労使と共に魅力ある生コン産業へ / 経営者会主催 第1回 人権学習会
10月30日、エルおおさかで大阪兵庫生コン経営者会主催の第1回人権学習会が開催され60数名が参加しました。そのなかには関生事件労働弁護団の弁護士から数名の参加がありました。
今回の学習会は、24春闘集団交渉の労組側要求事項に「ビジネスと人権に関する指導原則について」という項目があり、春闘交渉以降も労使委員会のなかで議論を重ねて開催の運びとなりました。
「自身の生い立ちを語る島田氏」
司会の経営者会事務局・石川氏により進められ、主催者挨拶として理事で新淀生コン社長の岩永氏から、大阪地域における生コン産業の歴史や経営者会の生い立ちなどが説明され、続いて代表理事で今栖産業代表取締役の島田氏より講演を受けました。テーマは「関生事件から学ぶべきこと・経営者としての私の考え」と、経営側から見た労働組合への思いや労使関係のあり方などが語られました。
島田氏は、自身の生い立ち、そのなかでも子どもの頃から住んでいた地域での大人や父親との関わりのなかで、無意識に人権問題にかかわることなどで、人権意識を高めてきたと説明がありました。
「経営者としての闘い」
2018年、大阪広域生コン協組は、前年末に関生支部が行ったストライキに対し報復措置として、「関生支部との決別、生コン業界からの関生排除」を打ち出し、関生支部の組合員が所属する輸送会社や、日々雇用労働者を生コン工場から締め出しました。
当時、今栖産業の従業員が関生支部に在籍していたところ、ある日、大阪広域生コン協組の執行部から唐突に「会社にいる組合員を辞めさせろ」と話があり、島田氏は「従業員が組合に入ることはその人の権利で、その人権を侵害するようなことはできない」と拒んだところ、嫌がらせが始まりました。傭車会社からの応援を断られ、続いて材料(セメント)の供給も、これまで取引していた商社に数量制限、果てに契約解除。供給元になる大手セメントメーカーからは、各販売店に対して「今栖産業にはセメントを卸さないでもらいたい」という圧力をかけてきました。
この問題については、大阪地裁で今栖産業が債権者となり大手セメントメーカーに対して、「債務者のセメント一次販売店に債権者とのセメントの継続的供給契約の締結を拒絶させる行為をしてはならない」と勝利命令が下されています。
このように自身と会社が受けてきた報復に対する闘いの紹介の後に、経営の立場から見た労働組合の存在や役割、関生支部との関係性。そして関生弾圧に対する人権侵害であるという考え方。傍観者ではなく労使が一緒に生コン産業の未来を考えたときに、産業別労働組合が果たしてきた役割と性質を再度よく理解すること。経営利益を優先とした考えが、様々な人権侵害や差別を生み出していることを改めなければならないという話をされました。
「窮地に立たされる状況でも…」
特に印象的なのが「全て経営者の責任です」という言葉が発せられた時に、単純に「この人物はすごい次元にいる」と私は感じましたし、この感性を私たちはもっと学ばなければと、自分自身の次元の低さを改めさせられました。
これまで関生弾圧によって、被害を受けたような〝被害者づら〟的なことを多く耳にしてきました。しかし島田氏と今栖産業は、その煽りを受けて窮地に立たされる状況でも、闘い続け生コン産業の将来を展望、そのためには労組と共闘し、魅力のある産業にしていかなくてはならないと語っていました。
次回開催は未定ですが、継続的に開催して、より多くの人(特に経営者)に学んでもらえることを期待します。
加茂生コン事件差し戻し審完全無罪判決を獲得するべく、12月17日から新たに加茂生コン事件署名活動がスタートしました。
京都事件については団体署名でしたが、加茂生コン事件については各地の要望をふまえて個人と団体の2種類の署名活動に取り組むことになりました。
「関西生コンを支援する会」は、署名活動用に加茂生コン事件とはなにかを描いたニュース号外(漫画新聞)を発行しています。
提 出 先:大阪高等裁判所第3刑事部
署名の種類:団体署名と個人署名の2種類
署名用紙は、団体署名 ココをクリック 個人署名 ココをクリック
集約と提出:第1次集約 1月末日
第2次集役 2月末日
