京都事件第13回公判・京都地裁前抗議行動
連帯ユニオン関西地区生コン支部への権力弾圧をめぐる公判が12月8日、京都地裁で開かれました。公判前に、26人の仲間が結集する京都地裁前で抗議行動を展開しました。
「京都事件の無罪判決を勝ち取るために全力をつくす!」
京都地裁前抗議行動は、関生支部・平田執行委員が「労働組合活動を犯罪にするな!裁判所に公正な審理を求めることを共に声を上げていこう!」と開会宣言。続いて、関生支部・七牟禮副委員長は、日頃の関生支部弾圧への支援にお礼を述べたあと、「この間の不当な判決を糾弾する。関生支部は、50数年間、当たり前の組合活動をしてきた。産業別労働運動では、生コン業界で働くすべての労働者の労働条件改善などを求めたストライキや、建設現場で働く労働者の安全確保と現場周辺の環境保護のためのコンプライアンス活動。これが犯罪とされ、警察と検察を裁判所が容認していることが問題だ。裁判所には公正な審理を強く求める」と訴え「関生支部は、京都事件をはじめ、すべての無罪判決を勝ち取るために全力をつくす」と闘う決意を表明しました。
「私たちは不当弾圧に屈するわけにはいかない!」
続いて、支援者からの連帯アピール。なかまユニオンの代表者は「昨日のマスコミ報道では、日本の労働者の賃金が2.6%下がっていると。ここ30年、実質賃金が上がっておらず、生活が困難となる影響を及ぼしている。なぜ、日本だけが賃金が上がらないのか?関生の運動が問われている。世界では、賃上げや労働条件改善のためにストライキが頻繁におこなわれている。関生はストライキで闘う日本では数少ない労働組合だ。関生に徹底した弾圧を加える国家権力に、関生は屈せず闘っている。私たちは不当弾圧に屈するわけにはいかない。なかまユニオンも、不当な扱いや対応をする企業に対して、社前行動を展開している。完全無罪を勝ち取るために共に闘う!」と共闘の決意表明がされました。
「反弾圧も反原発も、仲間の団結ではね返そう!」
若狭の反原発を考える会の代表者は「12月4日の関電本社前集会デモに、900人が参加した。仲間の皆さんの参加に感謝する。この集会デモで、様々な労働組合や市民団体が参加したことで、反原発で結集することができることを確信した。原発問題で岸田政権は窮地に追い込まれている。反弾圧も反原発も本質は同じだ。仲間の団結と行動で、これをはね返そう!」と訴えました。最後に「12月の大阪地裁判決を受けて、大集会を開催する。仲間の結集を呼びかける」と行動提起がありました。
「戦争、改憲をさせない闘いに立とう!」
関西合同労組の代表者は「関生弾圧に抗議する!裁判所には公正な審理を強く求める!」と訴えたあと「憲法28条を無視することは許されない。岸田政権は、軍事費2倍を決定するなど、アメリカ、中国に次ぐ軍事大国を推し進めている。70数年前に、とんでもない戦争を起こし、敗戦後、1945年に労働組合法が制定された。二度と戦争をさせないために、できたのが労働組合法だ。戦争ができる国づくり、改憲をさせない闘いに立とう!京都地裁には公正な審理を求める」と話しました。
「協同組合運動で賃上げや労働条件を勝ち取ろう!」
ジーエス関連合同労働組合の代表者は「関生は、協同組合運動を展開し、高いレベルの労働条件を向上させた。労働組合は、このような関生運動で、賃上げや労働条件の向上をめざすことが重要だ。ジーエス関連合同労働組合は、関生と共に闘う」と共闘の決意を表明しました。
「裁判所は、経営側に忖度するのではなく、労働者階級に忖度するべきだ!」
勝手連しが・稲村さんは「反原発闘争では、美浜原発の稼働禁止仮処分が長期になったが、この12月に判断が出る。岸田政権の軍拡、原発推進政策に裁判官がビビッたことによる、岸田に忖度した裁判所の有り様。しかし、岸田政権は風前の灯火だ。軍拡と原発を進めて外国に構ってもらうような政策しかない。この京都地裁は、コロナを理由とした解雇を正当だととんでもない判決を出した。解雇した経営者を擁護する京都地裁。民主主義の土台は、労働組合だ。それを踏みにじっているのが京都地裁だ。経営側に忖度するのではなく、労働者階級に忖度するべきだ。無地判決の勝利に向けて闘おう!」と京都地裁を糾弾しました。
