「湖東協事件公判、大津地裁」
連帯ユニオン関西地区生コン支部への権力弾圧をめぐる公判が6月7日、大津地裁で開かれました。当日は、湖東協事件の証人尋問です。
公判終了後、弁護団を代表して永嶋弁護士から本公判の解説と今後の方針を述べていただきました。
「永嶋弁護士のまとめ(抜粋)」
今日の証人尋問は、セキスイハイムの現場の人間と現場に行った会社の人間。今日の証言を聞いてもらっていてどこに威力業務妨害があるのか、なんでこれが犯罪やねんとそういうことばかりだったと思います。
裁判官がこれまでと違って検察側の証人に「それでいいの?」と質問していましたが、どういうつもりで聞いていたか微妙なところ。言い訳をさせるつもりで聞いていたのかなと思いますが、言い訳できていませんでした。証人もこちらが悪かったと言うふうになっていたと思います。
今日は3件目の4月11日に委員長と副委員長が逮捕された1,000万円恐喝の起訴状とそれに対する被告人の意見がありました。
起訴状に対しての求釈明、これは一体どうなっているのかということは、何点か検事と裁判所に言ってありました。今までは、毎回毎回同じように、起訴状に質問みたいなのを弁護側からしても全て裁判官は基本的に無視でしたが、今日は裁判官の方から検事に対して、「非常に関心をもっているから答えなさい」というのがいくつかありました。それは「起訴状にでてくる関係者って誰のことか」とか、「N氏が知人になっているが知人とは誰の知人なのか」とか「現場のリーガロイヤルで誰が何を話したか」ということについて何点も質問をしていました。
そのあと、検察官が冒頭陳述といって証拠によって証明しようとすることについてダラダラかなり長いことしゃべっていました。A4用紙3~4枚くらいになるんですけれども、それに対しての弁護側から質問をしました。
コンプライアンス活動をずっとしていて、それに脅されて間に入っている何人かを通して、武委員長と副委員長が脅して金を取ったという筋立てなんですが、これが恐喝になるなら現場でコンプライアンスをした人間とか、或いは間に入っている2名(名前がでていたと思いますが…)も恐喝にならないとおかしいけれど、それをどう考えているのかと確認したら、「恐喝になるのは武委員長と副委員長だけでそれ以外は全然何も関係が無い無罪だ」と主張で言い切りました。これは、すごい綱渡りで、ほんと非常に難しいというふうに思います。
委員長と副委員長の共謀について起訴状では、共謀と書いたらそれですみますが、今まではどんな事件でも冒頭陳述でいつどこでどんな話をしているということが必ず出てくるはずなんですが、それが一切ありませんでした。それと1,000万円の受け渡しの席に副委員長は居ませんでした。冒頭陳述でもそうなっていました。だとすると武委員長と副委員長、「どこで共謀したのですか?」と聞いたらそれは答えませんでいした。弁護士的に見たら、検察官の証拠全部足しても少なくとも副委員長は、どう考えても無理やと思います。現場に行った人間が無理で、間に入っている人間が無理だとしたら、副委員長は無理なはずです。間に入っている人間が恐喝にならないのならば、武委員長も無理です。それと1番最初に被害者が冒頭陳述の中で出ていた人物の調書まいてないからね。なんかすごい思い切り無理な筋。それとあと小田弁護士も確認していましたが、全部、武委員長のほうから発信しているのではなく、向こうの方から言ってきていて、呼び出してお金渡しているからね。この会館カンパの事件については、思いっきり無理無理。無罪でも構わないというそういう起訴になっていることは間違いない。それは確認できたというふうに思います。これから積み上げていきはると思うけれども、非常に無理筋です。ただし逆に言うと、有罪でも無罪でもどっちでもいいという逮捕を重ねてきているから、それをどうやって押し返すのか。これからまだしてきよる可能性があるから、それをちょっと考えていかないといけないと思います。
永嶋弁護士には丁寧でわかりやすい解説と問題点や本質を述べていただき、ありがとうございました。
今回の会館カンパの恐喝事件で警察・検察は、無理筋な事件であっても逮捕・起訴するという手法と、これを容認する裁判所。警察・検察・裁判所が連携する労働組合つぶしの権力弾圧の実態が明らかになったと思います。
このような有罪・無罪にかかわらず、逮捕・起訴する警察と検察のやり方、それを認める裁判所に対して、強く抗議すること。この異常な権力弾圧の実態と本質を世間に知らせることが重要です。関生支部をはじめ連帯ユニオンの仲間は、街頭に出て宣伝活動を展開しましょう。
勝手連・滋賀や労働組合つぶしの大弾圧を許さない実行委員会・大阪のみなさんをはじめとした全国の支援者のみなさん、裁判の傍聴支援をありがとうございます。今後もご支援ご協力をお願いします。
労働組合つぶしの大弾圧を許さない実行委員会から緊急呼びかけ!
「労働組合つぶしの大弾圧を許さない実行委員会」への賛同の呼びかけ
PDF
ストライキしたら逮捕されまくったけどそれってどうなの?(労働組合なのに…) 単行本 – 2019/1/30
連帯ユニオン、小谷野 毅、葛西 映子、安田 浩一、里見 和夫、永嶋 靖久(著)
内容紹介
レイシスト(差別主義者)を使って組合破壊をしかける協同組合、ストライキを「威力業務妨害」、職場のコンプライアンス違反の告発を「恐喝」、抗議を「強要」、組合活動を「組織犯罪」、労働組合を「組織犯罪集団」と言い換えて不当逮捕する警察。
いま、まっとうな労働運動に加えられている資本による攻撃と「共謀罪のリハーサル」ともいえる国家権力による弾圧の本質を明らかにする!
お問い合わせは、連帯ユニオンまで TEL:06(6583)5546 FAX:06(6582)6547
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