吉田生コン裁判   解雇の不当性一層明らかに

7月15日、奈良地裁において、㈱吉田生コンクリート(以下、吉田生コン社)が行った組合員に対する不当な懲戒解雇事件の一部にかかわる裁判闘争で、組合側完全勝利(勝利的和解)を勝ち取った。

解雇撤回求め提訴

2018年から警察・検察と一体となった大阪広域協組の関生支部に対する「組合潰し」攻撃に便乗し、奈良地域においても各生コン企業が就労機会の削減・はく奪をちらつかせて関生支部に在籍する日々雇用組合員に対して組合脱退強要を行うようになった。
そうしたなか、2019年4月30日には、本勤労働者が在籍する二つの企業においても「組合潰し」を狙った懲戒解雇が強行された。これに対して私たち関生支部は、労働組合に認められている様々な合法的手段を行使するとともに解雇撤回に向けた法廷闘争に入った。
粘り強い取り組みを続けるなか、本年7月15日、奈良地裁において、吉田生コン社の2年にもおよぶ不当な懲戒解雇事件にかかわる一部の裁判闘争が組合側の完全勝利(勝利的和解)で終結を迎えた。

自らの過ち認める

和解内容はおおむね次の通り。
組合員が解雇された日から復帰するまでの期間の賃金の支払いを行うこと。さらに、吉田生コン社に解決金として110万円の支払い義務があることを確認。
そして、今回の和解でもっとも注目すべき点は、会社が当該組合員に対して行った懲戒解雇が撤回されていることを確認するとともに、「(会社が)懲戒解雇について遺憾の意を表す」という文言が和解文書のなかに記載されたことだ。これは、そもそも吉田生コン社が行った解雇が間違いだったと会社自身が認めたということであり、画期的な内容と言える。
また、今回のように組合側が勝利和解を勝ち取った際には「口外禁止条項」がつけられることが多いが、それも除外された。
こうした和解内容を勝ち取ることができたことは、吉田生コン社の行ったこの解雇劇がいかに不当で根拠のないものだったかを示している。

全面勝利に向かって

インフラ整備事業の一翼を担い、公益性の高い事業を行う吉田生コン社には、当然、関連諸法令の順守が求められており、「労働組合員だから」と従業員を不当に解雇するなどあってはならない。
この間、吉田生コン社に抗議しようと、関生支部のみならず、奈良地域の労働組合や市民団体が積極的に支援行動に取り組んできた。そして、その闘いが各地の反弾圧実行委員会に伝わり、支援の輪が全国に広がったことが今回の勝利の大きな要因となった。
しかし、吉田生コン社との闘いはまだ終わっていない。
もう一名の組合員の解雇撤回闘争は現在も続いている。今後も関生支部は、さらに多くの労働組合や市民団体と連携し、残る一名の解雇撤回・職場復帰の実現=完全勝利に向けて闘い抜く決意だ。

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- お知らせ -          (10月1日更新)
10月7日、和歌山広域協事件の公判ですが、中止となりました。
お間違えのないようにお願いします。
次回の公判は、
10月28日 10:00~となります。
挑戦を受ける労働基本権保障――一審判決(大阪・京都)にみる産業別労働運動の無知・無理解 (検証・関西生コン事件1)(日本語) 単行本 – 2021/4/20
業者団体と警察・検察が一体となった組合弾圧=「関西生コン事件」がはじまって4年。
労働法研究者、自治体議員、弁護士の抗議声明が出され、労働委員会があいついで組合勝利の救済命令を下す一方、裁判所は産業別労働組合への無知・無理解から不当判決を出している。
あらためて「関西生コン事件」の本質、不当判決の問題点を明らかにする!
連帯ユニオン(著)、小谷野 毅(著)、熊沢 誠(著)、& 2 その他
発行・旬報社、定価800円+税

「関西生コン事件」がはじまってから4年目となります。
関生支部(全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部)を標的として、大阪広域生コンクリート協同組合(大阪広域協組)が日々雇用組合員の就労拒否(400人以上)、正社員組合員の解雇、業界あげての団交拒否を開始したのが2018年1月。このあからさまな不当労働行為の尻馬に乗って、滋賀県警が半年後の2017年7~8月にかけて組合員と生コン業者ら10人を恐喝未遂容疑で逮捕しました。その後、大阪、京都、和歌山の三府県警が、2019年11月にかけて、じつに11の刑事事件を仕立てあげ、のべ89人もの組合員と事業者を逮捕。数え上げるとじつに計18回も逮捕劇がくりかえされ、のべ71人が起訴される事態に発展しました。いずれも、ストライキやビラまき、建設現場の法令違反を調査、申告するなどして公正な取引環境を実現するためのコンプライアンス活動、破産・倒産に対して雇用確保を求める工場占拠闘争など、あたりまえの労働組合活動が、恐喝未遂、恐喝、強要未遂、威力業務妨害といった刑事事件とされたものです。
業者団体と警察・検察が表裏一体となった組合弾圧、それが「関西生コン事件」です。
これに対し、歴代の労働法学会代表理事経験者を多数ふくむ78人の労働法学者が2019年12月、憲法28条の労働基本権保障や労働組合法の刑事免責を蹂躙する警察・検察、そしてそれを追認する裁判所を批判して「組合活動に対する信じがたい刑事弾圧を見過ごすことはできない」とする声明を公表しました。全国各地の120人超の自治体議員の抗議声明、弁護士130人の抗議声明なども出されます。また、自治労、日教組などの労働組合や市民団体がつくる平和フォーラムが母体となって「関西生コンを支援する会」が結成されたのをはじめ、各地で支援組織が2019~20年にかけてあいつぎ結成されます。「関西生コン事件」は関生支部だけの問題ではない、労働組合の権利そのものを脅かす事態だという認識が広がっています。
さらに、冒頭に述べた一連の解雇、就労拒否、団交拒否に対抗すべく関生支部が申し立てた20件近い不当労働行為事件において、大阪府労働委員会が2019年秋以降、あいつぎ組合勝利の救済命令を下しています。その数は命令・決定12件のうち10件(2021年4月現在。大半が中央労働委員会に再審査事件として係属)。団結権侵害を主導した大阪広域協組の責任が明確になってきました。
一方、11件の刑事事件はその後、各事件の分離、併合の結果、大阪、京都、和歌山、大津の四地裁において8つの裁判に整理され、審理がすすめられ、現在までに、大阪ストライキ二次事件(2020年10月)、加茂生コン第一事件(同年12月)、大阪ストライキ一次事件(2021年3月)の3つの一審判決が出されています。
これら判決は、労働委員会事件で出された勝利命令とは対照的に、いずれも労働組合運動に対する浅薄な理解と認識をもとに、大阪広域協組の約束違反や企業の不当労働行為を免罪する一方で、産業別労働組合としての関生支部の正当な活動を敵視するものとなっています。
そこで、この機会に、あらためて「関西生コン事件」とはなにか、また、これら不当判決の問題点はなにかを、労働組合運動にたずさわる活動家のみなさまをはじめ、弁護士、研究者、ジャーナリストのみなさまに一緒に考えていただくために、裁判や労働委員会に提出された研究者の鑑定意見書などを収録した『検証・「関西生コン事件」』を随時発刊することにしました。
控訴審において無罪判決を勝ち取るために努力するのはもちろんのことですが、不当判決を反面教師として、先達が築いてきた労働運動の諸権利を学び直し、新たな運動を創造していくことが私たちに求められていると考えます。本書がその手がかりとして活用されることを願ってやみません。
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