泉北ニシイ(旧・西井商店堺臨海生コン・臨海運輸)闘争、堺市役所前での宣伝活動
不当労働行為企業と労働委員会から認定された「泉北ニシイ社」(旧・西井商店堺臨海生コン・臨海運輸)を周知するために、連帯ユニオン関西地区生コン支部・大阪Cブロックは11月17日、「泉北ニシイ社の労働組合法違反(不当労働行為)を労働委員会が認定した」などを掲げ、堺市役所前で情宣活動を展開。加えて、「大阪にカジノはいらない!」の情宣活動を展開しました。
「泉北ニシイ社は、労働委員会の命令を履行せよ!」
堺市役所前の歩行者道路では、武谷書記次長が右手にマイクを握り、左手に組合旗を掲げて「泉北ニシイ社」(旧・西井商店堺臨海生コン・臨海運輸)が労働組合法に違反している不当労働行為の事実や、大阪府労働委員会から労働組合法に違反している「不当労働行為企業」に認定され、救済命令が出されたのに、その命令を履行しない態度に終始していること、大阪広域生コン協組の組合つぶしが背景にあること、堺市は「泉北ニシイ社」の違法行為を放置せずに適切な指導を行うべき、関生支部への権力弾圧で無罪判決が出たこと、検察官による組合脱退勧奨が法廷で明らかにされるという「国家的不当労働行為の実態」、「大阪にカジノはいらない、大企業の利益のために大阪の税金を使うな」などを整然と訴えました。
横断幕を掲げた歩行者道路では、関生支部組合員が、堺市役所前を行き交う職員や会社員、市民らにビラを配布しました。
「カジノなんかいらんわ!物価高を何とかしてほしいわ!」
堺市役所・合同庁舎前の玄関では、武谷書記次長の訴えを立ち止まって聴き入っている市民の姿が見られました。
関生支部・機関紙部が作成してくれた「泉北ニシイ(旧・西井商店堺臨海生コン・臨海運輸)闘争ニュース」ビラと大阪・市民交流会が作成した「大阪IR・カジノのダメすぎる2つのポイント」カラー刷りビラは、堺市役所前を行き交う職員や会社員、市民らが、快く受け取ってくれました。
ビラを受け取った男性の市民から「労働組合さん、頑張れ!」と声援がありました。また、ビラを受け取った女性が「ほんまや、カジノなんかいらんわ!物価高を何とかしてほしいわ!」と憤慨していたのが印象的でした。
午前9時ころから約1時間の行動でしたが、武谷書記次長の訴えに、堺市役所前を行き交う職員や会社員、市民らに、多いにアピールすることができました。ビラは、41枚(カジノ反対ビラとセット)の配布でした。引き続き、堺市役所前での宣伝活動を展開します。
「不当労働行為企業と認定された」
堺市に所在する、泉北ニシイ社(旧・西井商店堺臨海生コン・臨海運輸)が、連帯・関生支部の組合員を不当に雇い止めした事件について、大阪府労働委員会は2020年7月29日、「労働組合に謝罪文を手交すること」などと命令し、労働組合法に違反する「不当労働行為企業」と認定しました。
ところが、泉北ニシイ社の経営陣は、現在においても、大阪府労働委員会の命令を履行しない態度をとり続けています。
「大阪広域生コン協組の『労働組合つぶし』が発端」
「泉北ニシイ」(旧・西井商店堺臨海生コン・臨海運輸)の不当労働行為は、大阪広域生コンクリート協同組合(大阪広域生コン協組)の関生支部つぶし、いわゆる「労働組合つぶし」が発端なのです。
「泉北ニシイ」(旧・西井商店堺臨海生コン・臨海運輸)と関生支部は、生コン業界の再建・発展に向けて協力し、労使関係も安定していました。生コンの適正価格が実現したときには、非正規の正規化など労働条件の改善・向上も約束していた企業だったのです。
ところが、2018年から始まった大阪広域生コン協組の関生支部つぶしに、大阪広域生コン協組の執行部から圧力と恫喝をかけられ、無理やり「労働組合つぶし」に協力させられたという背景があります。
しかし、労働委員会の命令を無視する不当労働行為企業(違法企業)を放置することはできません。今後の闘争方針として、関生支部の先輩たちが築き上げてきた闘いを継承し、背景資本への追及を含めたあらゆる行動を展開して、「泉北ニシイ」(旧・西井商店堺臨海生コン・臨海運輸)闘争に勝利するまで闘います。
あわせて産業別労働運動つぶし、大阪広域生コン協組の関生支部つぶしをはね返し、「大阪広域生コン協組の民主化」実現に向けて、勝利するまで闘います。
映画 ここから 「関西生コン事件」と私たち
この映画は「フツーの仕事がしたい」「アリ地獄天国」など労働問題を取り上げ注目を浴びている土屋トカチ監督の最新作。「関西生コン事件」の渦中にある組合員たちの姿を描いた待望のドキュメンタリー映画『ここから「関西生コン事件」と私たち』がこのほど完成。10月下旬から各地で上映運動がはじまった。10 月 23日には「関西生コン労組つぶしの弾圧を許さな い東海の会」が名古屋で、11月6日には「労働組合つぶしの大弾圧を許さない京滋実行委員会」京都で上映会。業界・警察・検察が一体となった空前の労働組合つぶしに直面した組合員と家族の物語を見つめた。(写真右は京都上映会 で挨拶する松尾聖子さん) 今後、11月13 日には護憲大会(愛媛県松山市)、同月25日は「労働組合つぶしを許さない兵庫の会」が第3回総会で、12月16日は「関西生コンを支援する会」が東京で、それぞれ上映会をひらく。
お問い合わせはコチラ ココをクリック
賃金破壊――労働運動を「犯罪」にする国 竹信三恵子(著)– 2021/11/1 旬報社 1,650円(税込み) 1997年以降、賃金が下がり続けている先進国は日本だけ。 そんななか、連帯ユニオン関西地区生コン支部は、賃上げも、残業規制も、シングルマザーの経済的自立という「女性活躍」も実現した。 業界の組合つぶし、そこへヘイト集団も加わり、そして警察が弾圧に乗り出した。 なぜいま、憲法や労働組合法を無視した組合つぶしが行なわれているのか。 迫真のルポでその真実を明らかにする。
目次 :
プロローグ
第1章 「賃金が上がらない国」の底で
第2章 労働運動が「犯罪」になった日
第3章 ヘイトの次に警察が来た
第4章 労働分野の解釈改憲
第5章 経営側は何を恐れたのか
第6章 影の主役としてのメディア
第7章 労働者が国を訴えた日
エピローグ
【著者紹介】 竹信三恵子 : ジャーナリスト・和光大学名誉教授。東京生まれ。1976年東京大学文学部社会学科卒、朝日新聞社入社、経済部、シンガポール特派員、学芸部次長、編集委員兼論説委員(労働担当)、2011-2019年和光大学現代人間学部教授。著書に『ルポ雇用劣化不況』(岩波新書、日本労働ペンクラブ賞)など。貧困や雇用劣化、非正規労働者問題についての先駆的な報道活動に対し、2009年貧困ジャーナリズム大賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
第 10 回「日隅一雄・情報流通促進賞」の特別賞を受賞 詳しくはコチラ
amazonで購入できます。 ココをクリック