偽りの「保守」が招く亡国の足音

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2026年3月、中東の火蓋がついに切られました。アメリカによるイラン介入を受け、世界のエネルギー供給の生命線であるホルムズ海峡は、かつてない緊張に包まれています。この極限の情勢下で、先の訪米において高市首相が交わした言葉は、今や日本国民の未来を直接左右する重い足枷(あしかせ)となろうとしています。一国のリーダーが異国の地で安易に語ったことの責任を、果たして自覚されているのでしょうか。

高市政権の独尊という危機

この未曾有の事態を前に、高市首相は「国益重視」という言葉を繰り返していますが、その実態は同盟国への無批判な追従を隠すための「卑屈な目くらまし」に過ぎないのではないでしょうか。

本来、日本の安定を支えてきた保守主義とは、冷徹な現実主義に基づいた「矜持」であったはずです。しかし、現在の政権が見せる振る舞いは、それとは似て非なる、独善的で危うい「ナショナリズム」への変質を露呈していると言わざるを得ません。今、私たちが抱くべき危機感の正体は、外敵の脅威以上に、内なる「保守の崩壊」にあるのではないでしょうか。

伝統的リアリズムの放棄と「対米追従」の策謀

本来、日本の保守政治とは、大国間のパワーバランスを冷静に見極め、地政学的なリスクを最小化する「リアリズム(現実主義)」に基づいたものでした。かつての日本を支えた「軍備を抑制しつつ経済発展を最優先する合理性」や「不測の事態に対しても抑制的かつ慎重に対処する危機管理の要諦(ようてい)」こそが、社会の安定を支えてきた保守の知恵です。

しかし、今回の米イラン衝突における高市首相の初動は、あまりにも米国、特にトランプ政権への同調が目立ちます。イランとの間に長年築いてきた独自の外交ルートや、エネルギー安全保障上の配慮をかなぐり捨て、米国の軍事行動を「理解する」との一点張りに終始する姿勢。これは、国益を多角的に守る保守の知恵ではなく、単なる「思考停止した追従」と言わざるを得ません。

「10兆円の聖域」が招く国民生活の崩壊

高市首相が加速させているのが、防衛力強化への「10兆円規模の追加投資」です。高市首相はこれを「不可避なコスト」と強弁しますが、財源を国債に頼り、実効的な増税や社会保障削減を強いる姿勢は、保守が尊ぶべき「社会の安定」を根底から破壊しています。

原油高と「悪い円安」のダブルパンチが、国民の可処分所得を激減させています。本来、保守政治が最優先すべきは「足元の平穏」ですが、現状は自らの野心を支える「数字上の国力」のみを追い求め、保守の体を成していません。10兆円もの国費を軍備や利権へ投じる冷酷な姿勢は、庶民の悲鳴を無視したものです。

特に深刻なのは、日本の食を支える農家や酪農家への直撃です。燃料費の爆騰に加え、輸入飼料や肥料価格が跳ね上がり、廃業の危機に瀕する生産者が相次いでいます。食料品高騰に震える家計や、家畜を処分せざるを得ない酪農家の絶望をよそに、空虚な「国家強靭化」を叫ぶ姿は、もはやリーダーとしての体を成していません。高市首相の語る「強い日本」には、生活の崩壊に喘ぐ国民の視線が欠落しているのです。

停戦を「実績作り」に利用する自衛隊派兵の強行

最も大きな懸念は、停戦合意直後からの高市首相の動きです。「国際貢献」という耳当たりの良い言葉を隠れ蓑に、停戦監視や機雷処分を名目とした「大規模な自衛隊派遣」を矢継ぎ早に決定しようとしています。

本来、保守の安全保障とは隊員の命の重みを認識し、派遣には慎重を期すものです。しかし、高市首相は「毅然とした」言葉を吐く一方で、自らは安全な官邸に居座り、硝煙立ち込める現場へ足を踏み入れようとはしません。最前線に立つ隊員一人ひとりの血の通った痛みすら想像できない安全圏に身を置き、国際舞台で「強力なリーダー」という虚飾を演じるため、隊員を死地へ外交のカードとして差し出す冷徹な計算には戦慄を覚えます。

高市首相の狙いは、法の限界を押し広げ、自衛隊派遣を既成事実化する「政治野心」に他なりません。十分な国民合意もないまま、事実上の「武力行使」と隣り合わせの地域へ隊員を送り出す。これは国を守ることではなく、自らの外交実績を作るための「冷徹な博打(ばくち)」であり、不遜な権力行使そのものではないでしょうか。

「法の支配」を軽視する危うい独断

高市首相の言動で最も危機感を抱かせるのは、国際法や国内法の手続きに対する軽視です。国会答弁において、高市首相はイラン攻撃の国際法上の正当性について「議論の余地はない」と一蹴しました。しかし、法治主義こそが保守が守るべき最重要の価値観であるはずです。

事実関係が曖昧なまま、時の政権が法解釈を恣意的に拡大し、なし崩し的に自衛隊の活動範囲を広げようとする。これは「法の支配」ではなく、指導者の意思が法を上回る「人による支配」への退行です。衆院選での圧勝を背景にした「数の力」による強行突破は、民主主義の根幹である「対話と抑制」を破壊しており、その先に待つのは権力の暴走という名の奈落に他なりません。

扇動的な「好戦的アジテーション」の正体

高市首相が繰り返す「大衆の不安を煽る好戦的なアジテーション」に私たちは騙されてはなりません。「日本を守り抜く」「毅然とした対応」といった、威圧的で独りよがりな宣戦布告まがいの発言の裏にあるのは、具体的な外交戦略ではなく、支持層を熱狂させるためのパフォーマンスです。

