原発のない社会をめざして行動しよう
イギリスのウェールズで原発事業を進めていた日立製作所が2020年9月16日、原発事業からの撤退を発表しました。
日本は官民連携で原発の輸出政策を推進してきましたが、輸出に至ったケースは一つもありません。

「19年に事業を凍結していた」

日立製作所の完全子会社ホライズン・ニュークリア・パワーがウェールズ北部のアングルシー島に原発2基を建設する計画でしたが、日立製作所は事業の凍結を2019年1月に発表していたのです。
日立製作所は事業を継続するために、①プロジェクト遂行に必要な許認可の取得②採算性の確保③事業のオフバランス化(事業への出資比率を下げ連結子会社から外すこと)を条件としてきましたが、これらの条件整備が実現しなかったことから事業の凍結に追い込まれていました。

「コストが高い原発」

日立製作所は採算性を確保するために、高額な電力買い取り価格をイギリス側に求めていました。
イギリスで現在建設中のヒンクリーポイントCの原発の電力買い取り価格(メガワット時)は92.5ポンド(約1万2580円)。洋上風力は40ポンド(約5440円)前後となっており、原発のコストの高さが見て取れます。

「建設は遅れ、費用は増加」

イギリスは電力供給の約2割を原子力に頼る原発依存国の一つです。フランスと中国が出資している「ヒンクリーポイントC原発」の建設が進んでいますが、1995年以降、ヒンクリーポイントC原発の建設開始まで原発の新設はありませんでした。
エネルギーを安全保障や気候変動対策を理由の一つに挙げて原発新設を進めているイギリスですが、6つある新規の原発計画のうちヒンクリーポイントC原発以外はほとんどが進んでおらず、ヒンクリーポイントC原発も建設が大幅に遅れ、さらに事業費も当初の予定から15%も増加しているのです。

「再生可能エネルギーで、雇用を生むことが可能」

一方、2020年の第1四半期にイギリスで供給された電力の実に「47%が再生可能エネルギー」でした。
地元の住民団体「ピープル・アゲンスト・ウィルファB原発(PAWB)」は、事業がアングルシー島の豊かな自然や文化を壊すとして粘り強く反対活動を続けてきました。
PAWBのロブ・イドリス氏は、「日立製作所の完全撤退を歓迎する。日立製作所には、(原発のために取得した)事業地を別の原発事業者に売却するようなことはしないように求めたい。社会の脱炭素化は急務だが、原発以外にすでに解決策がある。再生可能エネルギーでイギリスにも日本にも、さらに雇用を生むことも可能だ」とコメントしています。

「原発のない社会をめざして行動しよう」

「世界原子力産業現状報告」によると、2019年に追加された設備容量は再生エネルギーが184ギガワットで原発が2.4ギガワット。2019年は、水力発電を除いた再生エネルギーで発電された電力量が原発を上回りました。
東京電力福島第1原発事故から、2021年で10年を迎えます。未だに事故の収束が見通せないなかで、日本が海外に発信すべきことは、「原発事故の過酷さや被害者の置かれている深刻な状況」です。
私たち労働組合は、福島原発事故の実態と現状、日本政府が税金を使って推進してきた原発輸出は、コストとリスクの両面で理にかなわないこと、再生エネルギーの発電で電力量が賄え雇用も生まれることなどを発信することが求められています。
日本国内のすべての原発廃止と、大企業の利益のみの原発輸出政策をやめさせるための行動を展開しましょう。

「労働組合つぶしの大弾圧を許さない実行委員会」への賛同の呼びかけ 

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641日勾留された武委員長が語る

「関西生コン事件」で逮捕された武建一委員長は今年5月29日、641日ぶりに保釈された。その1ヵ月後に収録されたロングインタビューをまとめた本が12月10日発刊される。
・一連の事件は、なぜ起きたのか?
・関生支部とはどのような労働組合なのか?
・武建一という人物はいったい何者なのか?
そんな疑問に事実をもって答える1冊。ぜひ、お読みください。『武建一が語る 大資本はなぜ私たちを恐れるのか
発行・旬報社、四六判218ページ、定価1500円+税
*全日建(全日本建設運輸連帯労働組合)にお申し込みいただければ頒価1500円(送料込み)でお届けします。多部数の場合はお問い合わせください。
お問い合わせ03-5820-0868
【目 次】
第1章 刑事弾圧
641日にもおよんだ勾留生活/なぜ私は逮捕されたのか/協同組合の変質/労組破壊に参加したレイシスト
第2章 「タコ部屋」の過酷労働
私の生い立ち/「練り屋」と呼ばれて/労働運動に目覚める/関生支部の誕生/初めての解雇
第3章 闘いの軌跡
万博不況とオイルショック/ヤクザと生コン/経済界が恐れる産業別労働運動
第4章 大同団結
安値乱売で「がけっぷち」/大阪広域協組の誕生/シャブコン/2005年の弾圧事件/ゼネスト決行/目指すべき場所
解題・安田浩一(ジャーナリスト)
今年も残り少なくなりました。皆様には御元気で御活躍のことと存じます。
この間、全国の多くの皆様より私たち関生支部に対する国家権力と大阪広域生コンクリート協同組合、差別排外主義者集団が一体となった攻撃をはね返す闘いに、多大な御支援をいただきまして誠にありがとうございます。
このたび、著書『大資本はなぜ私たちを恐れるのか』を12月10日に発行する運びとなりました。
今日まで、私は、会社の雇ったヤクザに5回以上殺されかけたり、刑事事件をでっち上げられ前科5犯にさせられています。
1980年代には日経連の大槻文平会長(当時)から「関生型運動は資本主義の根幹に触れる」と言われ、国家権力とマスコミからは「生コンのドン」「金を企業からむしり取る」などとして「反社会的勢力」とレッテルを貼られています。
それはなぜか。歴史と今日を振り返り、事実を元に書かせていただいています。
是非、一読下さい。
心より愛をこめて
武 建一

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