関生支部の産業別労働運動⑯

「暴力団ないし暴力団関係者の労使問題への介入」

生コン産業において、特に関西地域では、暴力団ないし元暴力団などが労使問題に介入し、労働組合を潰すために、組合員に対して脅迫、暴行、傷害、はては殺害するなどの凶行に及ぶことが際立っています。

「植月さん殺害事件」

1974年11月16日、全国自動車運輸労働組合大阪合同支部片岡分会の植月一則副分会長が殺害され、堺の埋立地から発見されました。
犯人は会社の意を受けた労務課員と山口組系暴力団員3名でした。警察は捜査を途中で打ち切りましたが、組合は二波のストライキで抗議。1975年6月、会社の謝罪と遺族補償を勝ち取りました。

「昭和レミコン事件」

1975年11月、昭和レミコン社は分会(1974年7月22日結成)に対し、一方的に協定慣行の破棄を通告してきました。会社は、暴力団員(山口組系入江組)を従業員に雇って、組合潰しを図りました。1976年8月、神戸市内の料亭で暴力団従業員との和解が成立しました。

「名神運輸事件」

1974年9月、会社(小型ダンプ部門)は、山口組系を自称する暴力団員樋口に企業譲渡したと分会に通告し、同年12月に企業を閉鎖しました。分会は職場占拠を行い1976年5月、労働債権を含む解決金で和解しました。

「関生書記長監禁事件」

1979年5月22日、「入江組の越智」と名乗る者から関生支部に電話がありました。「組合が昭和レミコンに何か申し入れをしたらしいが、そんなことをするなら組合事務所に火を付けたる。幹部の家もムチャクチャにしてやる」と脅したうえ、「昭和レミコンも交えて話し合いたい」との呼び出しでした。
呼び出し指定の6月10日、当時の関生書記長が新大阪駅前のチサンビルに行くと、5人の組員が待ち構えて、「昭和レミコン分会を解散させろ」などと強要してきたのです。それを拒否すると、5人がかりで暴行を加え、手足を縛り上げ、翌11日の朝まで14時間にわたり監禁し、暴行を繰り返しました。

「高田建設事件」

1982年2月、株式会社高田建設の従業員らが高田分会を結成。会社は、分会長らを解雇しました(後に解雇は撤回された)。同年4月7日、暴力団員風の男が分会員に暴力を加えました。そして、同年4月14日、野村雅明書記長は刺殺されました。
1983年2月、会社は分会事務所を実力で封鎖しました。分会事務所を使用させる仮処分決定後も使用させない状態が続きました。同年4月、野村書記長一周忌を前にして会社に対する抗議行動を行いました。5月10日頃から分会員らは非組合員らの実力により出勤できない状態となりました。
同年8月1日、話し合い解決のために会議室に入った分会員が非組合員に机を蹴飛ばされて負傷しました。
1984年1月、関生支部は株式会社高田建設に対し、安全就労の保障を求めるための団体交渉を申し入れましたが、会社は拒否。1985年3月8日、兵庫県地方労働委員会は団交拒否の不当労働行為を認定しました。

「斉藤建材・バニッシュ事件」

2005年1月15日、斉藤建材株式会社とその専属輸送会社である有限会社バニッシュが、山口組系暴力団との関係を公言する者をバニッシュの代表取締役に就任させました。同代表者は「わしが社長や。おまえら出て行け」「殺したろか」などと関生支部役員らに暴言を吐きました。「会社を辞めるか組合を辞めるか」と組合脱退を強要した組合員を懲戒解雇しました。
2007年3月1日、会社経営陣と一部従業員らが、団体交渉を申し入れた組合役員や組合員らの足を踏みつけ、バイクで突っ込むなどの暴力を加えました。これに対し、組合員らが抗議し双方にけが人が出ました。
2007年5月8日、大阪府警は関生支部の湯川委員長(当時執行委員)をはじめ合計4人の執行委員を逮捕しました。
2007年6月12日、大阪府労働委員会は斉藤建材の不当労働行為を認定しました。その後、斉藤建材およびバニッシュの代表者が関生支部に謝罪しました。

ヒューライツ大阪HP
国連ビジネスと人権作業部会による訪日調査報告書が示した課題(その3)-労働の権利
国連「ビジネスと人権」に関する作業部会(以下、作業部会)が5月28日に国連のウェブサイトに公表した訪日調査報告書の内容を紹介するシリーズ「その3」では、「テーマ別懸念事項」でとりあげられた「労働の権利」として3つの課題に関して焦点をあてます。詳しくはココをクリック
MBS(毎日放送)映像’24「労組と弾圧」がギャラクシー賞奨励賞を受賞しました。
5月31日、受賞式のようす ココをクリック
【MBSラジオがネットで聞けるようになりました】
ドキュメンタリー番組の前に放送されたMBSラジオ「関西生コン事件とは何か」がネットで聞けるようになりました。
以下のところから聞くことができます。
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関生弾圧について家族の目から描いた『ここから~「関西生コン事件」と私たち』が5月10日、2023年日隅一雄・情報流通促進賞奨励賞に選出されました。詳しくはコチラ ココをクリック

第26回ソウル人権映画祭で上映されました。 ココをクリック
6月13日から開催される、第26回ソウル人権映画祭(ソウルマロニエ公園一帯)。
14日(金)に『ここから「関西生コン事件」とわたしたち』が上映されます。英語・韓国語・字幕、韓国手話付き。全22作品を上映。

映画 ここから 「関西生コン事件」と私たち
この映画は「フツーの仕事がしたい」「アリ地獄天国」など労働問題を取り上げ注目を浴びている土屋トカチ監督の最新作。「関西生コン事件」の渦中にある組合員たちの姿を描いた待望のドキュメンタリー映画『ここから「関西生コン事件」と私たち』がこのほど完成。業界・警察・検察が一体となった空前の労働組合潰しに直面した組合員と家族の物語を見つめた。(左写真は松尾聖子さん)いまも各地で上映会がひらかれている。
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関西生コン 作られた「反社」労組の虚像【竹信三恵子のホントの話】
デモクラシータイムスで組合員の苦悩、決意を竹信三恵子さんが詳しく紹介されています。
動画 動画閲覧できます ココをクリック

ー 公判予定 ー

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東京新聞「こちら情報部」

保育園に入れるための就労証明が犯罪? 労組は反社? 逆転無罪が相次ぐ「関西生コン事件」が示す民主主義の危機 ココをクリック

関連動画 「関西生コン事件」報告集会 ココをクリック
関西生コン弾圧ニュース 102 中労委の現状に強い危機感 ココをクリック
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