悲惨な戦争を風化させてはならない
アジア太平洋戦争が終結し今年で76年目。戦争を知る人も少なくなってきた。戦争の恐ろしさを風化させてはいけない。日本は中国や朝鮮などを仮想敵国として軍備を強化。「慰安婦問題」や「徴用工問題」など外交で解決すべき問題を徹底抗戦すると公言する政治家も増え、それに同調する人たちも増加している。まさに戦争前夜を思わせる時代に突入した日本。このような状況を憂い、戦争を知る人たちがいろいろな声を上げている。今回は毒蝮三太夫さんの投稿を引用し戦争について考えていきたい。
8月15日は敗戦の日
「今年も8月15日という日が来た。世間ではこの日を「終戦の日」「終戦記念日」と言うのが一般的だ。でも俺は「敗戦の日」だってことにこだわりたいんだ。終戦ではなく敗戦と言い続けたい。敗戦の悔しさを忘れるなって話ではない。敗戦となる戦争をしたことがいかに日本を不幸にしたか忘れるなよってことだ。」と毒蝮さんは訴えている。
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戦争体験を多くの人に伝えるのが役割
毒蝮さんは日本が敗戦した1945年8月15日、9歳の少年だった。空襲で焼きただれた東京を離れ神奈川県に疎開。一番悲惨な戦争体験は1945年5月24,25日の城南大空襲。B29が500機も襲来し、24日には762人、25日には3651人もの人が殺された。毒蝮さんは母と一緒に一晩中逃げ回った。朝が来て、焼けた家の方に向かって歩いていく途中、道端のそこらじゅうに死体が散乱。焼夷弾の消火に追われるうちに逃げ切れず炎に巻かれてしまった死体、爆風に吹き飛ばされて首の無い死体、手の無い死体、そういうのがごろごろしてたという。「昨日まで暮らしていた町も家も一晩で焼き払われ、そこで生活していた大勢の人があっという間に死体になってしまう。それが戦争。そこにあった事実を、この目で見たものを、できる限り伝えていきたい。それが俺の役割であり戦争を知る世代の役割である」と結んでいる。
戦争とは人の命を奪うこと
先の大戦で軍人軍属戦死者230万人。民間人の国外での死亡30万人、国内での空襲等による死者50万人以上、合計310万人以上の尊い命が奪われた。その9割が1944年以降の戦争末期に集中して亡くなったといわれている。早期に終戦の決断をすれば東京大空襲も沖縄戦も広島、長崎原爆被害も起こらなかった。しかしはじめたら簡単にやめることができないのが戦争なのだ。戦争は国と国が争うものではない。そこにはリアルな国民と国民の殺し合いがあることを想像しなければならない。戦争は誰の得にもならないということを今後も訴えていかなければならない。
「労働組合つぶしの大弾圧を許さない実行委員会」への賛同の呼びかけ PDF
「関生事件」が揺るがす労働基本権
<労働裁判が働き手を素通りするとき> ココをクリック
日刊深夜快速Vol.3551/水曜版・週刊大石ちゃん自由自在(仮)~関西生コンスペシャル・前編~ ココをクリック
日刊深夜快速Vol.3558/水曜版・週刊大石ちゃん自由自在(仮)~関西生コンスペシャル・後編~ ココをクリック
挑戦を受ける労働基本権保障――一審判決(大阪・京都)にみる産業別労働運動の無知・無理解 (検証・関西生コン事件1)(日本語) 単行本 – 2021/4/20
業者団体と警察・検察が一体となった組合弾圧=「関西生コン事件」がはじまって4年。
労働法研究者、自治体議員、弁護士の抗議声明が出され、労働委員会があいついで組合勝利の救済命令を下す一方、裁判所は産業別労働組合への無知・無理解から不当判決を出している。
あらためて「関西生コン事件」の本質、不当判決の問題点を明らかにする!
