「90年以降、『労働側の第2の攻勢期』と位置づけて」
深刻な事態ですが、連帯ユニオン関生支部は、この深刻な事態と表裏一体となった「チャンスの到来」を予言し、自らの闘いによって情勢を主導的に切り開いてきました。
1990年代を労働側の「第2の攻勢期」と位置づけ、春闘における賃上げや労働条件の改善に大きな成果をあげ、業界再建をめざす政策闘争と連動した運動を展開しました。元気な闘いを生んだ源は「資本側の収益率が低下することは相対的に労働者を支配する力が弱まっていることであり、敵の力が弱まることは相対的に労働組合の力が上回ることである」と分析し、運動を実践したからです。
90年春闘では、4月半ばに10社で賃上げ25,300円、年間一時金110万円のガイドラインを突破。5月には20社以上がガイドラインを突破して、生コン部門の平均妥結額は20,064円となり、セメントメーカーの労務機関(賃金・労働条件の抑制策)であった生コン経営者会議を実質的に崩壊させました。
そして、91年春闘は、賃上げ35,000円、92年春闘、35,000円、93年春闘は、平均20,257円の大幅賃上げを勝ち取りました。こうした90年以降の連帯関生支部の攻勢を背景にして、業界の危機打開・再建をめざす政策闘争が大きく前進したのです。経営者会議の解散は、セメント主導路線の崩壊を示すと同時に、業界内部でも労使が「対決」ではなく、「協力・共同」によって生コン価格の適正化や新たな業界の秩序確立に向けて共にスクラムを組む気運が急速に高まったのです。
こうして、94年以降の労働組合間、および労使間の共闘による新たな業界の枠組みを構築する本格的な政策闘争が始まりました。
90年春闘以来の4年続きの連帯関生支部主導による周到勝利によって、労使の力関係は大きく変わりました。加えて、業界の中には「平和的な会社で、年間の赤字は2億円近くになる」という悲痛な叫びがありました。
「稼働率が17.1%と極端な低水準に」
一方、通産省は1993年2月、中小企業近代化促進法に基づく「生コンクリート製造業実態調査報告書」をまとめ、生コン製造業の基本的な方向と課題を示しました。この中で、共同事業に関する課題として「品質確保」「安定供給」「適正価格」を柱とした共販事業の充実と再構築が重要課題であることを指摘。
具体的には、生コン製造能力が年間総需要量の約6倍に達していることから、1工場あたりのミキサー車稼働率が17.1%と極端な低水準となり、これが過当競争を生む元凶となっていること。協同組合員のグループ化、グループ内の業務提携、協業化などの事業を推進して競争の正常化をはかり、共販の充実を提起しました。
また、セメントとの関係では、セメントの過当競争が生コンの過当競争の要因となっていること。生コン業界の健全な発展のためには、これまでのセメントメーカー依存型から共生関係の構築に向けた、生コン業界としての斬新的な対応が不可欠であること。そして、生コン業界がセメント業界との間で主体性を確保しつつ、共生関係を強固にして健全な経営を維持することを提起しました。
「工業組合が『経営政策懇談会』参加を要請」
こうした通産省の提起を受けて、大阪兵庫生コンクリート工業組合(伊東達弥理事長)は、大阪地区の協組内の生コン企業に対し、1993年7月7日付けで「経営改善政策懇談会」開催に関する文書を作成し、同懇談会への参加を要請しました。
この文書によると、今日の生コン業界をとりまく業界秩序の崩壊と経営破綻の実態に触れ、出荷量の激減、過当競争のエスカレートが生コン価格の引き下げを助長していること。このまま推移すれば、生コン協組の崩壊、破産・倒産の続出、イン・アウトの関係なくパニックを招くことは必至であること。さらに、現状をこのまま放置すれば、生コン業界がゼネコンの隷属的な地位と生コン流通の「カモ」的存在となりさがり、業界の自立・自活の道は永久に閉ざされると指摘。こうした危機的な状況にあって、インとアウトの区別なく広く生コン業者が集まり、自立・再建を本題とする懇談会であることが記されていました。
当時の業界秩序の破壊と経営危機をもたらした根本原因は、セメントメーカーによる労働組合敵視政策と、これに追随した大阪兵庫生コンクリート工業組合の政策が変質したことにありました。
1993年以降、弥生会=セメントメーカー主導による労組敵対政策のもとで労使関係が崩れ、協組脱退が続出しアウトが増大。内部対立を増幅させ、自らの競争の激化と業界の混乱を招き、経営危機を深化させていったのです。
これに対して連帯関生支部は、組織の集中力を発揮して「連帯シフト」を完全に打破し、生コン業界の経営危機が進行するもと、業界の「生コン価格の値戻し・再建」にむけての産業政策を具体化しました。
93年春闘でも、90年以降4年連続の大幅賃上げを実現するなど経済闘争の勝利と結合して、業界再建に向けた政策懇談会を各地で開催しました。
「生コン価格の値戻し・業界再建」をテーマとして、4月30日には北大阪阪神地区協組と、5月20日には神戸生コンクリート協同組合と連帯関生支部各代表による懇談会を開催。そして6月10日には、神明協組との政策懇談会を開催し、業界の危機打開に向けた具体策を協議したのです。
生コン業界再建をめざす各協組との懇談会で共通した課題は、
●「生コン価格の値戻し・業界再建」には、イン・アウトの大同団結で協同組合の組織率を高め、魅力ある協組づくりへ将来の見通しを立てた計画が必要であること。
●各協組と卸協など関連業界とも連携して、業界再建を具体化すべきであること。
の認識が示されました。このように、工業組合、各協同組合が「インとアウトの区別なく再建」を呼びかけざるを得なくなった背景には、業界の危機の深刻さを物語ると同時に、連帯関生支部が掲げた業界再建の政策闘争の正しさと認識の広がりを示すものでした。
第12回 公判
日時:2019年3月25日 10:00~17:00
第13回 公判
日時:2019年3月26日 13:10(変更)~17:00
第14回 公判
日時:2019年3月27日 13:10(変更)~17:00
第15回 公判
日時:2019年3月28日 13:10(変更)~17:00
場所:大津地方裁判所
第2回 公判
日時:2019年5月15日 10:00~
場所:大阪地方裁判所 大法廷 201
第2回 公判
日時:2019年4月2日 11:00(変更)~
場所:大津地方裁判所
「労働組合つぶしの大弾圧を許さない実行委員会」への賛同の呼びかけ
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ストライキしたら逮捕されまくったけどそれってどうなの?(労働組合なのに…) 単行本 – 2019/1/30
連帯ユニオン、小谷野 毅、葛西 映子、安田 浩一、里見 和夫、永嶋 靖久(著)
内容紹介
レイシスト(差別主義者)を使って組合破壊をしかける協同組合、ストライキを「威力業務妨害」、職場のコンプライアンス違反の告発を「恐喝」、抗議を「強要」、組合活動を「組織犯罪」、労働組合を「組織犯罪集団」と言い換えて不当逮捕する警察。
いま、まっとうな労働運動に加えられている資本による攻撃と「共謀罪のリハーサル」ともいえる国家権力による弾圧の本質を明らかにする!
お問い合わせは、連帯ユニオンまで TEL:06(6583)5546 FAX:06(6582)6547
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