「完全無罪を勝ち取るぞ!」
平田執行委員が本日の行動のまとめを提起。最後に、平田執行委員のリードでシュプレヒコール。「裁判所は労組つぶしに加担するな!」「裁判所は警察・検察のいいなりになるな!」「裁判所は公正な判断を行え!」などを参加者全員が怒りのコールで抗議行動を締めくくりました。
約30分の行動でしたが、旗や幟がはためく抗議行動は、裁判所前を行き交う会社員や市民らに注目を浴びました。
寒さが厳しくなってきたさなか、早朝からの行動に、労働組合つぶしの大弾圧を許さない!京滋実行委員会の仲間をはじめ、多くの仲間の結集に感謝します。
「LGBTには生産性がない」「チマ・チョゴリやアイヌの衣装のコスプレおばさん」など週刊誌やブログに掲載。また伊藤詩織さんを誹謗中傷し高等裁判所で賠償を言い渡されるなど国会内でも問題視されていた杉田水脈総務事務次官が12月27日辞表を提出しました。いつまでも適切な処分を下さない政府に対して日本軍「慰安婦」解決全国行動が、差別発言を認めず総務政務官に居座る杉田水脈議員について、12月24日抗議文を出しています。
岸田文雄内閣総理大臣、松本剛明総務大臣宛 抗議文 ココをクリック
映画 ここから 「関西生コン事件」と私たち
この映画は「フツーの仕事がしたい」「アリ地獄天国」など労働問題を取り上げ注目を浴びている土屋トカチ監督の最新作。「関西生コン事件」の渦中にある組合員たちの姿を描いた待望のドキュメンタリー映画『ここから「関西生コン事件」と私たち』がこのほど完成。10月下旬から各地で上映運動がはじまった。10 月 23日には「関西生コン労組つぶしの弾圧を許さな い東海の会」が名古屋で、11月6日には「労働組合つぶしの大弾圧を許さない京滋実行委員会」京都で上映会。業界・警察・検察が一体となった空前の労働組合つぶしに直面した組合員と家族の物語を見つめた。(写真右は京都上映会 で挨拶する松尾聖子さん) 今後、11月13 日には護憲大会(愛媛県松山市)、同月25日は「労働組合つぶしを許さない兵庫の会」が第3回総会で、12月16日は「関西生コンを支援する会」が東京で、それぞれ上映会をひらく。
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賃金破壊――労働運動を「犯罪」にする国 竹信三恵子(著)– 2021/11/1 旬報社 1,650円(税込み) 1997年以降、賃金が下がり続けている先進国は日本だけ。 そんななか、連帯ユニオン関西地区生コン支部は、賃上げも、残業規制も、シングルマザーの経済的自立という「女性活躍」も実現した。 業界の組合つぶし、そこへヘイト集団も加わり、そして警察が弾圧に乗り出した。 なぜいま、憲法や労働組合法を無視した組合つぶしが行なわれているのか。 迫真のルポでその真実を明らかにする。
目次 :
プロローグ
第1章 「賃金が上がらない国」の底で
第2章 労働運動が「犯罪」になった日
第3章 ヘイトの次に警察が来た
第4章 労働分野の解釈改憲
第5章 経営側は何を恐れたのか
第6章 影の主役としてのメディア
第7章 労働者が国を訴えた日
エピローグ
【著者紹介】 竹信三恵子 : ジャーナリスト・和光大学名誉教授。東京生まれ。1976年東京大学文学部社会学科卒、朝日新聞社入社、経済部、シンガポール特派員、学芸部次長、編集委員兼論説委員(労働担当)、2011-2019年和光大学現代人間学部教授。著書に『ルポ雇用劣化不況』(岩波新書、日本労働ペンクラブ賞)など。貧困や雇用劣化、非正規労働者問題についての先駆的な報道活動に対し、2009年貧困ジャーナリズム大賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
第 10 回「日隅一雄・情報流通促進賞」の特別賞を受賞 詳しくはコチラ
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