連帯ユニオン(著)、小谷野 毅(著)、熊沢 誠(著)、& 2 その他
発行・旬報社、定価800円+税
「関西生コン事件」がはじまってから4年目となります。
関生支部(全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部)を標的として、大阪広域生コンクリート協同組合(大阪広域協組)が日々雇用組合員の就労拒否(400人以上)、正社員組合員の解雇、業界あげての団交拒否を開始したのが2018年1月。このあからさまな不当労働行為の尻馬に乗って、滋賀県警が半年後の2017年7~8月にかけて組合員と生コン業者ら10人を恐喝未遂容疑で逮捕しました。その後、大阪、京都、和歌山の三府県警が、2019年11月にかけて、じつに11の刑事事件を仕立てあげ、のべ89人もの組合員と事業者を逮捕。数え上げるとじつに計18回も逮捕劇がくりかえされ、のべ71人が起訴される事態に発展しました。いずれも、ストライキやビラまき、建設現場の法令違反を調査、申告するなどして公正な取引環境を実現するためのコンプライアンス活動、破産・倒産に対して雇用確保を求める工場占拠闘争など、あたりまえの労働組合活動が、恐喝未遂、恐喝、強要未遂、威力業務妨害といった刑事事件とされたものです。
業者団体と警察・検察が表裏一体となった組合弾圧、それが「関西生コン事件」です。
これに対し、歴代の労働法学会代表理事経験者を多数ふくむ78人の労働法学者が2019年12月、憲法28条の労働基本権保障や労働組合法の刑事免責を蹂躙する警察・検察、そしてそれを追認する裁判所を批判して「組合活動に対する信じがたい刑事弾圧を見過ごすことはできない」とする声明を公表しました。全国各地の120人超の自治体議員の抗議声明、弁護士130人の抗議声明なども出されます。また、自治労、日教組などの労働組合や市民団体がつくる平和フォーラムが母体となって「関西生コンを支援する会」が結成されたのをはじめ、各地で支援組織が2019~20年にかけてあいつぎ結成されます。「関西生コン事件」は関生支部だけの問題ではない、労働組合の権利そのものを脅かす事態だという認識が広がっています。
さらに、冒頭に述べた一連の解雇、就労拒否、団交拒否に対抗すべく関生支部が申し立てた20件近い不当労働行為事件において、大阪府労働委員会が2019年秋以降、あいつぎ組合勝利の救済命令を下しています。その数は命令・決定12件のうち10件(2021年4月現在。大半が中央労働委員会に再審査事件として係属)。団結権侵害を主導した大阪広域協組の責任が明確になってきました。
一方、11件の刑事事件はその後、各事件の分離、併合の結果、大阪、京都、和歌山、大津の四地裁において8つの裁判に整理され、審理がすすめられ、現在までに、大阪ストライキ二次事件(2020年10月)、加茂生コン第一事件(同年12月)、大阪ストライキ一次事件(2021年3月)の3つの一審判決が出されています。
これら判決は、労働委員会事件で出された勝利命令とは対照的に、いずれも労働組合運動に対する浅薄な理解と認識をもとに、大阪広域協組の約束違反や企業の不当労働行為を免罪する一方で、産業別労働組合としての関生支部の正当な活動を敵視するものとなっています。
そこで、この機会に、あらためて「関西生コン事件」とはなにか、また、これら不当判決の問題点はなにかを、労働組合運動にたずさわる活動家のみなさまをはじめ、弁護士、研究者、ジャーナリストのみなさまに一緒に考えていただくために、裁判や労働委員会に提出された研究者の鑑定意見書などを収録した『検証・「関西生コン事件」』を随時発刊することにしました。
控訴審において無罪判決を勝ち取るために努力するのはもちろんのことですが、不当判決を反面教師として、先達が築いてきた労働運動の諸権利を学び直し、新たな運動を創造していくことが私たちに求められていると考えます。本書がその手がかりとして活用されることを願ってやみません。
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