関西生コン労働組合の弾圧を許さない東京の会・第2回総会

関西生コン労働組合の弾圧を許さない東京の会・第2回総会が4月11日、東京しごとセンターで開催され、多くの闘う仲間が結集しました。

「闘いを通じて結びつく労働者が多いことに共感している」

司会の福島さんが「昨年3月、関生弾圧をはね返し、日本労働運動の再生をめざして起ち上がった東京の会。本日は第2回の総会を迎えた」と総会の開会を宣言しました。
開会あいさつでは、東京中部ユニオン委員長の原由美子さんが、「2回目の総会は、1年間の闘いを振り返るいい機会だ。東京の会では、業種別・職種別労組すなわち関生型労働運動をつくることが必要だと学んだ。武委員長への懲役8年の求刑はとんでもないことであり、憤りをかくせない。私たちは郵便局と闘っている。その闘いを通じて結びつく労働者が多くいることに共感している」とあいさつしました。

「今、起ち上がらなければ」

各地の支援する会からのあいさつでは、関西生コン労組の弾圧を許さない東海の会・共同代表の柿山さんが「昨年の東海の会の総会に東京から6名が参加してくれたことに喜びを感じた。関生弾圧粉砕の闘いが、動労千葉、港合同、関生支部の共闘を深め、労組交流センターの運動が発展している。東海の会は、見える運動として、街頭行動で関生弾圧の支援を広げている。『今起ち上がらなければ』を仲間と共有して行動を展開している。東京の会と共に力を合わせて、敵よりも長く闘おう」とあいさつしました。
※東海の会からは、事務局長・近森泰彦さんからメッセージが寄せられています。

「組織拡大で弾圧を粉砕する」

関生弾圧を考える神奈川の会からは、船木さんが「3月30日の武委員長への懲役8年の求刑は、実刑攻撃と関生抹殺攻撃であり弾劾する。神奈川では、2回の学習会を開催するなど、闘う地域労組を確立する取り組みを展開したことで、地域労組の再生が始まっている。民主主義はストライキなどの闘いで勝ち取るものだ。産業民主主義、闘う労働組合の再生をめざして、県内の未組織労働者の組織化で闘う。組織を拡大して弾圧を粉砕する」とあいさつしました。

「若者は失敗を恐れずに挑戦してほしい」

関生支部・武委員長のビデオメッセージでは、関生支部の運動の歴史を、経済闘争、思想闘争、政治闘争の三位一体の闘いの具体例を述べながら紹介したあと、今回の資本・権力が一体となった弾圧の背景と本質を述べました。最後に、二和病院のストライキに感動を示したあと、「若い人たちは失敗を恐れずに挑戦してほしい」とのメッセージがありました。

「敵に屈せず『関生型労働運動の発展』に全力を尽くす」

続いて、関生支部の武谷書記次長から闘争報告。武谷書記次長は、この間の関生支部弾圧への支援にお礼を述べたあと、昨年の武委員長、湯川副委員長の奪還や労働委員会の勝利命令、奈良の解雇撤回・現職復帰、今年2月の白バス事件の高裁逆転勝利判決、3月30日のナニワ生コン行動、4月9日の堺市包囲行動の成功などの闘いの成果を報告。課題として、大阪地裁や京都地裁の反動判決には、高裁で無罪を勝ち取るために全力をつくすこと、3月30日の武委員長への懲役8年という検察の求刑を粉砕すると決意表明し、引き続きの支援を訴えました。
最後に、武谷書記次長は、本総会に寄せられた武委員長からのメッセージを紹介。「今回の検事による不当な求刑は、国策捜査の本質を現したものだ。国際的標準である関生支部の産業別労働運動を抹殺することであり、関生支部が55年の闘いで獲得した、産別賃金、産別雇用、産別福祉、背景資本への責任追及、集団交渉、中小企業との一面共闘で大企業の収奪と闘い産業民主化を実現する運動を抹殺することにあることが明白となった。憲法28条を否定する極めて反動的な求刑を容認することは、日本労働運動そのものを否定することになりかねない。敵の攻撃が、関生の歴史と今日を抹殺することを許さない。私は歴史的な闘いを展開していることを喜び、誇りとしており、敵に屈することはないことを明らかにする。今後も関生型労働運動の発展に向け全力を尽くしつつ、7月13日の判決に向け、無罪獲得を目指し、全国の仲間と共に全力を尽くす決意だ」(抜粋)との武委員長の決意が表明されました。

「ゼネストの萌芽を恐れる権力の意図が明らか」

藤田正人弁護士から「関西生コン弾圧とは何か-判決から見られる弾圧の本質」と題した特別報告がされました。藤田弁護士は、大阪ストライキ第2事件、加茂生コン第1事件、大阪ストライキ第1事件の事実経過を分析し、それぞれの事件について本質と問題点を詳しく述べました。最後に藤田弁護士は「産業別労働組合、業種別労働組合をつぶす狙いと、ゼネストの萌芽を恐れる権力の意図が明らかだ」と弾圧の本質と背景を語りました。

