速報 大阪第2次弾圧・滋賀県警弾圧併合事件判決

今日の武委員長裁判の判決を報じた午前11:09の産経電子版。ココをクリック

これまでと異なり、組合側は「賃上げのための正当な活動」として無罪主張していたと書いている。

組合の言い分が書かれたのは初めて。この間、積み重ねてきた宣伝活動が当初のデタラメな報道を押し返す成果を一定あげてきたものと評価してよいだろう。

和歌山広域協組事件第6回公判、7月8日、和歌山地裁

連帯ユニオン関西地区生コン支部への権力弾圧をめぐる公判が7月8日、和歌山地裁で開かれました。当日の公判は、検察側の証人尋問でした。

「和歌山広域協組事件とは」

和歌山の生コン企業の経営者らが元暴力団らを使って、宣伝活動などの組合活動を妨害したことや、組合員らを脅すなどした行為に対して、2017年8月22日、関生支部の組合員らが、和歌山広域協組に赴き、抗議と事実検証のための交渉をしたことが、威力業務妨害、強要未遂とされた事件です。

「検察の主尋問」

第6回公判は、検察側の証拠調べで、事件とされている前日(8月21日)、Y生コンに組合結成通知と団体交渉申し入れ時に対応したY生コン社の社長と、和歌山県のH.I生コン協同組合の理事長の証人尋問です。
午前中は、Y生コン・Y社長の検察側主尋問です。Y社長は、8月21日の組合結成通知と団体交渉申し入れのことやその時のトラブル、元暴力団らを労組に差し向けたのは誰なのか?と労働側から問われたことなどについて、検察のストーリーに沿った証言を行いました。

「弁護側の反対尋問」

弁護側は、①T氏(元暴力団で、Y生コン・協組の元社員)の属性について②事件(8月22日)の前日に、Y社長が元暴力団らを差し向けたのは、M理事長(第4回公判の検察側証人)であると示唆したこと③武谷書記次長に暴力団の関係者が多いことを示唆したことなどを、Y社長に尋問しました。
Y社長は弁護団の尋問に対し、生コン納入現場での「生コンの加水や時間超過(1時間30分を超えた生コン)」を認めたあと、弁護団に「加水すれば、生コンの強度が落ちると認識しているならば、加水を現場から強く求められても、断るべきでは」と問われると、Y社長は「断って、金もらえるなら断る」と平然と答えていました。
また、Y生コンが協組を脱退してからは、生コン価格の安売りや他協組のエリア(越境)に営業・納入したことも概ね認めていました。
元社員のT氏(元暴力団)について、弁護団からT氏の特徴を尋ねられると「小指がなかった」と証言しました。
武谷書記次長との面談については、「武谷はウソつきやから、顔から何からすべてボイスで録音している。録音は全部残っている」とY社長。弁護団から「武谷さんに、連帯やって調子にのっとたら、海に沈められるか、山に埋められるぞと発言しましたか」との質問には「たぶんない、ないんちゃうか」と証言。
武谷との面談で「6代目山口組と5代目山口組の分裂について」「極心連合会の組長と仲良くしている」と言ったこと覚えているかとの質問に「忘れた」とY社長は答えていました。

「淡々と証言していた」

午後からは、和歌山県H.I生コン協同組合の理事長U氏の証人尋問です。U理事長は検察側の主尋問を、和歌山県生コン工組理事長にM理事長が就任した経緯、Y生コン社の協組脱退問題、和歌山広域協組の設立、労組とM理事長の対立、仲介者と共に対立の解消に向けて動いたことなどを証言しました。
弁護側の反対尋問では、M理事長の連帯・関生支部に対する怒りが大きかったことについて尋ねました。反対尋問でも、U理事長は淡々と答えていました。
補充尋問では検察官が「U証人はM理事長の証人尋問を傍聴していたが、本日の証言は当時の記憶であり、M理事長とは話しをしていない」とU理事長に確認していました。

「Y生コン・Y社長の証言は重要だった」

公判終了後、弁護団は「本日の公判は、Y生コン・Y社長の証言は重要だった。反対尋問ではいくつかの成果が獲得できた。引き続き無罪判決を目指して取り組む」と報告がされました。被告人とされている当事者からは「無罪を勝ち取るまで闘う」と引き続きの支援が呼びかけられました。

「傍聴支援に駆けつけてくれた多くの仲間に感謝します」

午前、午後と約5時間半という長時間にわたる証人尋問に、傍聴支援に来てくださった仲間のみなさんに感謝します。激しい雨が降る中、遠方から駆けつけてくれた仲間のみなさん、本当にありがとうございました。
次回の第7回公判は、8月26日(木)、10:00から16:00まで、検察側の証拠調べで、連帯・関生事務所前に高級車で乗りつけ、トラブルとなった元暴力団ら2人の証人尋問です。

