民主主義を守るには闘いと犠牲が必要
カラマ・ハリス氏は、黒人女性として、アジア系として、初めてアメリカの副大統領となります。
ハリス氏の父親はジャマイカ、母親はインドからの移民です。
大統領選の民主党候補者争いでは、ジョー・バイデン氏を討論でやり込めたハリス氏はその後、寄付集めに苦労して撤退しました。
「デモ行進にベビーカーで」
ハリス氏は、カリフォルニア大バークリー校に通っていた両親の間に生まれました。出身地のカリフォルニア州オークランドは1960年代に公民権運動が盛んだった場所として知られています。
父親はジャマイカ出身の黒人で、今はスタンフォード大名誉教授です。母親は、南インド出身のタミル系で、19歳で生命科学の博士課程に入学。その後はがん研究者として活躍しましたが、2009年に亡くなりました。
ハリス氏の両親は、当時大学で盛んだった公民権運動の場で出会い、結婚しました。ハリス氏は著書の中で、「幼い頃にベビーカーに乗せられて公民権運動のデモ行進によく連れていかれた」と振り返っています。
「制度の中から社会を変える」
黒人として差別を受けて育つ中、ハリス氏は、社会活動家だった親の影響も含めて人権問題を強く意識し、法律家になりました。「社会制度の外から活動するのではなく、法曹界に入って社会を改革する」ことを志し、制度の中から社会を変えたいと、有名な弁護士事務所にはいかず、あえて検事になりました。
有色人種初のサンフランシスコ地方検事、女性初のカリフォルニア州司法長官、黒人女性としては2人目の上院議員として活躍したハリス氏は、司法委員会での鋭い質問で有名になりました。
「民主主義を守るには闘いと犠牲が必要」
バイデン氏が勝利宣言した2020年11月7日の演説会場でハリス氏は、「民主主義は状態ではなく、行動である」と、公民権運動を指導した故ジョン・ルイス下院議員の言葉を引用し、「米国の民主主義は保証されたものではないという意味です。民主主義は、私たちがそのためのたたかい、守ろうとする意欲と同じだけの強さしかなく、決して当たり前のものではないのです。民主主義を守るには闘いと犠牲が必要ですが、喜びや進歩もある。人々にはよりよい未来を築く力があるのですから」と演説しました。
「私は女性として最初の副大統領になるだろうが、最後にはならない」
ハリス氏は演説で、2020年はアメリカで女性に参政権が憲法で保障されて100年にあたることにも触れ、「19歳でインドからアメリカに来た母はこの瞬間を想像はしなかっただろう。黒人、アジア系、白人、ラティーナ(中南米系)、先住民の女性が道を開いた」と話しました。
その上で、「私は女性として最初の副大統領になるだろうが、最後にはならない。なぜなら今夜、ここは可能性の国であるということを、すべての少女が目の当たりしたからだ」と話しました。
「分断社会を打ち破れるか」
アメリカは建国の1776年以来、44人の大統領、48人の副大統領の全員が男性という保守的な国です。
前回の大統領選ではヒラリー・クリントン氏が初の女性大統領になるのが大方の予想でしたが、男性のトランプ氏に敗れました。アメリカ初の女性副大統領の誕生は、厚かったガラスの天井を、バークリーが育んだ女性が破るという歴史的なことです。
課題は、アメリカの深刻な現状の改善です。分断した社会を打ち破れるかが、ハリス氏に問われます。アメリカ初の女性副大統領の行動に注目しましょう。
ジョン・ルイス下院議員は生前、「民主主義は状態ではなく、行動である」と記しました。米国の民主主義は保証されたものではないという意味です。民主主義は、私たちがそのためのたたかい、守ろうとする意欲と同じだけの強さしかなく、決して当たり前のものではないのです。民主主義を守るには闘いと犠牲が必要ですが、喜びや進歩もある。人々にはよりよい未来を築く力があるのですから。
