中村哲さん、ペシャワール会の活動に学ぶ

アフガニスタンで30年以上にわたり、人道支援に取り組んできたNGO「ペシャワール会」現地代表の医師・中村哲さんが2019年12月4日、灌漑工事の現場に赴く途中のジャララバードで銃撃を受け亡くなってから1年が過ぎました。

「現地の人と同じ目線で考え行動する」

中村哲さんは、医師として1984年からパキスタンのペシャワールでハンセン病の治療に従事していました。
その後、アフガニスタン難民の医療支援に携わった中村哲さんは、アフガニスタンで2000年に起きた大干ばつを目にしたことをきっかけに、「薬があっても、水と食糧がなければ命を救えない」と、土木を独学して、井戸を掘り始めました。
「その地の慣習や文化に偏見なく接すること。自分の物差しを一時捨てることが外国からの支援者が受け入れられる」と話していた中村哲さんは、現地の人と同じ目の高さで見て、考え、行動することを心がけ、できるだけ地元の素材を利用し、地元のやり方で、地元の人の力を活用しました。

「100人の医師より1本の用水路を」

中村哲さんが現地代表を務めるNGOペシャワール会は、約1600本の井戸を掘り、2003年からはさらに「100人の医師より1本の用水路を」と大がかりな灌漑事業を開始しました。全長25キロを超えるマルワリード用水路を完成させ、荒廃した1.6万ヘクタール以上に緑を取り戻したことから、約15万人の難民が故郷に帰還するなど、約65万人がその恩恵を受けたのです。

「自衛隊派遣は有害無益」

2001年9月11日の同時多発テロ直後、中村哲さんは「無差別空爆は絶対にやめて下さい。人々の命を守るために、砂漠を緑に変え、人々の暮らしを取り戻すことが急務です」と発信しました。
「憲法9条を守る」思いを語り、「自衛隊の海外派兵に強く反対」してきた中村哲さんは2001年10月、アメリカのアフガニスタンでの対テロ戦争を自衛隊が後方支援するための特別措置法の国会審議の際には参考人として出席し、「自衛隊派遣は有害無益。私たちが十数年間かけて営々と築いてきた日本に対する信頼感が軍事的プレゼンスによって一挙に崩れ去ることはあり得る」と述べました。

「安保法制を厳しく批判」

メディアのインタビューでは「自衛隊が国際NGOを救出できるようにする、駆けつけ警護するという想定があり得ないことだし、そんなことすると、助かる命も助からない。支援は、その国の人たちの願いと保護を受けてやれることです。地域の住民や行政と信頼関係を築いて、自分たちの安全を保ってきました。それを無視することです」と安保法制について厳しく批判していました。現場で実践している中村哲さんだからこそ、具体的な根拠を示し、明確な批判ができるのです。

「私たちは誰も行かないところに行く」

伊藤和也さんが銃弾に倒れた2008年、活動の見直しを余儀なくされたペシャワール会も、大半の診療所を閉め、日本人メンバーは引き上げましたが、それでも中村哲さんは現地に残り、用水路の建設を続けました。
「現地の人々の命を守る活動をしているからこそ守ってもらえる」との信念を貫いた中村哲さんは、数多くの水路を建設し、砂漠を緑に変え、たくさんの村を復活させ、モスクを学校に築いていきました。
宗教の壁も超え、医師でありながら水路を建設する土木工事の先頭に立ち、農業の復活をめざした中村哲さんの遺志を引き継ぎ、中村哲さんが残した事業を続けていくことが求められています。
中村哲さんの言葉「私たちは誰も行かないところに行く」を胸に、ペシャワール会は活動を続けています。
私たち労働組合は、中村哲さんの思想と行動力、ペシャワール会の活動に学ぶ必要があります。その学習で得たことを現場で実践することが重要です。

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なぜ、いま戦後最大規模の刑事弾圧が労働組合に加えられているのか!?
641日勾留された武委員長が語る

「関西生コン事件」で逮捕された武建一委員長は今年5月29日、641日ぶりに保釈された。その1ヵ月後に収録されたロングインタビューをまとめた本が12月10日発刊される。
・一連の事件は、なぜ起きたのか?
・関生支部とはどのような労働組合なのか?
・武建一という人物はいったい何者なのか?
そんな疑問に事実をもって答える1冊。ぜひ、お読みください。『武建一が語る 大資本はなぜ私たちを恐れるのか
発行・旬報社、四六判218ページ、定価1500円+税
*全日建(全日本建設運輸連帯労働組合)にお申し込みいただければ頒価1500円(送料込み)でお届けします。多部数の場合はお問い合わせください。
お問い合わせ03-5820-0868
【目 次】
第1章 刑事弾圧
641日にもおよんだ勾留生活/なぜ私は逮捕されたのか/協同組合の変質/労組破壊に参加したレイシスト
第2章 「タコ部屋」の過酷労働
私の生い立ち/「練り屋」と呼ばれて/労働運動に目覚める/関生支部の誕生/初めての解雇
第3章 闘いの軌跡
万博不況とオイルショック/ヤクザと生コン/経済界が恐れる産業別労働運動
第4章 大同団結
安値乱売で「がけっぷち」/大阪広域協組の誕生/シャブコン/2005年の弾圧事件/ゼネスト決行/目指すべき場所
解題・安田浩一(ジャーナリスト)
今年も残り少なくなりました。皆様には御元気で御活躍のことと存じます。
この間、全国の多くの皆様より私たち関生支部に対する国家権力と大阪広域生コンクリート協同組合、差別排外主義者集団が一体となった攻撃をはね返す闘いに、多大な御支援をいただきまして誠にありがとうございます。
このたび、著書『大資本はなぜ私たちを恐れるのか』を12月10日に発行する運びとなりました。
今日まで、私は、会社の雇ったヤクザに5回以上殺されかけたり、刑事事件をでっち上げられ前科5犯にさせられています。
1980年代には日経連の大槻文平会長(当時)から「関生型運動は資本主義の根幹に触れる」と言われ、国家権力とマスコミからは「生コンのドン」「金を企業からむしり取る」などとして「反社会的勢力」とレッテルを貼られています。
それはなぜか。歴史と今日を振り返り、事実を元に書かせていただいています。
是非、一読下さい。
心より愛をこめて
武 建一

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