関生支部の産業別労働運動㉕

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真相はこれだ!関生事件 無罪判決!【竹信三恵子の信じられないホントの話】 ココをクリック
無罪!関西生コン委員長に判決【探査報道最前線】ココをクリック

「京都府における関生支部の活動経過(3)」

「労使が協力した闘いの成果」

京都生コン協組の体制一新により、影響力を失ったT氏は2016年2月、自らが代表者を務める近畿生コン社の破産を申請しました。
関生支部と近畿生コン社は、優先雇用協定(会社は関生支部が推薦する組合員を雇用する)を締結しており、2016年当時、正社員1名と日々雇用3名の優先雇用枠があったのです。
近畿生コン社の破産に対して関生支部は、組合員の雇用を確保する方針のもと迅速に取り組みました。また、体制刷新を行い生コン価格の値戻しに向けて動き始めた京都生コン協組も危機感をもって対応しました。
新規参入業者が、近畿生コン社の生コン工場を丸ごと買い取り、営業することで、再び価格競争(生コン価格のダンピング)が起こる可能性があることから京都生コン協組は、関生支部に工場占拠を依頼しました。
生コン協同組合と労働組合の労使が協力・共闘する生コン業界再建を目的とした近畿生コン社の工場占拠闘争が始まったのです。
近畿生コン社の生コン工場占拠闘争の約半年後、生コン産業とは関連のない食料販売業者(スーパー)が土地と工場などを競売で落札したことが確認されたことから、2016年10月28日、近畿生コン社の生コン工場占拠は解除しました。
そして、近畿生コン社の関生支部組合員(正社員)は、新京都生コン(京都生コン協組加盟社)に移籍し、雇用も確保されました。
破産した会社の労働者を同業者に雇用させたのは、産業別労働組合の関生支部の協同組合運動(一面共闘)によって得た成果です。

「京都地域で生コン価格の値戻しが実現」

2016年3月、洛中協組3社とアウト4社による京都中央生コンクリート協同組合が設立されました。そして、生コン価格の値戻しが一気に実現していくことになったのです。
京都生コン協組は、同年4月1日から物価版記載価格である15400円/㎥を収受することを決定。また、京都生コン協組・京都中央生コン協組は2017年4月から販売価格17400円/㎥を打ち出しました。
そのことが、京南協組や洛南協組に影響を及ぼし、2017年1月から販売価格を1700円/㎥まで引き上げることが確約されたのです。
2017年7月には、京都生コン協組・京都中央生コン協組・洛南協組・京南協組による生コン協同組合連合会が設立されました。
生コン協同組合連合会の設立により、京都地域の生コン業界における協組加入社(イン)・員外社(アウトサイダー)の生コン価格のダンピング競争は終息しました。
そして、京都地域の生コン製造販売業者は、急激に売り上げを伸ばすこととなったのです。
京都市内の出荷量をおよそ年間で100万㎥とすると、3000円の値戻しで30億円の増益が行われたことになります。
この生コン価格の値戻しは、労使一体の取り組みとして行われました。京都生コン協組の生コン業界再建をめざす協調路線派と関生支部が協力・共闘したことで成果を得ました。
京都地域の生コン価格の値戻しは、産業別労働組合の関生支部が展開する生コン産業政策運送(一面共闘)を関生支部・京津ブロックが実践したことにより実現したのです。

