不誠実なうえ主尋問の証言も信憑性に欠ける

午前の証人は中央大阪代表取締役社長。
ほとんどの尋問に対して「会長の指示通り、工場長に任せている」など、社内のことを把握していなくても社長をできるものなのだと感じるほどだった。特に反対尋問に対しては、「中身は知らない」「わからない」「記憶にない」と証言した。反対尋問でこんなにわからないと答えるということは、不誠実なうえ主尋問の証言も信憑性に欠けるのではないかと思わざるを得ない。
裁判の最中に傍聴席がざわついた際、傍聴に来ていた渡辺臥龍が裁判官に対して「裁判官うるさくて聞こえないよ!特定してくれよ」と言うと、「あなたが静かにして下さい」と裁判官に注意を受けた場面があった。

午後の証人は、中央大阪生コンの工場長。
検察は、12月11日に中央大阪生コンに訪れたN執行委員の特徴を証人に尋問し、「赤髪」と証言したにも関わらず、更に特徴を求め「ずんぐりむっくり。ポッチャリ」と証言させた。
12月11日までは中央大阪の生コンは100%近酸運輸と近酸運輸が手配した輸送会社が運んでいた。12月12日当日、近酸運輸ではなく他の輸送会社(北神戸運輸)を手配したことに対して、組合員らが正当な組合活動として、仕事を求めて抗議に行ったことを妨害と主張している。実際は、抗議をするため門の周辺に集まっていたが、北神戸運輸のミキサーの前に立ちふさがるなど、積極的に妨害するような行為はしていなかったと証言した。

弁護士まとめ、喜多弁護士(抜粋)

午前中のポイントは、中央大阪生コンは近酸運輸と専属であっても継続的な契約も無い。北神戸運輸との契約書があったと証言していたが、契約書は後付けで作成したもので、実際更新の手続きもしていない。N社長は、担当に任せていたからと言い逃れしていたが、実質近酸運輸が生コンの輸送をしていたことは間違いないと、ある程度証人(N社長)の主張がおかしいと言えたのではないか。
工場長は妨害したと言っているが、こちらも抗議で来ているため、門の前に人が立つのは仕方の無い話である。(工場長は)事実上入れなかったと半ば認めたような形で、積極的に何か止めたような行動をしていたわけではないと証言せざるを得なかった。
相手は、今回の妨害で最大2時間遅れたと主張しているが、午前中は12~13分遅れただけ。午後からは2時間以上遅れたというところがしっくりこなかった。結局どうやら台数が足りなかったため回っていなかった話。それは今後こちらから主張していけば充分相手の主張がおかしいとわかると思う。

正社員化要求したら「強要未遂」!?
「関西生コン事件」に見る労働三権の危機

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