最終週役 3月末日
送 り 先:〒101ー0062
東京都千代田区神田駿河台3ー2ー11 連合会館
フォーラム平和・人権・環境気付
関西生コンを支援する会 ホームページ ココをクリック
TEL:03ー5289ー8222
労働組合活動を犯罪扱いさせてはなりません
「京都事件」は、ベスト・ライナー、近畿生コン、加茂生コンの3つの事件(労働争議)を併合審理する刑事裁判です。労働争議の解決金を受領したことが「恐喝」とされています。
争議解決にあたって、会社側に解雇期間中の未払い賃金、雇用保障、組合の闘争費用などを解決金として支払わせることは、裁判所や労働委員会でも当然の実務として定着しています。ところが、警察・検察は、関生支部は労働組合を名乗る反社会勢力で、金銭目当てで活動してきたそんなストーリーで前代未聞の事件を仕組んだのです。
企業の団結権侵害に対する抗議行動や団体行動を犯罪扱いする警察・検察の暴挙を許せば、憲法28条が保障した労働基本権がなかった時代への逆戻りです。裁判所は毅然たる姿勢で無罪判決を出すべきです。すべての労働組合のみなさまに署名活動へのご協力をよびかけます。
署名活動の実施要領
提 出 先:京都地方裁判所第2刑事部
署名の種類:団体署名を実施します(個人署名ではありません)
署名用紙は、 ココをクリック
集約と提出:第1次集約 9月末日(10月中旬提出)
第2次集役 10月末日(11月中旬提出)
最終週役 11月末日(12月中旬提出)
送 り 先:〒101ー0062
東京都千代田区神田駿河台3ー2ー11 連合会館
フォーラム平和・人権・環境気付
関西生コンを支援する会 ホームページ ココをクリック
TEL:03ー5289ー8222
ー 報告 ー
12月19日、京都事件の無罪判決を求める署名994団体分を京都地裁第2刑事部に提出した。署名提出には京滋実行委員会共同代表の稲村守さん、きょうとユニオンの服部恭子さん、弁護団の永嶋靖久弁護士が同行した。(写真)総選挙があり集約が遅れていたが、この日提出したのは第2次集約分。このほか約500団体分が届いており、12月末日で締め切り年明け早々にも提出する予定。
ご協力いただいた団体の方にお礼申し上げます。
【竹信三恵子のホントの話】
デモクラシータイムスで、「関西生コン事件」の解説。刑事裁判で無罪になった二人の組合員と、組合員を雇った、組合員に仕事を出したことを背景にセメントの販売を拒絶され兵糧攻めにあっているセメント製造業者をインタビュー。また、「産業別労働組合」の歴史の経過を詳しく解説。
動画閲覧できます ココをクリック
ドキュメンタリー番組の前に放送されたMBSラジオ「関西生コン事件とは何か」がネットで聞けるようになりました。
以下のところから聞くことができます。
▼Spotify ココをクリック
▼Apple ココをクリック
▼Amazon ココをクリック
関生弾圧について家族の目から描いた『ここから~「関西生コン事件」と私たち』が5月10日、2023年日隅一雄・情報流通促進賞奨励賞に選出されました。詳しくはコチラ ココをクリック
第26回ソウル人権映画祭で上映されました。 ココをクリック
6月13日から開催される、第26回ソウル人権映画祭(ソウルマロニエ公園一帯)。
14日(金)に『ここから「関西生コン事件」とわたしたち』が上映されます。英語・韓国語・字幕、韓国手話付き。全22作品を上映。
映画 ここから 「関西生コン事件」と私たち
この映画は「フツーの仕事がしたい」「アリ地獄天国」など労働問題を取り上げ注目を浴びている土屋トカチ監督の最新作。「関西生コン事件」の渦中にある組合員たちの姿を描いた待望のドキュメンタリー映画『ここから「関西生コン事件」と私たち』がこのほど完成。業界・警察・検察が一体となった空前の労働組合潰しに直面した組合員と家族の物語を見つめた。(左写真は松尾聖子さん)いまも各地で上映会がひらかれている。
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ー 公判予定 ー
12月はありません |
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