私たちの民主主義が今回の選挙で投票にかけられました。米国の魂は危機に直面し、世界が注目しましたが、みなさんは米国に新たな日をもたらしました。あなたがたは希望、結束、品位、科学(への信頼)、そして真実を選んだのです。
今日の私という存在にとって、最も重要な女性がいます。私の母シャマラ・ゴパラン・ハリスです。彼女は19歳でインドから米国に来ましたが、おそらくこの瞬間を想像もしなかった。でも、彼女はこの瞬間が起こりうる米国をとても深く信じていました。
私は彼女と、1世紀以上にわたって投票の権利を確保し、守る努力をしてきたすべての女性に思いをはせます。私は彼女たちの偉業の上にあります。私は初の女性副大統領になりますが、最後の女性副大統領にはならないでしょう。なぜなら今夜、これが可能性に満ちあふれた国だということを、すべての少女たちが目の当たりにしたからです。
これから本当の仕事が始まります。命を救い、この(新型コロナウイルス)パンデミックに打ち勝つのに不可欠な仕事です。働く人たちの役に立つように経済を立て直します。我々の司法制度と社会にある構造的な人種差別を根絶させます。気候変動と闘います。私たちの国を団結させ、私たちの国の魂をいやします。
「労働組合つぶしの大弾圧を許さない実行委員会」への賛同の呼びかけ PDF
「関生事件」が揺るがす労働基本権
<労働裁判が働き手を素通りするとき> ココをクリック
641日勾留された武委員長が語る
「関西生コン事件」で逮捕された武建一委員長は今年5月29日、641日ぶりに保釈された。その1ヵ月後に収録されたロングインタビューをまとめた本が昨年12月10日発刊された。
・一連の事件は、なぜ起きたのか?
・関生支部とはどのような労働組合なのか?
・武建一という人物はいったい何者なのか?
そんな疑問に事実をもって答える1冊。ぜひ、お読みください。『武建一が語る 大資本はなぜ私たちを恐れるのか』
発行・旬報社、四六判218ページ、定価1500円+税
*全日建(全日本建設運輸連帯労働組合)にお申し込みいただければ頒価1500円(送料込み)でお届けします。多部数の場合はお問い合わせください。
お問い合わせ03-5820-0868
【目 次】
第1章 刑事弾圧
641日にもおよんだ勾留生活/なぜ私は逮捕されたのか/協同組合の変質/労組破壊に参加したレイシスト
第2章 「タコ部屋」の過酷労働
私の生い立ち/「練り屋」と呼ばれて/労働運動に目覚める/関生支部の誕生/初めての解雇
第3章 闘いの軌跡
万博不況とオイルショック/ヤクザと生コン/経済界が恐れる産業別労働運動
第4章 大同団結
安値乱売で「がけっぷち」/大阪広域協組の誕生/シャブコン/2005年の弾圧事件/ゼネスト決行/目指すべき場所
解題・安田浩一(ジャーナリスト)
皆様には御元気で御活躍のことと存じます。
この間、全国の多くの皆様より私たち関生支部に対する国家権力と大阪広域生コンクリート協同組合、差別排外主義者集団が一体となった攻撃をはね返す闘いに、多大な御支援をいただきまして誠にありがとうございます。
このたび、著書『大資本はなぜ私たちを恐れるのか』を昨年12月10日に発行する運びとなりました。
今日まで、私は、会社の雇ったヤクザに5回以上殺されかけたり、刑事事件をでっち上げられ前科5犯にさせられています。
1980年代には日経連の大槻文平会長(当時)から「関生型運動は資本主義の根幹に触れる」と言われ、国家権力とマスコミからは「生コンのドン」「金を企業からむしり取る」などとして「反社会的勢力」とレッテルを貼られています。
それはなぜか。歴史と今日を振り返り、事実を元に書かせていただいています。
是非、一読下さい。
心より愛をこめて
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