加害者も被害者も、戦争が原因で被害を受ける
第2次世界大戦中のナチス・ドイツの残虐行為に対して個人の刑事責任を追及する動きがドイツでは現在も続いています。
強制収容所での大量虐殺を手助けしたとして、93歳の元看守が7月23日、裁判所で有罪判決を受けました。
被告を見つけ出したのは、現在も強制収容所に関係した人物を中心に行方を追っている「ナチス犯罪解明のための州司法行政中央本部」(追及センター)です。

「殺害を幇助したと認定」

親衛隊の資料の中に署名が見つかった、当時少年だった被告は、1944年8月~1945年4月、ポーランド北部にナチスが設置した強制収容所の看守でした。
裁判では、元収容者らが相次いで証明しました。93歳の男性は「ガス室は公然の秘密だ」として、遺体の焼却場の存在を誰もが知っていたことだと述べました。一方で「報復がしたいのではない」とも語りました。
検察側は禁固3年を求刑しました。被告側は殺害状況などは認識しておらず、「看守の仕事から逃れられなかった」などとして、無罪を主張していました。
判決は、看守として収容所での虐殺状況を把握できたとして、5232件の収容者の殺害を幇助したと認定し、執行猶予付きの禁固2年を言い渡しました。

「家族に謝罪したい、二度と起きてはならない」

被告は17歳の時、国防軍に招集され、親衛隊に転属されました。戦後はトラック運転手などの仕事に就き、結婚して子どもや孫もおり、身分を隠すことなく暮らしてきました。
被告は最終陳述で「私は親衛隊や強制収容所での勤務を志願したわけではない」と述べましたが、「証言や専門家の意見を聞いて初めて、残酷さと苦しみに気づけた」とも述べました。そして最後に、「狂気の地獄を味わった人たちと、その家族に謝罪したい。こんなことは二度と起きてはならない」と語ったのです。

「今回の判決が最後に」

世論も責任追及を後押していますが、関係者の高齢化から訴追は年々、困難になっています。
ドイツでは1979年以降は計画的な殺人(謀殺)の時効が廃止され、ほかにも15件で、強制収容所の関係者の訴追に向けた手続きが進んでいます。
収容所の元看守の男性が禁固5年の判決を受けた2011年の裁判が転機でした。殺害に直接加わった証拠がなくても、大量虐殺を目的とした絶滅収容所との関係が証明されれば、罪を認定できるとしたのです。
その後も元看守らへの有罪判決は続きました。しかし、戦後75年が経ち、関係者はかなりの高齢になりました。多くが裁判に耐えられず、今回の被告の判決が最後になる可能性も指摘されています。

「歴史の一部を意識し続けていくことが大切」

独ツァイト紙が今年1月、約千人を対象にした世論調査によると、「生き残るナチスの犯罪者は今でも裁かれるべきか」との問いに、計76%が肯定的に答えました。一方、地元紙の投書には「戦後ドイツでは本当に罪がある者が罰せられず、責任を問われることなく高い地位に就いていた」などと疑問の声も上がっています。
「大組織の歯車の一つ」である人物の過去を追い続ける意味について、「ナチス犯罪解明のための州司法行政中央本部」(追及センター)の副所長は「歯車になっていたらば、組織で犯罪行為があったことを知っていた」、「大戦中の行為であれ、少年であれ、罪があれば起訴せねばならない」、「今の若い人たちのためにも、ドイツは歴史の一部を意識し続けていくことが大切だ」と話します。

「再び戦争を起こさないために」

ドイツにおけるこの事例は、結局は加害者も被害者も戦争が原因で被害を受けることを示しています。私たち労働組合には、戦前・戦時中の日本軍国主義を正しく学び、再び戦争を起こさないための行動が求められています。

ー 速報 ー
昨日、奈良地裁で開かれた裁判のなかで、吉田生コン分会の1名の仲間の解雇撤回を確認しました。
本日、9月17日より職場復帰することができました。
解雇撤回を勝ち取れたのも、日頃からの多くの方のご支援のおかげです。

1名の職場復帰は勝ち取れましたが、吉田生コン社からの攻撃が終わった訳ではありません。
また、もう一人の仲間の解雇撤回を果たす日まで闘いは続きます。
これからもご支援よろしくお願いします。

吉田生コン分会

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