週刊実話名誉棄損損害賠償訴訟
週刊実話名誉棄損訴訟は、2019年2月、関生刑事弾圧の真っただ中に、日本ジャーナル出版(週刊実話)は一ノ宮美成&K21名が執筆した記事「連載ブラックマネー」(関西生コン事件前編中編後編)を3回にわたり掲載したことで、関生支部他1名に対し著しく名誉を棄損したことについて、2019年4月30日に関生支部が提訴した損害賠償訴訟である。
「弾圧下のなか始まった裁判」
東京地裁民事第32部の大濵寿美裁判官で開廷された。第1回裁判では、弾圧下のなか多くの仲間が勾留中であり、武委員長も保釈されていない状況で、関生支部代表で武洋一書記長が意見陳述を行った。当日は、日本第一党の瀬戸弘幸や鳥取ループ(示現舎)の三品純ら二名も傍聴に来ており、二人とも関生弾圧にかかわりを持ち、刑事裁判にも傍聴しに来る排外主義者たち参加の裁判である。
民事事件で異例の警備法廷となったこの裁判は、コロナ禍の状況もあり2年以上弁論が続いている状況である。
「偏見を持つ裁判官」
現在の裁判、労働委員会では、関生支部を「反社」扱いをすることで自らの言動等を正当化する流れができており、この週刊実話訴訟もその一つである。私が組合代表として数回参加しているが、私たちが原告であるにもかかわらず裁判長が被告よりの対応をおこなっているように見受けられる点が数多く、不安な裁判闘争になっている。
被告側の請求(刑事裁判などの判決文など)はすぐさま取り入れ、文書送付嘱託申入をするように促し、刑事裁判の記録などを裁判に提出させている。また、前回裁判では、傍聴抽選がなくなったこともあり、コロナ禍で傍聴席が少なくなっていることから原告組合代表者として原告席に座ることを認めた裁判官が今回の裁判ではいきなり「み・と・め・ま・せ・ん」と一言だけ発し、原告の代表参加を認めない攻撃を仕掛けてきた。何のために前回認めたのか、いきなりの裁判長の発言で傍聴席は抗議の声を荒げる形になった。弁護団はすぐさま抗議とともに保佐人請求をおこなった結果、原告席に就けたが、何か裁判長の偏見を伺わせる公開弁論になってきている。次回弁論もふてぶてしい対応で結果、12月まで引き延ばされる結果にもなった。
「支援の輪が広がりをみせる」
三権分立と言われている裁判所がこのような対応で本当に公平な判断が出されるのか不安だが、東京の支援者傍聴の顔ぶれを見て力が湧いてくる。なぜか、明らかに支援の輪が広がっていることが確認できるからである。やはり社会の流れがおかしく、レイシスト達の言い分がまかり通る状況下で、真実を訴え理解してくれる人たちが増えているからである。この力を最大限発揮しなくてはならない。関生57年の歴史、先人たちの闘いを現執行部組合員が継承しているからこそ関生運動の正当性が一般の労働者民衆に理解してもらえている。
だから、私たちは裁判闘争を継続しながら、運動領域を広げていく。このことができないと世の中を変えることができない。支援者とともに継続して裁判闘争勝利に向け闘っていく。
「労働組合つぶしの大弾圧を許さない実行委員会」への賛同の呼びかけ PDF
「関生事件」が揺るがす労働基本権
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挑戦を受ける労働基本権保障――一審判決(大阪・京都)にみる産業別労働運動の無知・無理解 (検証・関西生コン事件1)(日本語) 単行本 – 2021/4/20
業者団体と警察・検察が一体となった組合弾圧=「関西生コン事件」がはじまって4年。
労働法研究者、自治体議員、弁護士の抗議声明が出され、労働委員会があいついで組合勝利の救済命令を下す一方、裁判所は産業別労働組合への無知・無理解から不当判決を出している。
あらためて「関西生コン事件」の本質、不当判決の問題点を明らかにする!
