排外主義を許さず「ヘイトスピーチ」を許さない闘いを
「日本女性の会そよ風」(関東大震災で起きた朝鮮人虐殺を疑問視する団体)が昨年9月に開いた集会での発言を、東京都は人権尊重条例に基づく「ヘイトスピーチ」と認定しました。一方で東京都は、「日本女性の会そよ風」が今年の集会を開くために申請した公園の使用は許可しました。

「目標は両方の慰霊祭が許可されないこと」

朝鮮人犠牲者追悼碑(東京都墨田区・都立横網町公園)前では、1974年から日朝協会などの実行委員会が例年9月1日、追悼式典を開催してきました。
一方、「日本女性の会そよ風」は、碑に刻まれた朝鮮人犠牲者「6千余名」には「根拠がない」として、2016年から碑の撤去を都議らに働きかけ、2017年から同じ公園で同時刻に「真実の慰霊祭」と称する集会を始めました。昨年は集会に抗議する人たちとの間で衝突が起きています。
また、「日本女性の会そよ風」関係者のブログには「目標は両方の慰霊祭が許可されないこと」と書かれています。

「発言内容を公表しただけ」

ヘイトスピーチ対策法(自治体に啓発や相談体制の整備を求めるもの。罰則はない)が2016年に制定され、昨年10月には東京都で条例が制定されました。
昨年9月の「日本女性の会そよ風」の集会参加者の発言に対し、東京都は、『不逞朝鮮人により身内を殺され、家を焼かれた』などの発言が『不当な差別的言動にあたる』と認定し、8月3日に公表しました。
ところが東京都が公表したのは、ヘイトスピーチと認定した発言内容だけで、集会の主催団体や発言者名は明かさず、団体や発言者への通知もしませんでした。
東京都の対応は、ヘイトスピーチと認定しても「表現活動の概要公表」と「表現内容の拡散防止の措置」に限られたのです。東京都人権部の担当者は「条例は国の理念法に基づき、制裁よりも啓発の側面が強い」と説明しています。

「口頭確認で、二つの要件には該当しないと判断」

日朝協会などの実行委員会と「日本女性の会そよ風」は今年の9月1日にも集会を予定し、公園の使用を東京都に申請したところ、東京都は8月17日、双方に使用許可を出しました。
東京都の条例には、公共施設の利用を制限できる規定があります。制限するには、①ヘイトスピーチが行われる可能性が高い(言動要件)②ヘイトスピーチに起因する紛争などで施設の安全管理への支障が予想される(迷惑要件)の両要件を必要としています。
昨年の集会後に衝突が起き、逮捕者が出たのに今年も「日本女性の会そよ風」に使用を許可した理由について、東京都公園緑地部の担当者は、「ヘイトスピーチはしないと文書で示し、口頭で確認した」ことで、利用を制限できる二つの要件には該当しないと判断しました。憲法が保障する表現の自由を踏まえ、地方自治法で「正当な理由がない限り、住民の利用を拒んではならない」としていることも背景にあるといいます。

「ヘイトスピーチを認定しながら会場使用を規制できないのはおかしい」

同様の条例をもつ京都府や京都市は、「言動要件」(ヘイトスピーチが行われる可能性が高い)か「迷惑要件」(ヘイトスピーチに起因する紛争などで施設の安全管理への支障が予想される)のいずれかだけで施設の利用制限を可能としています。京都府の担当者は「京都では2009年に朝鮮学校への攻撃があったが、当時は法律がなく対処に限界があった。法ができたことを踏まえ、いずれかの要件だけでも対応できると判断した」と説明しています。
師岡康子弁護士は「昨年のヘイトスピーチを認定しながら会場使用を規制できないのはおかしい。都は今年も差別的発言があったら来年は許可しないなどの要件を課し、施設利用の制限の要件を見直すべきだ」と指摘します。(朝日新聞20年8月28日付)

「#私は追悼します」

関東大震災の際に起きた朝鮮人虐殺の犠牲者を追悼する式典が9月1日、予定通り開かれました。
日朝協会などの実行委員会が1974年から主催する式典には昨年、主催者発表で約700人が参列しましたが、今年は新型コロナウイルス対策で約30人に絞りました。
ネットで中継もされた式典では、実行委員長の宮川泰彦さんが「流言飛語を信じた自警団や軍隊、警察により朝鮮人や中国人が虐殺された。この消しようのない事実を忘れさせようという動きがある。数多くの尊い命が奪われたことを忘れてはならない」と挨拶しました。
小池百合子東京都知事は、追悼文の送付を4年連続で見送りました。その抗議の意味も込めた、ツイッターでは「#私は追悼します」とする投稿がトレンド入りしました。
また「日本女性の会そよ風」の集会も同時刻に開かれましたが、警察官百人の動員もあったことから大きな混乱は起きなかったようです。

「ヘイトスピーチを許さない闘いを」

私たちは、関東大震災時の朝鮮人虐殺の犠牲者に追悼します。このような悲劇が二度と繰り返されないために、私たち労働組合には学習と行動が求められています。ヘイトスピーチを許さない闘いを展開しましょう。

※関東大震災の朝鮮人虐殺
関東大震災で「朝鮮人が井戸に毒を入れた」などのデマを信じた自警団や警察、軍により朝鮮人や中国人らが殺害された。政府の中央防災会議報告書などによると犠牲者は1千~数千人とみられる。

「労働組合つぶしの大弾圧を許さない実行委員会」への賛同の呼びかけ 

PDF

デモクラシータイムス
【竹信三恵子の信じられないホントの話】
ヘイトの後に警察が来た~関西生コン事件
←ココをクリック
関西生コン事件ニュースNo.46  ココをクリック
「関西生コン事件」国家賠償請求訴訟 関連記事
OURPLANET(動画)「労働組合の自由を奪われた」関西生コン労組が国賠訴訟←ココをクリック
IWJ 国家賠償請求提訴についての記者会見 2020.3.17←ココをクリック
関西生コン労組、違法捜査と国など提訴 執行委員長ら恐喝容疑巡り「長期勾留は恣意的」 2020年3月17日 20:42 京都新聞←ココをクリック

大阪府労委で組合側の完全勝利命令!←藤原生コン運送不当労働行為事件

またもや、組合側勝利命令!←吉田生コン地位保全等仮処分申立事件

吉田生コン分会1名が職場復帰を果たす!PDF

労働組合やめろって警察にいわれたんだけどそれってどうなの(憲法28条があるのに…) 単行本 – 2020/3/6
連帯ユニオン、葛西 映子、北 建一、小谷野 毅、宮里 邦雄、熊沢 誠、海渡 雄一、鎌田 慧、竹信 三恵子(著)

内容紹介
戦後最大の「労組壊滅作戦」が進行。
警察・検察・裁判所による弾圧。
権力と一体となった業界あげての不当労働行為。
関西生コン事件の本質を明らかにする!
ストライキやコンプライアンス活動を「威力業務妨害」「恐喝未遂」として89人逮捕、71人を起訴。
委員長と副委員長の拘留期間は1年5か月超。
取り調べで「組合をやめろ」と迫る警察。
家族に「組合をやめるよう説得しろ」と電話をかける検察。
組合活動の禁止を「保釈許可条件」とする裁判所。
いったい誰が、なんのために仕掛けているのか「関西生コン事件」の真相。お問い合わせは、連帯ユニオンまで TEL:06(6583)5546 FAX:06(6582)6547
アマゾンでも購入することができます。

こちらから