真の保守政治家であれば、戦火を避けるために水面下で泥臭い外交努力を尽くし、国民に最悪のシナリオを正直に語るはずです。しかし高市首相は、危機を利用して自らの権力基盤を固め、異論を排除する動きを強めています。この「対決を正当化する独善的なナショナリズム」こそが、国際社会における日本の孤立を招き、結果として日本を最も危険な状態に晒しているのです。

問われる「真の保守」の真価

現在、日本が直面する政治の正体は、保守を装った「過激な大衆扇動」に他なりません。法の秩序を軽んじ、思想に酔いしれる指導者の姿勢は、日本を危機の連鎖へと引きずり込んでいます。

さらに深刻なのは、高市首相が掲げる10兆円規模の投資実態です。この巨額な国富は、国内経済の立て直しではなく、米国製兵器の購入など「対米貢ぎ物」の色彩を強めています。エネルギーコストが増大し、賃上げ原資が枯渇するなかで、国民を救う代わりに米軍事ビジネスへ血税を投じる。この異常な優先順位により、日本経済は腐食し、国民生活は困窮の底へ沈んでいくことでしょう。

軍事利権への10兆円、米国の戦争への加担、国民の困窮という「トリプルパンチ」を前に、私たちは立ち止まらなければなりません。今求められているのは、独善的な思想ではなく、冷徹な国際感覚と国民への慈愛を持った、真の保守政治の再生です。

熱狂の代償 その一票で、命を差し出すのか

高市首相の暴走を支え、たきつけた者たちの責任は重大です。自ら投じたその一票と無慈悲な喝采が、この窮状を招いた事実に気づくのは遅すぎたかもしれません。しかし、自らの過ちを認めることからしか再建は始まりません。

私たちは今、このまま高市政権に日本の命運を、私たちの命を預け続けて本当によいのでしょうか。

忘れてはならないのは、戦火の犠牲となるのは常に、最前線に駆り出される労働者とその家族であるという冷酷な真実です。勇ましい号令をかける権力者は、安全な聖域から「愛国」を説き、惨禍を傍観するに過ぎません。

私たちは、歴史から扇動的なナショナリズムが招く地獄を学んだはずです。愛する者や自らの生活を、権力者の野心という祭壇に捧げてはなりません。今この瞬間こそ、熱狂から目を覚まし、戦争という名の「亡国の坂」を食い止める最後の分岐点なのです。

真相はこれだ!関生事件 無罪判決!【竹信三恵子の信じられないホントの話】20250411【デモクラシータイムス】

ご存じですか、「関西生コン」事件。3月には、組合の委員長に対して懲役10年の求刑がされていた事件で京都地裁で完全無罪判決が出ました。無罪判決を獲得した湯川委員長と弁護人をお呼びして、竹信三恵子が事件の真相と2018年からの一連の組合弾圧事件の背景を深堀します。 今でも、「関西生コン事件」は、先鋭な、あるいは乱暴な労働組合が強面の不法な交渉をして逮捕された事件、と思っておられる方も多いようです。しかしそうではありません。企業横断的な「産別組合」が憲法上の労働基本権を行使しただけで、正当な交渉や職場環境の改善運動だったから、強要や恐喝など刑事事件には当たらないものでした。裁判所の判断もこの点を明確にしています。では、なぜ暴力的組合の非行であるかのように喧伝され、関西全域の警察と検察が組織的に刑事事件化することになったのか、その大きな背景にも興味は尽きません。 tansaのサイトに組合員お一人お一人のインタビューも連載されています。ぜひ、どんな顔をもった、どんな人生を歩んできた人たちが、濡れ衣を着せられ逮捕勾留されて裁判の法廷に引き出されたのかも知っていただきたいと思います。
動画閲覧できます ココをクリック

増補版 賃金破壊――労働運動を「犯罪」にする国

竹信三恵子 (著) 旬報社 – 2025/1/30

勝利判決が続く一方で新たな弾圧も――
朝⽇新聞、東京新聞に書評が載り話題となった書籍の増補版!関生事件のその後について「補章」を加筆。
1997年以降、賃金が下がり続けている先進国は日本だけだ。そんな中、関西生コン労組は、労組の活動を通じて、賃上げも、残業規制も、シングルマザーの経済的自立という「女性活躍」も、実現した。そこへヘイト集団が妨害を加え、そして警察が弾圧に乗り出した。
なぜいま、憲法や労働組合法を無視した組合潰しが行なわれているのか。迫真のルポでその真実を明らかにする。初版は2021年。本書はその後を加筆した増補版である。
◆主な目次
  はじめに――増補にあたって
  プロローグ
  第1章 「賃金が上がらない国」の底で
  第2章 労働運動が「犯罪」になった日
  第3章 ヘイトの次に警察が来た
  第4章 労働分野の解釈改憲
  第5章 経営側は何を恐れたのか
  第6章 影の主役としてのメディア
  第7章 労働者が国を訴えた日
  エピローグ
  補章 反攻の始まり
  増補版おわりに

映画 ここから 「関西生コン事件」と私たち
この映画は「フツーの仕事がしたい」「アリ地獄天国」など労働問題を取り上げ注目を浴びている土屋トカチ監督の最新作。「関西生コン事件」の渦中にある組合員たちの姿を描いた待望のドキュメンタリー映画『ここから「関西生コン事件」と私たち』がこのほど完成。業界・警察・検察が一体となった空前の労働組合潰しに直面した組合員と家族の物語を見つめた。(左写真は松尾聖子さん)いまも各地で上映会がひらかれている。
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