11月27日 和歌山協組事件の勾留理由開示公判

法治国家なのか? おかしいと思わないのか?
Y副委員長、裁判官に教え諭す

8回目の逮捕で、460日超す勾留つづく

11月14日、前出のN執行委員インタビューで説明したとおり、一連の「関西生コン事件」のうち、「和歌山広域協組事件」でY副委員長とN執行委員が逮捕された。
Y副委員長はこれで8回目。これだけくりかえし逮捕された労働運動活動家は戦前戦後を通じていないだろう。しかもわずか1年余りという短期間に。最初に逮捕されたのが昨年8月28日。一度も保釈されることなく、勾留期間は11月末日で460日を超えた。
11月27日、和歌山地裁で勾留理由開示公判が開かれ、Y副委員長とN執行委員が意見陳述した。傍聴者によれば、ふたりとも落ち着いた態度で裁判官をまっすぐ見すえ、教え諭すように発言したという。以下はその発言要旨。

Y副委員長

「(昨年8月コンプライアンス事件で)逮捕されたとき、黙秘すると逮捕しつづけると検事に言われた。私が外に出るとそんなにまずいのか。運動するなというのか。裁判所も不当労働行為をするのか。組合を辞めば逮捕されず、辞めれなければ逮捕される。どこが法治国家か。逃げも隠れもしない。闘うのだから」

永嶋弁護士

関西生コン支部及びその関係者に対する逮捕というのは、昨年の7月18日滋賀県警による逮捕というのが一番最初。「チェリオ事件」というが、その件でYさんは8月28日に逮捕され、逮捕・勾留が455日か456日となった。そして、同件でNさんが逮捕されたのは、今年の2月18日。滋賀県警と大津地検は、3年も4年も前の1つの事件について5回に分けて逮捕・起訴した。
そのため、同じ証人を2回も3回も呼び出しダラダラと裁判を進める。
「追起訴するのか?」との問いに、検事は裁判官の前で「訴因変更も追起訴もない」と言った。検察官が警察をコントロールできていないから、10月に滋賀県警による家宅捜索を行われた。これは、職務犯罪である。

N執行委員

「国賠訴訟の証人尋問の日が決まったら逮捕され、大阪拘置所で尋問することが決まったら大津署に移された。その後、保釈されて尋問の日が決まったら尋問の前日に逮捕された。裁判官はおかしいと思いませんか? われわれは闘う労働組合だから、暴力団が介入したら抗議する。ところが抗議すると暴力団より悪いように書かれて逮捕される。おかしくないか?」

太田弁護士

本件は、不当逮捕の典型的なもの。この事件は今年8月9日に起訴されている。しかし本件は起訴から3ヶ月半も経過している。これは、できるだけ逮捕時期を遅らせて事件を長期化させる狙いがある。8回逮捕、起訴してYさんの勾留を長引かせる。保釈されていたNさんの身体をまた拘束する。そういう捜査の不当な意図の表れである。
また、Nさんは、国賠事件の本人尋問の前日に逮捕。国賠事件の裁判を見計らっての逮捕である。
本件では先行事件の捜査の段階からYさんとNさんの存在、少なくともNさんが現場にいたことは調書に出ている。敢えてその時点では逮捕せず、3ヶ月も経ってから逮捕。明らかに捜査側による組合潰しの違法捜査。そして違法捜査・不当逮捕に手を貸して助長しているのが裁判官、裁判長である。
保釈中のNさんに罪証隠滅や逃亡の恐れを認定して家族とも全面的な接見禁止にした。このことに本当になんの躊躇もなかったのか?Nさんがどんな精神的・肉体的な苦痛を感じることか。
最後に裁判官にもう私は書面書いていてこの言葉しか出ない。恥を知りなさい。

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連帯ユニオン、小谷野 毅、葛西 映子、安田 浩一、里見 和夫、永嶋 靖久(著)
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レイシスト(差別主義者)を使って組合破壊をしかける協同組合、ストライキを「威力業務妨害」、職場のコンプライアンス違反の告発を「恐喝」、抗議を「強要」、組合活動を「組織犯罪」、労働組合を「組織犯罪集団」と言い換えて不当逮捕する警察。
いま、まっとうな労働運動に加えられている資本による攻撃と「共謀罪のリハーサル」ともいえる国家権力による弾圧の本質を明らかにする!
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