弱者に犠牲を強いる、種苗法改定案

世界各国が実施した新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐための移動規制により、物流は寸断され、人の移動が止まりました。それによって食料の生産と供給が減少し、消費者の買い急ぎを誘発しました。
農産物の輸出国が輸出規制をおこなうなか、価格の高騰や気候変動による干ばつやバッタの大量発生の被害も重なり、食糧危機の深刻さが露呈し、食糧自給率の切実さをコロナ危機が再認識させています。

「惨事便乗型資本主義」

農産物の貿易自由化が、多数の輸入依存国と少数の生産国という歪んだ構造を生み出した結果、需給バランスが崩れたことから価格が上昇傾向となり、自給率が低い輸入国では輸出規制に耐えられなくなっています。
国連食料農業機関(FAO)、世界保健機関(WHO)、世界貿易機関(WTO)の3つの国際機関の事務局長が共同声明を出し、輸出規制の抑制と食糧貿易のいっそうの自由化を求めましたが、輸出規制は国民の命を守る正当な権利なので、抑制するのは困難なのです。
輸出規制は行き過ぎた自由化が原因で、コロナ危機に乗じた「火事場泥棒」的な惨事便乗型資本主義(大惨事につけこんで実施される過激な市場原理主義改革=ショック・ドクトリン)を見過ごしてきたからであり、もっと自由化しろという論理は破たんしています。行き過ぎた貿易自由化に歯止めをかけ、各国が自給率向上政策を強化することが急務なのです。

「食糧自給率の低下に歯止めを」

日本の食糧自給率は主要国最低の37%で、63%を海外の食料に依存している現状のなか、日本への食料輸入が止まったら国民の命が危険にさらされるという大きな問題を抱えています。
危機に弱い社会経済構造は、TPP11(環太平洋連携協定)、日米貿易協定などの貿易自由化が原因であることから、早急に自由化を見直し、食糧自給率の低下に歯止めをかける必要があります。
また、コロナ禍の影響で研修生が来日できず、野菜などを中心に農業生産を大きく減少させる危険が露呈し、海外からの研修生に支えられている日本農業の不安定な現状が、コロナ危機により明らかになりました。

「グローバル大企業のための種苗法改定」

6月17日に閉会した通常国会で「種苗法改定案」が継続審議となり、秋の臨時国会の重要な争点になります。
安倍政権は2018年、主要食糧の種の供給に国が責任をもち、良いものを安く農家に提供することを定めた種子法を廃止しました。それと同時に成立した農業競争力強化支援法で、今まで国や県の農業試験場が開発してきたコメの種と情報を民間企業に提供しなさいと規定しました。
種苗法が改定されれば、栽培した作物から種を採って再び栽培する「自家採種」が制限され、農家は登録されている種は購入するのが原則になります。
これはグローバル種子企業が中南米各国で、「モンサント法」と呼ばれる一連の法律を制定させて展開した手法と似ています。グローバル種子企業が種を独占し、農家のコストが上昇して農産物の値上がりを招きます。農家と消費者の犠牲の上に、グローバル種子企業が利益を得ることを許してはいけません。

「弱者に犠牲を強いる法案を阻止する行動を」

日本の農業は、大規模農家が生産を拡大しても、廃業する農家の生産に追いつかず、総生産が減少する局面に突入しています。
国民に安全・安心な食料を安定供給するためにも、家族農業や小規模農業への支援が求められます。
秋の臨時国会で安倍政権が成立を狙っている「種苗法改定案」は、グローバル大企業の利益のために、家族農業者や小規模農業者に犠牲を強いるものなのです。「種苗法改定案」を廃案にする行動を展開しましょう。

※ 東京大学教授・鈴木宣弘さんのお話しを参照しました。

「労働組合つぶしの大弾圧を許さない実行委員会」への賛同の呼びかけ 
PDF

デモクラシータイムス
【竹信三恵子の信じられないホントの話】
ヘイトの後に警察が来た~関西生コン事件
←ココをクリック
関西生コン事件ニュースNo.38 ココをクリック
「関西生コン事件」国家賠償請求訴訟 関連記事
OURPLANET(動画)「労働組合の自由を奪われた」関西生コン労組が国賠訴訟←ココをクリック
IWJ 国家賠償請求提訴についての記者会見 2020.3.17←ココをクリック
関西生コン労組、違法捜査と国など提訴 執行委員長ら恐喝容疑巡り「長期勾留は恣意的」 2020年3月17日 20:42 京都新聞←ココをクリック

大阪府労委で組合側の完全勝利命令!←藤原生コン運送不当労働行為事件

またもや、組合側勝利命令!←吉田生コン地位保全等仮処分申立事件

公判が日程変更や中止になっています。確認お願いします。

労働組合やめろって警察にいわれたんだけどそれってどうなの(憲法28条があるのに…) 単行本 – 2020/3/6
連帯ユニオン、葛西 映子、北 建一、小谷野 毅、宮里 邦雄、熊沢 誠、海渡 雄一、鎌田 慧、竹信 三恵子(著)

内容紹介
戦後最大の「労組壊滅作戦」が進行。
警察・検察・裁判所による弾圧。
権力と一体となった業界あげての不当労働行為。
関西生コン事件の本質を明らかにする!
ストライキやコンプライアンス活動を「威力業務妨害」「恐喝未遂」として89人逮捕、71人を起訴。
委員長と副委員長の拘留期間は1年5か月超。
取り調べで「組合をやめろ」と迫る警察。
家族に「組合をやめるよう説得しろ」と電話をかける検察。
組合活動の禁止を「保釈許可条件」とする裁判所。
いったい誰が、なんのために仕掛けているのか「?関西生コン事件」の真相。お問い合わせは、連帯ユニオンまで TEL:06(6583)5546 FAX:06(6582)6547
アマゾンでも購入することができます。

こちらから