「これは共謀罪適用の『リハーサル弾圧』だ」

私は、この事件が共謀罪適用の準備としてのリハーサルの性格を帯びていると考える。その根拠は次の通りである。
第一に、捜査の主体の問題である。大阪の事件ではこれまでの関生支部への弾圧と同様、大阪府警の警備課が担当しているが、滋賀の事件は滋賀県警の組対(組織犯罪対策課)が担当している。警備公安警察と組織犯罪対策を目的とする警察組織が、警察組織の内部で共謀罪型捜査の主導権をめぐってしのぎを削っているのである。
第二に、捜査方法の問題である。逮捕された労働組合員が黙秘する中で、警察はどうやって「容疑」を固めようとしているのか。関係者のスマホやパソコンを押収し、会議の録音、通話記録、メールのやり取り、ラインチャットなどを大量に集めている。また、すでに組合から脱退している組合員を含めて手当たり次第に呼び出しをかけ、「共謀」の構造を立証しようとしている。まさに共謀罪型捜査といえる。
第三に、共謀立証が身柄拘束の根拠とされていることだ。滋賀の事件でも大阪の事件でも、勾留理由開示公判(身柄を拘束するための「勾留」の理由があるかどうかを確認する裁判)で、裁判官が「罪証隠滅の対象は共謀の構造、罪証隠滅の方法は共犯者・関係者との通謀」という主旨を明確に述べた。しかし、大阪の事件では、現場の行為については、会社側が記録した大量の録音録画がある。問題となっているのは、共謀といっても現場で共謀したかどうかの問題で、そのための証拠は、録音録画されている行為をどう評価するかという問題に帰着する。身柄を拘束しなくても「罪証隠滅」のおそれなどないはずだ。共謀立証を理由とした長期の身柄拘束を許してはならない。

海渡雄一(かいど・ゆういち)
1955年生まれ。弁護士。日本弁護士連合会秘密保護法対策本部副本部長。著書に『秘密保護法 何が問題か』(岩波書店、共著)、『何のための秘密保全法か』『共謀罪とは何か』(岩波ブックレット、共に共著)など多数。

関西生コン弾圧事件ニュースNo.4  PDF
平和フォーラムへの攻撃と受け止め全力で反撃
福山真劫共同代表、平和フォーラム総会あいさつ冒頭で表明

「労働組合つぶしの大弾圧を許さない実行委員会」への賛同の呼びかけ
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署名のお願い
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大津地方裁判所長あて〈団体署名〉PDF
大津地方裁判所長あて〈個人署名〉PDF
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大阪地方裁判所長あて〈団体署名〉PDF
大阪地方裁判所長あて〈個人署名〉PDF
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●署名の集約
第2次集約 4月末日(5月中旬提出)
第3次集約 5月末日(6月中旬提出)
●署名の送り先
〒111-0051
東京都台東区蔵前3-6-7 蔵前イセキビル4F
全日本建設運輸連帯労働組合中央本部
●電話番号:03-5820-0868

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