私的判決論 人々の権利の実現をめざして

中島光孝/著
出版社名 白澤社
ページ数 334p
発売日 2025年06月
販売価格 : 3,400円 (税込:3,740円)
目次
第一部 弁論が開かれた最高裁判決(ハマキョウレックス事件、日本郵便〔西日本〕事件―「非正規格差」をどう是正するか
空知太神社事件最高裁判決―政教分離原則違反はだれがどのような基準で判断すべきか
水俣病訴訟―公害企業救済か被害者救済か)
第二部 「戦争」にまつわる判決(大阪・花岡中国人強制連行国賠請求訴訟―国家の「強制」による「加害」を国家はいかに償うべきか
台湾靖国訴訟・小泉靖国訴訟―台湾原住民族はなぜ「靖国合祀」を拒否するか
「アベ的なるもの」との三〇年―フィリピン元「従軍慰安婦」補償請求訴訟/「君が代」斉唱拒否訴訟/安倍国葬違法支出公費返還請求住民訴訟)
第三部 労働組合をめぐる判決(三菱重工長崎造船所〔労働時間〕事件―「労働と労働組合活動」を考える
住友ゴム工業事件・近鉄高架下文具店長事件―「職場の労働組合活動」を考える
関西生コン支部刑事弾圧事件―「労働基本権保障」の意味を考える)

 

真相はこれだ!関生事件 無罪判決!【竹信三恵子の信じられないホントの話】20250411【デモクラシータイムス】

ご存じですか、「関西生コン」事件。3月には、組合の委員長に対して懲役10年の求刑がされていた事件で京都地裁で完全無罪判決が出ました。無罪判決を獲得した湯川委員長と弁護人をお呼びして、竹信三恵子が事件の真相と2018年からの一連の組合弾圧事件の背景を深堀します。 今でも、「関西生コン事件」は、先鋭な、あるいは乱暴な労働組合が強面の不法な交渉をして逮捕された事件、と思っておられる方も多いようです。しかしそうではありません。企業横断的な「産別組合」が憲法上の労働基本権を行使しただけで、正当な交渉や職場環境の改善運動だったから、強要や恐喝など刑事事件には当たらないものでした。裁判所の判断もこの点を明確にしています。では、なぜ暴力的組合の非行であるかのように喧伝され、関西全域の警察と検察が組織的に刑事事件化することになったのか、その大きな背景にも興味は尽きません。 tansaのサイトに組合員お一人お一人のインタビューも連載されています。ぜひ、どんな顔をもった、どんな人生を歩んできた人たちが、濡れ衣を着せられ逮捕勾留されて裁判の法廷に引き出されたのかも知っていただきたいと思います。
動画閲覧できます ココをクリック

増補版 賃金破壊――労働運動を「犯罪」にする国

竹信三恵子 (著) 旬報社 – 2025/1/30

勝利判決が続く一方で新たな弾圧も――
朝⽇新聞、東京新聞に書評が載り話題となった書籍の増補版!関生事件のその後について「補章」を加筆。
1997年以降、賃金が下がり続けている先進国は日本だけだ。そんな中、関西生コン労組は、労組の活動を通じて、賃上げも、残業規制も、シングルマザーの経済的自立という「女性活躍」も、実現した。そこへヘイト集団が妨害を加え、そして警察が弾圧に乗り出した。
なぜいま、憲法や労働組合法を無視した組合潰しが行なわれているのか。迫真のルポでその真実を明らかにする。初版は2021年。本書はその後を加筆した増補版である。
◆主な目次
  はじめに――増補にあたって
  プロローグ
  第1章 「賃金が上がらない国」の底で
  第2章 労働運動が「犯罪」になった日
  第3章 ヘイトの次に警察が来た
  第4章 労働分野の解釈改憲
  第5章 経営側は何を恐れたのか
  第6章 影の主役としてのメディア
  第7章 労働者が国を訴えた日
  エピローグ
  補章 反攻の始まり
  増補版おわりに

映画 ここから 「関西生コン事件」と私たち
この映画は「フツーの仕事がしたい」「アリ地獄天国」など労働問題を取り上げ注目を浴びている土屋トカチ監督の最新作。「関西生コン事件」の渦中にある組合員たちの姿を描いた待望のドキュメンタリー映画『ここから「関西生コン事件」と私たち』がこのほど完成。業界・警察・検察が一体となった空前の労働組合潰しに直面した組合員と家族の物語を見つめた。(左写真は松尾聖子さん)いまも各地で上映会がひらかれている。
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ー 公判予定 ー

10月31日    国賠裁判      東京地裁(判決)   15:00~
11月18日    大津第2次事件   大阪高裁(判決)   14:30~