「映画『棘2』が完成、書籍『労働組合とは何か』の発刊」

映画監督の杉浦監督とプロデューサーの平林猛さんから、ドキュメンタリー映画『棘2』と、書籍『棘男2』のアピールがありました。映画『棘2』のプロモーションビデオを上映したあと、杉浦監督は「新作の『棘2』の上映は、最初に大阪でおこない、全国に上映会を開催する闘いに挑む」とあいさつしました。
東京の会からカンパアピールがおこなわれたあと、木下武男さんの新書籍『労働組合とは何か』(岩波新書)の紹介がされました。

「パネルディスカッション『関生支部に学び闘う労働組合をつくろう』」

第2部のパネルディスカッションは、コーディネーターを木下武男さん(元昭和女子大学教授)が、パネラーは、東京西部ユニオン鈴コン分会分会長・吉本さん、動労千葉委員長・関さん、関生支部・武谷さんでおこなわれました。
木下武男さんは、「関生弾圧への物心両面の支援はもちろんだが、関生型運動に学び、日本労働運動の再生をめざして関生のような労働組合をどうつくるのか。武委員長への求刑をはね返すにはどうやっていくかを具体化することが重要。1982年弾圧の原点に戻ろう。関生型運動が、箱根の山を越えた東京生コン支部は、大槻文平などの資本と権力の弾圧により撤退を余儀なくされ、関生型運動は関西に閉じこめられた。東京で決着をつけよう。東京生コン支部の再生が関生弾圧を粉砕する。全国的な産業別運動をつくり出すことだ。一点突破方式、全国展開で日本労働運動の再生を実現することを目的にディスカッションしたい」と提起しました。
吉本さん、武谷さん、関さんの3人が、それぞれ組織拡大活動の実践と今後の計画などを述べ、会場からの質疑応答を受けたあと、業種別・職種別労組、産別労組をつくり、関生型労働運動の全国化を展開することを確認して、パネルディスカッションを締めくくりました。

「東京の会としての組織活動を展開しよう」

総会のまとめを金元重さん(元千葉商科大学教授)がおこないました。金元重さんは「昨年の結成総会では、武委員長は拘留中だったが、今回、ビデオメッセージを通じて関生運動を見ることができた。藤田弁護士の司法分析では、司法が産別運動をよく理解しているから、悪い方向に判決文を書いたことがわかった。パネルディスカッションでは、東京での産別労組つくりに展望を見いだした。医療産別を含め、東京の会としての組織活動を展開しよう」と提起しました。最後に、金元重さんのかけ声で「団結がんばろう」を全員で唱和して総会はお開きとなりました。

「労働組合つぶしの大弾圧を許さない実行委員会」への賛同の呼びかけ PDF

ハーバービジネスオンライン
「関生事件」が揺るがす労働基本権
<労働裁判が働き手を素通りするとき> ココをクリック
関西生コン事件ニュースNo.52  ココをクリック

日刊深夜快速Vol.3551/水曜版・週刊大石ちゃん自由自在(仮)~関西生コンスペシャル・前編~ ココをクリック

日刊深夜快速Vol.3558/水曜版・週刊大石ちゃん自由自在(仮)~関西生コンスペシャル・後編~ ココをクリック

挑戦を受ける労働基本権保障――一審判決(大阪・京都)にみる産業別労働運動の無知・無理解 (検証・関西生コン事件1)(日本語) 単行本 – 2021/4/20

業者団体と警察・検察が一体となった組合弾圧=「関西生コン事件」がはじまって4年。
労働法研究者、自治体議員、弁護士の抗議声明が出され、労働委員会があいついで組合勝利の救済命令を下す一方、裁判所は産業別労働組合への無知・無理解から不当判決を出している。
あらためて「関西生コン事件」の本質、不当判決の問題点を明らかにする!
連帯ユニオン(著)、小谷野 毅(著)、熊沢 誠(著)、& 2 その他
発行・旬報社、定価800円+税

