コンビニ店オーナーの生活安定をめざした運動を展開しよう

公正取引委員会は9月、セブン・イレブン、ファミリーマート、ローソン、ミニストップの大手4社を含むコンビニ8社のコンビニ店オーナーにアンケートを実施したところ、営業時間を短縮する交渉に本部が応じなかったり、過剰な仕入れを強要したりした例が判明しました。
その結果を受けた公正取引委員会は、「コンビニ本部による24時間営業や仕入れのコンビニ店オーナーへの強要は独占禁止法に抵触する」恐れがあるとして、コンビニ各社に11月末までの報告を求めていました。

「なおざりな改善策」

公正取引委員会の指摘を受けたコンビニ大手8社は11月30日までに、自主点検の結果と改善策を報告しましたがその内容は次の通りです。
セブン・イレブンは、「コンビニ店オーナーになりたい人への事前の説明が一部で不十分だった。深夜の休業や既にある店の近隣への大量出店、コンビニ店オーナーが大半を負担する食品廃棄や人件費について、本部社員からの説明の内容に差があった。改善するため、説明の一部を映像化したり担当社員への教育を充実させたりする」「社員の行動規範も含め、仕入れの強制や見切り(割引)販売の制限といった『優越的な地位の乱用に該当する行為を行わない』と明記し、コンビニ店オーナーの相談窓口も設けた」。
ファミリーマートは「見切り販売について、事前の申請や伝票の作成が必要でコンビニ店オーナーの負担が大きかったとして、手続きを簡単にする仕組みを2021年度に導入する」。
ローソンは、「脱24時間営業への移行も認めているものの、それを望む店に対して『本部の交渉態度に課題が残っている』とし、社員教育を充実させる。新規出店の際は近隣の店が優先的に経営できるよう提案する」。

「コンビニ店オーナーとの契約を見直す」

ミニストップは、「コンビニ店オーナーとの契約を見直し、食品の廃棄や人件費について本部も応分の負担をすることを発表済み」としています。
セブン・イレブン、ファミリーマート、ローソンの大手3社は、コンビニ店オーナーとの契約の見直しや本部の応分負担という改善策には一切、触れていません。
今回のコンビニ各社の報告について公正取引委員会は「本部と加盟店の関係が変わっていくのか注視する」と企業への課題としました。

「遠く及ばす、乏しい改善策」

公正取引委員会の指摘を受けたコンビニ各社の自主点検の結果と改善策は、コンビニ店オーナーが抱えている問題解決には遠く及ばす乏しいものと言わざるを得ません。
ミニストップの改善策には一定の評価があるように見えますが、契約の見直しや本部の応分負担の具体的な中身が明確になっていないことから、実効性が問われます。
セブン・イレブン、ファミリーマート、ローソンの大手3社は、コンビニ店オーナーとの契約の見直しや本部の応分負担には、一切触れず、「説明不足、社員教育の充実、手続きの簡素化」などと、なおざりな改善策の報告で、コンビニ店主の過酷な現状を改善するという姿勢が見えません。

「具体的な実効性のある改善策を求める」

国内店の9割超を占めるコンビニ大手4社は、「コンビニ店オーナーの募集時などの説明に不十分な点があったことを認めた」としていますが、そもそもコンビニ本部側が、コンビニ店オーナーへの契約内容に関する説明はいいかげんで、虚偽と疑われる内容だったことは、コンビニ店オーナーの証言で明らかになっているのです。
私たち労働組合は、今回提出されたコンビニ各社の改善報告の内容について厳しく批判し、具体的な実効性のある改善策をコンビニ各社に要求することが重要です。

「コンビニ店オーナーの生活安定をめざした運動を」

コンビニ店オーナーらの過酷な実態を改善し、病気や自死のない安定した生活の確保を実現するために、「コンビニ本部との対等な交渉」「コンビニ本部のみが儲かる仕組みという収奪をやめさせる」ことをめざして、全国のコンビニ店オーナーやコンビニ関連のユニオンと連携した運動を展開しましょう。

「労働組合つぶしの大弾圧を許さない実行委員会」への賛同の呼びかけ 

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なぜ、いま戦後最大規模の刑事弾圧が労働組合に加えられているのか!?
641日勾留された武委員長が語る

「関西生コン事件」で逮捕された武建一委員長は今年5月29日、641日ぶりに保釈された。その1ヵ月後に収録されたロングインタビューをまとめた本が12月10日発刊される。
・一連の事件は、なぜ起きたのか?
・関生支部とはどのような労働組合なのか?
・武建一という人物はいったい何者なのか?
そんな疑問に事実をもって答える1冊。ぜひ、お読みください。『武建一が語る 大資本はなぜ私たちを恐れるのか
発行・旬報社、四六判218ページ、定価1500円+税
*全日建(全日本建設運輸連帯労働組合)にお申し込みいただければ頒価1500円(送料込み)でお届けします。多部数の場合はお問い合わせください。
お問い合わせ03-5820-0868
【目 次】
第1章 刑事弾圧
641日にもおよんだ勾留生活/なぜ私は逮捕されたのか/協同組合の変質/労組破壊に参加したレイシスト
第2章 「タコ部屋」の過酷労働
私の生い立ち/「練り屋」と呼ばれて/労働運動に目覚める/関生支部の誕生/初めての解雇
第3章 闘いの軌跡
万博不況とオイルショック/ヤクザと生コン/経済界が恐れる産業別労働運動
第4章 大同団結
安値乱売で「がけっぷち」/大阪広域協組の誕生/シャブコン/2005年の弾圧事件/ゼネスト決行/目指すべき場所
解題・安田浩一(ジャーナリスト)
今年も残り少なくなりました。皆様には御元気で御活躍のことと存じます。
この間、全国の多くの皆様より私たち関生支部に対する国家権力と大阪広域生コンクリート協同組合、差別排外主義者集団が一体となった攻撃をはね返す闘いに、多大な御支援をいただきまして誠にありがとうございます。
このたび、著書『大資本はなぜ私たちを恐れるのか』を12月10日に発行する運びとなりました。
今日まで、私は、会社の雇ったヤクザに5回以上殺されかけたり、刑事事件をでっち上げられ前科5犯にさせられています。
1980年代には日経連の大槻文平会長(当時)から「関生型運動は資本主義の根幹に触れる」と言われ、国家権力とマスコミからは「生コンのドン」「金を企業からむしり取る」などとして「反社会的勢力」とレッテルを貼られています。
それはなぜか。歴史と今日を振り返り、事実を元に書かせていただいています。
是非、一読下さい。
心より愛をこめて
武 建一

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