹に分析すれば、これほどまでに倫理を逸脱した「マッチポンプ」はありません。
本来、行政の役割は、市民が心身ともに健康で安全な生活を送れるよう、依存症の「発生源」を最小限に抑えることにあります。しかし、吉村知事が進める計画は、依存症という深刻な社会病理を意図的に生み出す装置(カジノ)を公認し、そこから得られた「負け金」の一部を治療に充てるというものです。これは、火を放つ者が、自ら売る消火器の性能を自慢しているようなものです。
吉村知事が誇る「(仮称)大阪依存症センター」や「OATIS」といったハコモノやネットワークは、カジノから生み出される不幸な依存症患者の数に対して、果たしてどれだけの防波堤になり得るのでしょうか。カジノ開業によってもたらされる家庭崩壊、多重債務、児童虐待、連鎖する犯罪、そして自死といった社会的コストは、計画されている数億円から数十億円程度の対策予算では到底償えるものではありません。吉村知事は、人々の不幸から吸い上げた金を「教育や福祉に回す」と説きますが、それは人間破壊の代償として得た「汚れた金」に他なりません。依存症ケアをIRの付帯事業として語ること自体、行政が市民の命をギャンブルの「駒」として見なしている裏付けであり、その倫理的欠如は断じて許されるものではありません。
汚染土壌という負の遺産に消える市民の血税
吉村知事はかつて、夢洲を「負の遺産を正の資産に変える」象徴的な場所だと位置づけました。しかし、この「正の資産」という言葉の裏で、現在進行形で行われているのは、特定の事業者に対する過剰な便宜供与と、市民の財産が際限なく吸い込まれる底なしの支出です。
当初、大阪市は「IRに関する土地対策費には公費を投入しない」という原則を掲げていました。しかし、2021年に土壌汚染や液状化のリスクが判明すると、吉村知事はその姿勢を180度転換させました。市は約790億円という天文学的な公費を「土地改良費」として負担することを決定したのです。
吉村知事は「IRは大阪経済のエンジン」だと語りますが、その実態は、カジノ事業者のリスクを市民が肩代わりし、利益だけを事業者が享受する不平等条約です。本来、教育、子育て、防災に投じられるべき血税が、汚染された土壌と巨大資本の利益を維持するために浪費されるこの構造は、もはや行政による背信行為です。
メタンガス問題が突きつける「人命の重み」
吉村知事が進める夢洲IR計画において、最も物理的かつ直接的に市民や観光客の命を脅かしているのが、地中に滞留するメタンガスの存在です。2024年3月の万博会場での爆発事故は、この地が「安全な建設用地」ではないことを証明しました。
吉村知事は事故後、会見で「安全確保は当然、当たり前」と強調しましたが、これはあまりに無責任な暴走です。IR施設は万博のような一時的な会場ではなく、何十年にもわたって数万人が滞留する空間です。吉村知事は「科学的根拠に基づいた対策」を口にしますが、万博での事故は、その予測を上回る事態が現実の夢洲で起きることを示しています。観光客を「爆弾」の上に招き入れ、カジノを楽しませるという構想は、市民の命を担保にした「狂気のギャンブル」に他なりません。
大阪に「毒」はいらない
結局のところ、収容施設が必要なほどの「毒」はいらないのです。
吉村知事は、依存症対策の重要性を説く際に、あえて「施設の充実」を強調します。しかし、「依存症の収容施設を作らなければならないほどのリスク」を予見し、それを前提とした街づくりを進めている時点で、その結論は一つしかありません。そんな危険なものは、最初から大阪にいらないのです。
負けた人々の「負け金」を巻き上げ、その一部で依存症を治療し、残った金で教育を語る。この恥ずべき「不幸の循環」を、吉村知事は「大阪の成長には不可欠なエンジン」と呼び変えています。
吉村知事は、ハコモノとしての施設整備や一時的な賑わいを誇る前に、自らが進める計画が「大阪の未来」ではなく「大阪の破滅」を招いているという現実を、直視すべきです。市民の命と尊厳をギャンブルのテーブルに乗せるような政治は、一刻も早く終わらせなければなりません。
真相はこれだ!関生事件 無罪判決!【竹信三恵子の信じられないホントの話】20250411【デモクラシータイムス】
ご存じですか、「関西生コン」事件。3月には、組合の委員長に対して懲役10年の求刑がされていた事件で京都地裁で完全無罪判決が出ました。無罪判決を獲得した湯川委員長と弁護人をお呼びして、竹信三恵子が事件の真相と2018年からの一連の組合弾圧事件の背景を深堀します。 今でも、「関西生コン事件」は、先鋭な、あるいは乱暴な労働組合が強面の不法な交渉をして逮捕された事件、と思っておられる方も多いようです。しかしそうではありません。企業横断的な「産別組合」が憲法上の労働基本権を行使しただけで、正当な交渉や職場環境の改善運動だったから、強要や恐喝など刑事事件には当たらないものでした。裁判所の判断もこの点を明確にしています。では、なぜ暴力的組合の非行であるかのように喧伝され、関西全域の警察と検察が組織的に刑事事件化することになったのか、その大きな背景にも興味は尽きません。 tansaのサイトに組合員お一人お一人のインタビューも連載されています。ぜひ、どんな顔をもった、どんな人生を歩んできた人たちが、濡れ衣を着せられ逮捕勾留されて裁判の法廷に引き出されたのかも知っていただきたいと思います。
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増補版 賃金破壊――労働運動を「犯罪」にする国
勝利判決が続く一方で新たな弾圧も――
朝⽇新聞、東京新聞に書評が載り話題となった書籍の増補版!関生事件のその後について「補章」を加筆。
1997年以降、賃金が下がり続けている先進国は日本だけだ。そんな中、関西生コン労組は、労組の活動を通じて、賃上げも、残業規制も、シングルマザーの経済的自立という「女性活躍」も、実現した。そこへヘイト集団が妨害を加え、そして警察が弾圧に乗り出した。
なぜいま、憲法や労働組合法を無視した組合潰しが行なわれているのか。迫真のルポでその真実を明らかにする。初版は2021年。本書はその後を加筆した増補版である。
◆主な目次
はじめに――増補にあたって
プロローグ
第1章 「賃金が上がらない国」の底で
第2章 労働運動が「犯罪」になった日
第3章 ヘイトの次に警察が来た
第4章 労働分野の解釈改憲
第5章 経営側は何を恐れたのか
第6章 影の主役としてのメディア
第7章 労働者が国を訴えた日
エピローグ
補章 反攻の始まり
増補版おわりに
映画 ここから 「関西生コン事件」と私たちこの映画は「フツーの仕事がしたい」「アリ地獄天国」など労働問題を取り上げ注目を浴びている土屋トカチ監督の最新作。「関西生コン事件」の渦中にある組合員たちの姿を描いた待望のドキュメンタリー映画『ここから「関西生コン事件」と私たち』がこのほど完成。業界・警察・検察が一体となった空前の労働組合潰しに直面した組合員と家族の物語を見つめた。(左写真は松尾聖子さん)いまも各地で上映会がひらかれている。
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ー 公判予定 ー
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