「関西生コン事件」がはじまってから4年目となります。
関生支部(全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部)を標的として、大阪広域生コンクリート協同組合(大阪広域協組)が日々雇用組合員の就労拒否(400人以上)、正社員組合員の解雇、業界あげての団交拒否を開始したのが2018年1月。このあからさまな不当労働行為の尻馬に乗って、滋賀県警が半年後の2017年7~8月にかけて組合員と生コン業者ら10人を恐喝未遂容疑で逮捕しました。その後、大阪、京都、和歌山の三府県警が、2019年11月にかけて、じつに11の刑事事件を仕立てあげ、のべ89人もの組合員と事業者を逮捕。数え上げるとじつに計18回も逮捕劇がくりかえされ、のべ71人が起訴される事態に発展しました。いずれも、ストライキやビラまき、建設現場の法令違反を調査、申告するなどして公正な取引環境を実現するためのコンプライアンス活動、破産・倒産に対して雇用確保を求める工場占拠闘争など、あたりまえの労働組合活動が、恐喝未遂、恐喝、強要未遂、威力業務妨害といった刑事事件とされたものです。
業者団体と警察・検察が表裏一体となった組合弾圧、それが「関西生コン事件」です。
これに対し、歴代の労働法学会代表理事経験者を多数ふくむ78人の労働法学者が2019年12月、憲法28条の労働基本権保障や労働組合法の刑事免責を蹂躙する警察・検察、そしてそれを追認する裁判所を批判して「組合活動に対する信じがたい刑事弾圧を見過ごすことはできない」とする声明を公表しました。全国各地の120人超の自治体議員の抗議声明、弁護士130人の抗議声明なども出されます。また、自治労、日教組などの労働組合や市民団体がつくる平和フォーラムが母体となって「関西生コンを支援する会」が結成されたのをはじめ、各地で支援組織が2019~20年にかけてあいつぎ結成されます。「関西生コン事件」は関生支部だけの問題ではない、労働組合の権利そのものを脅かす事態だという認識が広がっています。
さらに、冒頭に述べた一連の解雇、就労拒否、団交拒否に対抗すべく関生支部が申し立てた20件近い不当労働行為事件において、大阪府労働委員会が2019年秋以降、あいつぎ組合勝利の救済命令を下しています。その数は命令・決定12件のうち10件(2021年4月現在。大半が中央労働委員会に再審査事件として係属)。団結権侵害を主導した大阪広域協組の責任が明確になってきました。
一方、11件の刑事事件はその後、各事件の分離、併合の結果、大阪、京都、和歌山、大津の四地裁において8つの裁判に整理され、審理がすすめられ、現在までに、大阪ストライキ二次事件(2020年10月)、加茂生コン第一事件(同年12月)、大阪ストライキ一次事件(2021年3月)の3つの一審判決が出されています。
これら判決は、労働委員会事件で出された勝利命令とは対照的に、いずれも労働組合運動に対する浅薄な理解と認識をもとに、大阪広域協組の約束違反や企業の不当労働行為を免罪する一方で、産業別労働組合としての関生支部の正当な活動を敵視するものとなっています。
そこで、この機会に、あらためて「関西生コン事件」とはなにか、また、これら不当判決の問題点はなにかを、労働組合運動にたずさわる活動家のみなさまをはじめ、弁護士、研究者、ジャーナリストのみなさまに一緒に考えていただくために、裁判や労働委員会に提出された研究者の鑑定意見書などを収録した『検証・「関西生コン事件」』を随時発刊することにしました。
控訴審において無罪判決を勝ち取るために努力するのはもちろんのことですが、不当判決を反面教師として、先達が築いてきた労働運動の諸権利を学び直し、新たな運動を創造していくことが私たちに求められていると考えます。本書がその手がかりとして活用されることを願ってやみません。
amazonで購入できます。ココをクリック

なぜ、いま戦後最大規模の刑事弾圧が労働組合に加えられているのか!?
641日勾留された武委員長が語る

「関西生コン事件」で逮捕された武建一委員長は今年5月29日、641日ぶりに保釈された。その1ヵ月後に収録されたロングインタビューをまとめた本が昨年12月10日発刊された。
・一連の事件は、なぜ起きたのか?
・関生支部とはどのような労働組合なのか?
・武建一という人物はいったい何者なのか?
そんな疑問に事実をもって答える1冊。ぜひ、お読みください。『武建一が語る 大資本はなぜ私たちを恐れるのか
発行・旬報社、四六判218ページ、定価1500円+税
*全日建(全日本建設運輸連帯労働組合)にお申し込みいただければ頒価1500円(送料込み)でお届けします。多部数の場合はお問い合わせください。
お問い合わせ03-5820-0868
【目 次】
第1章 刑事弾圧
641日にもおよんだ勾留生活/なぜ私は逮捕されたのか/協同組合の変質/労組破壊に参加したレイシスト
第2章 「タコ部屋」の過酷労働
私の生い立ち/「練り屋」と呼ばれて/労働運動に目覚める/関生支部の誕生/初めての解雇
第3章 闘いの軌跡
万博不況とオイルショック/ヤクザと生コン/経済界が恐れる産業別労働運動
第4章 大同団結
安値乱売で「がけっぷち」/大阪広域協組の誕生/シャブコン/2005年の弾圧事件/ゼネスト決行/目指すべき場所
解題・安田浩一(ジャーナリスト)
皆様には御元気で御活躍のことと存じます。
この間、全国の多くの皆様より私たち関生支部に対する国家権力と大阪広域生コンクリート協同組合、差別排外主義者集団が一体となった攻撃をはね返す闘いに、多大な御支援をいただきまして誠にありがとうございます。
このたび、著書『大資本はなぜ私たちを恐れるのか』を昨年12月10日に発行する運びとなりました。
今日まで、私は、会社の雇ったヤクザに5回以上殺されかけたり、刑事事件をでっち上げられ前科5犯にさせられています。
1980年代には日経連の大槻文平会長(当時)から「関生型運動は資本主義の根幹に触れる」と言われ、国家権力とマスコミからは「生コンのドン」「金を企業からむしり取る」などとして「反社会的勢力」とレッテルを貼られています。
それはなぜか。歴史と今日を振り返り、事実を元に書かせていただいています。
是非、一読下さい。
心より愛をこめて
武 建一

amazonでも購入できます。ココをクリック