「労働組合つぶしの大弾圧を許さない実行委員会」への賛同の呼びかけ PDF

ハーバービジネスオンライン
「関生事件」が揺るがす労働基本権
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関西生コン事件ニュースNo.56  ココをクリック

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日刊深夜快速Vol.3558/水曜版・週刊大石ちゃん自由自在(仮)~関西生コンスペシャル・後編~ ココをクリック

挑戦を受ける労働基本権保障――一審判決(大阪・京都)にみる産業別労働運動の無知・無理解 (検証・関西生コン事件1)(日本語) 単行本 – 2021/4/20

業者団体と警察・検察が一体となった組合弾圧=「関西生コン事件」がはじまって4年。
労働法研究者、自治体議員、弁護士の抗議声明が出され、労働委員会があいついで組合勝利の救済命令を下す一方、裁判所は産業別労働組合への無知・無理解から不当判決を出している。
あらためて「関西生コン事件」の本質、不当判決の問題点を明らかにする!
連帯ユニオン(著)、小谷野 毅(著)、熊沢 誠(著)、& 2 その他
発行・旬報社、定価800円+税

「関西生コン事件」がはじまってから4年目となります。
関生支部(全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部)を標的として、大阪広域生コンクリート協同組合(大阪広域協組)が日々雇用組合員の就労拒否(400人以上)、正社員組合員の解雇、業界あげての団交拒否を開始したのが2018年1月。このあからさまな不当労働行為の尻馬に乗って、滋賀県警が半年後の2017年7~8月にかけて組合員と生コン業者ら10人を恐喝未遂容疑で逮捕しました。その後、大阪、京都、和歌山の三府県警が、2019年11月にかけて、じつに11の刑事事件を仕立てあげ、のべ89人もの組合員と事業者を逮捕。数え上げるとじつに計18回も逮捕劇がくりかえされ、のべ71人が起訴される事態に発展しました。いずれも、ストライキやビラまき、建設現場の法令違反を調査、申告するなどして公正な取引環境を実現するためのコンプライアンス活動、破産・倒産に対して雇用確保を求める工場占拠闘争など、あたりまえの労働組合活動が、恐喝未遂、恐喝、強要未遂、威力業務妨害といった刑事事件とされたものです。
業者団体と警察・検察が表裏一体となった組合弾圧、それが「関西生コン事件」です。
これに対し、歴代の労働法学会代表理事経験者を多数ふくむ78人の労働法学者が2019年12月、憲法28条の労働基本権保障や労働組合法の刑事免責を蹂躙する警察・検察、そしてそれを追認する裁判所を批判して「組合活動に対する信じがたい刑事弾圧を見過ごすことはできない」とする声明を公表しました。全国各地の120人超の自治体議員の抗議声明、弁護士130人の抗議声明なども出されます。また、自治労、日教組などの労働組合や市民団体がつくる平和フォーラムが母体となって「関西生コンを支援する会」が結成されたのをはじめ、各地で支援組織が2019~20年にかけてあいつぎ結成されます。「関西生コン事件」は関生支部だけの問題ではない、労働組合の権利そのものを脅かす事態だという認識が広がっています。
さらに、冒頭に述べた一連の解雇、就労拒否、団交拒否に対抗すべく関生支部が申し立てた20件近い不当労働行為事件において、大阪府労働委員会が2019年秋以降、あいつぎ組合勝利の救済命令を下しています。その数は命令・決定12件のうち10件(2021年4月現在。大半が中央労働委員会に再審査事件として係属)。団結権侵害を主導した大阪広域協組の責任が明確になってきました。
一方、11件の刑事事件はその後、各事件の分離、併合の結果、大阪、京都、和歌山、大津の四地裁において8つの裁判に整理され、審理がすすめられ、現在までに、大阪ストライキ二次事件(2020年10月)、加茂生コン第一事件(同年12月)、大阪ストライキ一次事件(2021年3月)の3つの一審判決が出されています。
これら判決は、労働委員会事件で出された勝利命令とは対照的に、いずれも労働組合運動に対する浅薄な理解と認識をもとに、大阪広域協組の約束違反や企業の不当労働行為を免罪する一方で、産業別労働組合としての関生支部の正当な活動を敵視するものとなっています。
そこで、この機会に、あらためて「関西生コン事件」とはなにか、また、これら不当判決の問題点はなにかを、労働組合運動にたずさわる活動家のみなさまをはじめ、弁護士、研究者、ジャーナリストのみなさまに一緒に考えていただくために、裁判や労働委員会に提出された研究者の鑑定意見書などを収録した『検証・「関西生コン事件」』を随時発刊することにしました。
控訴審において無罪判決を勝ち取るために努力するのはもちろんのことですが、不当判決を反面教師として、先達が築いてきた労働運動の諸権利を学び直し、新たな運動を創造していくことが私たちに求められていると考えます。本書がその手がかりとして活用されることを願ってやみません。
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