連帯ユニオン(著)、小谷野 毅(著)、熊沢 誠(著)、& 2 その他
発行・旬報社、定価800円+税
「関西生コン事件」がはじまってから4年目となります。
関生支部(全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部)を標的として、大阪広域生コンクリート協同組合(大阪広域協組)が日々雇用組合員の就労拒否(400人以上)、正社員組合員の解雇、業界あげての団交拒否を開始したのが2018年1月。このあからさまな不当労働行為の尻馬に乗って、滋賀県警が半年後の2017年7~8月にかけて組合員と生コン業者ら10人を恐喝未遂容疑で逮捕しました。その後、大阪、京都、和歌山の三府県警が、2019年11月にかけて、じつに11の刑事事件を仕立てあげ、のべ89人もの組合員と事業者を逮捕。数え上げるとじつに計18回も逮捕劇がくりかえされ、のべ71人が起訴される事態に発展しました。いずれも、ストライキやビラまき、建設現場の法令違反を調査、申告するなどして公正な取引環境を実現するためのコンプライアンス活動、破産・倒産に対して雇用確保を求める工場占拠闘争など、あたりまえの労働組合活動が、恐喝未遂、恐喝、強要未遂、威力業務妨害といった刑事事件とされたものです。
業者団体と警察・検察が表裏一体となった組合弾圧、それが「関西生コン事件」です。
これに対し、歴代の労働法学会代表理事経験者を多数ふくむ78人の労働法学者が2019年12月、憲法28条の労働基本権保障や労働組合法の刑事免責を蹂躙する警察・検察、そしてそれを追認する裁判所を批判して「組合活動に対する信じがたい刑事弾圧を見過ごすことはできない」とする声明を公表しました。全国各地の120人超の自治体議員の抗議声明、弁護士130人の抗議声明なども出されます。また、自治労、日教組などの労働組合や市民団体がつくる平和フォーラムが母体となって「関西生コンを支援する会」が結成されたのをはじめ、各地で支援組織が2019~20年にかけてあいつぎ結成されます。「関西生コン事件」は関生支部だけの問題ではない、労働組合の権利そのものを脅かす事態だという認識が広がっています。
さらに、冒頭に述べた一連の解雇、就労拒否、団交拒否に対抗すべく関生支部が申し立てた20件近い不当労働行為事件において、大阪府労働委員会が2019年秋以降、あいつぎ組合勝利の救済命令を下しています。その数は命令・決定12件のうち10件(2021年4月現在。大半が中央労働委員会に再審査事件として係属)。団結権侵害を主導した大阪広域協組の責任が明確になってきました。
一方、11件の刑事事件はその後、各事件の分離、併合の結果、大阪、京都、和歌山、大津の四地裁において8つの裁判に整理され、審理がすすめられ、現在までに、大阪ストライキ二次事件(2020年10月)、加茂生コン第一事件(同年12月)、大阪ストライキ一次事件(2021年3月)の3つの一審判決が出されています。
これら判決は、労働委員会事件で出された勝利命令とは対照的に、いずれも労働組合運動に対する浅薄な理解と認識をもとに、大阪広域協組の約束違反や企業の不当労働行為を免罪する一方で、産業別労働組合としての関生支部の正当な活動を敵視するものとなっています。
そこで、この機会に、あらためて「関西生コン事件」とはなにか、また、これら不当判決の問題点はなにかを、労働組合運動にたずさわる活動家のみなさまをはじめ、弁護士、研究者、ジャーナリストのみなさまに一緒に考えていただくために、裁判や労働委員会に提出された研究者の鑑定意見書などを収録した『検証・「関西生コン事件」』を随時発刊することにしました。
控訴審において無罪判決を勝ち取るために努力するのはもちろんのことですが、不当判決を反面教師として、先達が築いてきた労働運動の諸権利を学び直し、新たな運動を創造していくことが私たちに求められていると考えます。本書がその手がかりとして活用されることを願ってやみません。
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