「新自由主義を終わらせる労働運動の再生を」7.3討論集会

国鉄闘争全国運動の呼びかけで、「新自由主義を終わらせる労働運動の再生を」を掲げた「7.3討論集会」が7月3日、千葉商工会議所で開催され、多くの闘う労働者が結集しました。

「労組運動の再生の思想と道筋を考える」

動労千葉・川崎書記長の司会で討論集会は始まりました。川崎書記長は「今こそ新自由主義に抗して労働者の強力な団結と運動が必要だ。本日の討論会は、新自由主義と闘ってきた国鉄闘争、関生支部や港合同、動労千葉の経験などを素材に、いくつかの報告とディスカッションを通して、労働運動の再生の思想と道筋を考えよう」とあいさつしました。

「特徴的な闘いの報告」

討論の前段に、4者から報告がありました。国鉄闘争全国運動・事務局の白井さんからは、「ちば合同労組での経験から、関生支部から学ぶ」。国鉄闘争全国運動・事務局、動労総連合書記の片峰さんからは「正社員、大企業・公的部門の労働運動を変革するというテーマについて、動労千葉運動が提起している普遍的な教訓を考える」。舟橋二和病院労働組合の飯田委員長からは「二和病院労組の闘い」が報告されました。

「現場の闘争報告・方針など活発な議論に」

国鉄闘争全国運動よびかけ人の伊藤さん、金さん、木下さんから、それぞれ問題提起を受けて討論に入りました。
討論では、各地域や各職場の現場で闘っている仲間の闘争報告や闘争方針などが活発に議論されました。

「日教組奈良市の闘い」

豪雨の影響で新幹線が大幅に遅れ、やっと会場に到着した、日教組奈良市の増田書記長の「日教組奈良市の闘い」が報告されました。

「不当労働行為企業への抗議活動」

奈良の仲間と同じく大幅に遅れて到着した、関生支部の武谷書記次長からは、現場の闘いとして、「保釈条件が緩和され、5月の連休明けから、解雇撤回闘争を闘う組合員と一緒に宣伝カーで現場に出ている。不当労働行為企業への抗議やコンプライアンスを遵守しない建設現場のチェック、労働条件が切り下げられた生コン労働者のオルグ活動を展開している」など、現場の闘争が報告されました。

「まとめ」

港合同執行委員の木下さんはまとめとして、「時代の到来で、我々が打って出るときがきた。国鉄、弾圧、医療、教育の闘い。コロナにより新自由主義の矛盾が噴出し、その攻撃は、菅、支配階級ということが明らかになった。労働者の団結で闘い、階級的労働運動の再生と国鉄全国集会を勝ち取ろう」と行動提起。最後に「7月13日武委員長判決公判で求刑8年を粉砕し、7月23日オリンピック粉砕集会デモに結集し、11月集会に向かって団結を強化拡大しよう」と呼びかけて締めくくりました。

「労働組合つぶしの大弾圧を許さない実行委員会」への賛同の呼びかけ PDF

ハーバービジネスオンライン
「関生事件」が揺るがす労働基本権
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挑戦を受ける労働基本権保障――一審判決(大阪・京都)にみる産業別労働運動の無知・無理解 (検証・関西生コン事件1)(日本語) 単行本 – 2021/4/20

業者団体と警察・検察が一体となった組合弾圧=「関西生コン事件」がはじまって4年。
労働法研究者、自治体議員、弁護士の抗議声明が出され、労働委員会があいついで組合勝利の救済命令を下す一方、裁判所は産業別労働組合への無知・無理解から不当判決を出している。
あらためて「関西生コン事件」の本質、不当判決の問題点を明らかにする!
連帯ユニオン(著)、小谷野 毅(著)、熊沢 誠(著)、& 2 その他
発行・旬報社、定価800円+税

「関西生コン事件」がはじまってから4年目となります。
関生支部(全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部)を標的として、大阪広域生コンクリート協同組合(大阪広域協組)が日々雇用組合員の就労拒否(400人以上)、正社員組合員の解雇、業界あげての団交拒否を開始したのが2018年1月。このあからさまな不当労働行為の尻馬に乗って、滋賀県警が半年後の2017年7~8月にかけて組合員と生コン業者ら10人を恐喝未遂容疑で逮捕しました。その後、大阪、京都、和歌山の三府県警が、2019年11月にかけて、じつに11の刑事事件を仕立てあげ、のべ89人もの組合員と事業者を逮捕。数え上げるとじつに計18回も逮捕劇がくりかえされ、のべ71人が起訴される事態に発展しました。いずれも、ストライキやビラまき、建設現場の法令違反を調査、申告するなどして公正な取引環境を実現するためのコンプライアンス活動、破産・倒産に対して雇用確保を求める工場占拠闘争など、あたりまえの労働組合活動が、恐喝未遂、恐喝、強要未遂、威力業務妨害といった刑事事件とされたものです。
業者団体と警察・検察が表裏一体となった組合弾圧、それが「関西生コン事件」です。
これに対し、歴代の労働法学会代表理事経験者を多数ふくむ78人の労働法学者が2019年12月、憲法28条の労働基本権保障や労働組合法の刑事免責を蹂躙する警察・検察、そしてそれを追認する裁判所を批判して「組合活動に対する信じがたい刑事弾圧を見過ごすことはできない」とする声明を公表しました。全国各地の120人超の自治体議員の抗議声明、弁護士130人の抗議声明なども出されます。また、自治労、日教組などの労働組合や市民団体がつくる平和フォーラムが母体となって「関西生コンを支援する会」が結成されたのをはじめ、各地で支援組織が2019~20年にかけてあいつぎ結成されます。「関西生コン事件」は関生支部だけの問題ではない、労働組合の権利そのものを脅かす事態だという認識が広がっています。
さらに、冒頭に述べた一連の解雇、就労拒否、団交拒否に対抗すべく関生支部が申し立てた20件近い不当労働行為事件において、大阪府労働委員会が2019年秋以降、あいつぎ組合勝利の救済命令を下しています。その数は命令・決定12件のうち10件(2021年4月現在。大半が中央労働委員会に再審査事件として係属)。団結権侵害を主導した大阪広域協組の責任が明確になってきました。
一方、11件の刑事事件はその後、各事件の分離、併合の結果、大阪、京都、和歌山、大津の四地裁において8つの裁判に整理され、審理がすすめられ、現在までに、大阪ストライキ二次事件(2020年10月)、加茂生コン第一事件(同年12月)、大阪ストライキ一次事件(2021年3月)の3つの一審判決が出されています。
これら判決は、労働委員会事件で出された勝利命令とは対照的に、いずれも労働組合運動に対する浅薄な理解と認識をもとに、大阪広域協組の約束違反や企業の不当労働行為を免罪する一方で、産業別労働組合としての関生支部の正当な活動を敵視するものとなっています。
そこで、この機会に、あらためて「関西生コン事件」とはなにか、また、これら不当判決の問題点はなにかを、労働組合運動にたずさわる活動家のみなさまをはじめ、弁護士、研究者、ジャーナリストのみなさまに一緒に考えていただくために、裁判や労働委員会に提出された研究者の鑑定意見書などを収録した『検証・「関西生コン事件」』を随時発刊することにしました。
控訴審において無罪判決を勝ち取るために努力するのはもちろんのことですが、不当判決を反面教師として、先達が築いてきた労働運動の諸権利を学び直し、新たな運動を創造していくことが私たちに求められていると考えます。本書がその手がかりとして活用されることを願ってやみません。
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